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マクドナルド元外相死去 [保守党]

 フローラ・マクドナルド元外務大臣が、7月26日に死去した。89歳だった。
 1926年ノバスコシア州ノースシドニーに生まれ、1972年オンタリオ州キングストン&アイランズ選挙区に進歩保守党から出馬し、下院議員となった。
 1976年には、カナダの歴史上3人目の女性として党首選に立候補した。有力視されていたウェゲナーとマルローニの二人は右派であり、彼女は推薦人を300人集め左派で最も有力視されたが、第1回の投票で214票しか獲得できなかった。これは、女性政治家に口先だけ支援を約束しあとで裏切る「フローラ・シンドローム」と呼ばれた。彼女は同じ左派のジョー・クラーク支持に回り、彼の当選に貢献した。1979年クラーク政権が発足すると、彼女は女性初の外務大臣に任命された。
 1980年総選挙では、同じ選挙区でサイ党がエドワード・シャープという人物を“Edward Not-So-Sharp”という名で立候補させた。彼は“Fauna, not Flora”(植物ではなく動物に)というスローガンを掲げた。
 その後のマルローニ政権で彼女は、1984年に雇用および移民大臣、1986年に情報大臣を務めるが、1988年総選挙で自由党のピーター・ミリケン(後の下院議長)に敗れ、政界を引退した。
 引退後はクイーンズ大学で教えながら、国際開発リサーチセンター議長や世界連邦運動会長などの人道活動に尽力した。
 進歩保守党のカナダ同盟への吸収合併には、女性の権利や二言語主義を擁護する立場から、クラーク元首相とともに反対した。一説によると、彼女は総選挙で新民主党に投票したという。
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閣僚経験者の相次ぐ引退、何があったのか [保守党]

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 重要閣僚を務めたマッケイ法務大臣の突然の引退表明は、ジョン・ベアード前外務大臣の唐突な引退表明に続くものである。このほかシェリー・グラバー文化遺産大臣、クリスチャン・パラディ国際開発大臣、ダイアン・アブロンジー外務担当国務大臣、ゴードン・オコナー前下院院内幹事長などの閣僚経験者を含む30人以上の議員が引退を表明しており、保守党議員の実に18%にも及ぶ。
 新民主党のマルケア党首は5月29日、「このごろ多くの人々がスティーブン・ハーパーの船から脱出しているようだ」と揶揄した。トニー・クレメント予算庁長官は「我々の敵が大喜びで手を叩きながら、沈みゆくタイタニック号について話している」とコメントした。
 クレメント予算庁長官は、全ての閣僚は次の総選挙に出馬するかどうかを、何か月か前にハーパー首相に報告するよう要請されたと打ち明けた。マッケイ法務大臣は、ノバスコシア州セントラル・ノバ選挙区で擁立されている。だからハーパー首相は、彼が出馬すると当然思っていただろう。いったい何があったのだろうか。
 2月に突然引退したベアード外務大臣も、選挙区で擁立されていた。表向きは新しい人生を始めるということだったが、実際はウクライナ外交を巡り首相と対立したからだった。
 マッケイ法務大臣には幼い息子がいて、近いうちにもう一人の子が生まれる。彼が子供のころ両親が離婚し、父は政治家だったので不在がちだった。彼はつねづね、子供たちには同じ思いをさせたくないと繰り返し語ってきた。彼の言葉は、まんざら嘘ではなさそうだ。だが彼は、絶対に政界復帰しないかと問われ「絶対とは、絶対に言えない」と答えた。

 政治評論家のエリック・グルニエ氏は、こう解説した。
「東部におけるハーパー首相の支持率は、(伝統的に保守党が嫌われている)ケベックを含めカナダのどの地域よりも悪い。進歩保守党の名を背負う彼の旅立ちは、拍車をかけるだろう。」
 カナダ保守党は連邦組織だけで、地方の組織がない。同党は、各地の進歩保守党と提携している。カナダ保守党は東部で13議席を持っているが、世論調査で保守党は自由党に大きく差をつけられている。「最後の進歩保守党」ピーター・マッケイなしで、果たして議席を維持できるのか。
 ジャン・シャレー進歩保守党元党首は、こう語った。
「レッド・トーリーはいまだ健在なのかという疑問がある。我々は次の総選挙で、レッド・トーリーの居場所があるかどうかを見守る。」
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マッケイ法務大臣、引退を表明 [保守党]

 ピーター・マッケイ法務大臣は5月29日、次の総選挙に出馬せず引退すると発表した。
 彼は「全く個人的な理由で、公生活から身を引き、若く発展しつつある私の家庭に集中する時が来た」と語った。彼には夫人と幼い息子がいて、夫人は2人目の子を妊娠している。
 彼は現在次の職を探しているわけではなく、次の総選挙までは下院議員と法務大臣の職にとどまるというハーパー首相の要請を受け入れたと説明した。
 進歩保守党最後の党首となった彼は、党内左派を代表する人物であり、ポスト・ハーパーの有力候補としてしばしば名を挙げられた。記者は彼に、本当に永久に政界を去るのかと念を押したが、彼は「それに言及するのは不誠実だ」と答えた。
 マッケイ法務大臣は1965年、エルマー・マッケイ公共事業大臣の息子として生まれた。1997年、36歳で進歩保守党から下院議員に初当選し、30代の新人議員たちとともに「青年トルコ党」と呼ばれた。2006年に大西洋カナダ開発庁担当大臣、2007年に国防大臣、2013年に法務大臣に就任した。
 2003年の進歩保守党党首選で、マッケイはカナダ同盟との合併協議に応じないと公約したが、当選するとただちに合併を成立させ、新党の副党首に就いた。彼は、下院に残る元進歩保守党最後の議員でもある。
 進歩保守党議員だったビル・ケーシー氏は、こう述べた。
「ハーパー政権の顔ぶれは、みんな元改革党になった。進歩保守党はいなくなった。」
 ケーシー元議員は、2007年にハーパー内閣の予算案に反対票を投じ、党を除名された。次の総選挙では自由党から出馬することになっている。5947880.jpg

 若い二世議員のマッケイは、「カナダで最もセクシーな政治家」として話題を呼んだ。同僚のベリンダ・ストロナック議員と交際していたが、彼女は2005年5月、閣僚ポストと引き換えに与党自由党に移籍し、予算案を可否同数で可決させた。マッケイは彼女の動向を知っていたにもかかわらず、秘密を守ったため非難された。
 その後はジェリー・メリシュー退役軍人大臣の娘リサ・ミシェル・メリシューさんと浮名を流し、2006年にコンドリーザ・ライス国務長官がカナダを訪問した際も、意気投合して恋の噂を立てられた。2009年にはCTVディレクターのジェイナ・ジュジノビッチさんと婚約したが、翌年解消した。2012年、人権活動家で元ミス・ワールド・カナダのナザニン・アフシン=ジャムさんと結婚した。
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 党内ナンバー2だったマッケイは、重要閣僚を歴任した。国防大臣を6年務めたのは史上2番目の長さになるが、彼はハーパー内閣のトラブルメーカーだった。2007年にアフガニスタンの基地に滞在していたとき、ロケット攻撃を受けた。2010年には、私用で軍用ヘリを使い3万2000ドルを費やしたことで非難された。2012年には、ステルス戦闘機F35の調達費用を見積もりより低く議会に報告したことで問題視された。2011年には、カリフォルニアとブリティッシュコロンビアは隣どうしだと言って、(英語が不自由なため頭が悪いと思われている)アーノルド・シュワルツェネッガー元州知事に誤りを指摘された。2012年のフランス革命記念日には、オタワのフランス大使館で「フランスは1812年戦争で、イギリスとともにアメリカと戦った」(実際はフランスはアメリカを支援した)とスピーチした。
 議会での追及を恐れたハーパー首相は、内閣改造でマッケイを法務大臣に異動させた。だが彼は、新しい任務に就いてもトラブルを起こし続けた。2013年、ノバスコシア裁判所に任命された裁判官9人のうち6人がマッケイ法務大臣と知り合いだったため、疑惑を呼んだ。マッケイの秘書は、裁判官は委員会が推挙した人物を法務大臣が任命するだけだと抗弁した。
 2014年の母の日には、法務省の女性スタッフに「法務省で働く母親は、家と職場で2つのフルタイムをこなしている。朝オフィスに到着する前に赤ちゃんのおむつを換えたり、皆のランチを用意したり、子供をスクールバスに乗せたり」という内容の電子メールを送り、翌月の父の日には男性スタッフに「父親の言動や影響により次代を担うリーダーたちの心が育まれる」という内容の電子メールを送り、前時代的で差別的だとして非難された。


写真上:リサ・ミシェル・メリシューさんとピーター・マッケイ氏。
写真下:結婚式で花嫁を追いかけるピーター・マッケイ氏。
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進化論発言の保守党議員、「宗教上の理由」で幹部会離脱 [保守党]

 ジェームズ・ラニー下院議員は3月31日、宗教上の信条を理由に保守党幹部会を離脱し、無所属となると発表した。
 彼は、以下の声明を発表した。
「信教・良心および表現の自由に対する抑圧に警告するため、宗教指導者たちは3月25日にオタワに集った。彼らは、法律・医療・学門の各界においてキリスト教的価値観を排除しようとする試みについて確認した。私も、これと同様の懸念を抱いている。異なる価値観を共有する社会において、偏狭さと不寛容を惹起する党派政治とメディアの現状は、疑われるべきである。それは前世紀から間違った概念に基づき、多文化かつ多民族かつ信教の自由をもち、異なる価値観を共有する社会に対する重大な違反である。私は今日、下院議長に無所属議員とするよう要請した。私は信教と信条を守るため、下院で演説する機会を今後も持ち続ける。私は、自発的に保守党幹部会から離脱する。この決定は、完全に私自身によるものである。私は己の信条を守るために、多民族かつ多文化かつ信教の自由を持つ幹部会を混乱させたくはない。私には有権者への公約を裏切る意図はなく、保守党幹部会の仲間たちとともに投票し続ける。」
 首相広報のスティーブン・レッセ氏は「この議員は、幹部会から自主的に離脱した。彼は、次の総選挙に出馬しないと表明している」というそっけない声明を発表した。
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ポスト・ハーパーにプレンティス有力 [保守党]

 自由党の支持率は依然として高く、ハーパー首相は次の総選挙では苦戦を強いられることになりそうだ。
 もし保守党が次の総選挙で敗北したら、ハーパー首相はすぐに党首を辞任するだろう。
 もし保守党が過半数を獲得できなくても、第一党でありさえすれば、ハーパー首相は少数政権として続投することができるが、その場合政権は1年ともたないだろう。
 もし保守党が過半数を獲得できたら、2017年7月1日の建国150年祭を終えたら、ハーパー首相はおそらく翌年引退するだろう。
 早ければ今年、遅くても2018年までにハーパー首相は退任する。次の党首は誰になるだろうか。

 保守党の伝統的基盤である、中西部ポピュリスト・オンタリオのレッドトーリー・ケベック民族主義者の連立は不安定なもので、しばしばその利害は対立した。そして1987年の改革党結成により、保守は分裂した。だがハーパー首相は、2004年に保守合同を成し遂げ、オンタリオの地方と中西部によるより強固な連立を作り上げた。しかし彼が退陣したあと、保守党は再びオンタリオのレッド・トーリーと中西部ポピュリストに分裂するかもしれない。そこで後継党首には、両者の間に立つ絶妙のバランス感覚が求められる。

 重要閣僚を歴任したジョン・ベアード前外務大臣は、引退した。圧倒的な資金力を持つジェイソン・ケニー国防大臣は、自ら王位に就くよりはキングメーカーを志向しているという。リサ・レイト運輸大臣は、党員になってまだ日が浅い。サスカチュワン州のブラッド・ウォール首相(サスカチュワン党党首)は有力視されているが、フランス語が得意ではない。
 ここに来て注目されているのが、アルバータ州のジム・プレンティス首相である。彼は旧進歩保守党を代表し、長くハーパー政権ナンバー2の位置にいたが、2010年突如政界を引退し、銀行家に転進した。しかし2014年9月、アルバータ進歩保守党党首選に勝利し、州首相に就任して政界復帰を果たすと、最大野党ワイルドローズ党からカリスマのスミス党首を引き抜き、政権基盤を磐石にした手練手管で人々を驚嘆させた。
 彼はオンタリオの生まれだが、選挙区はアルバータである。フランス語は下手ではない。もしもハーパー首相が今年総選挙に敗北したら、プレンティス首相が辞任してその後釜に就くのは早すぎるだろうが、それが2017年以降ならば彼にもチャンスはある。
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内閣改造、外相にニコルソン氏、国防相にケニー氏 [保守党]

 ハーパー首相は2月9日、ベアード外務大臣の引退に伴う小規模な内閣改造を行った。新しい外務大臣にはロブ・ニコルソン国防大臣を、新しい国防大臣にはジェイソン・ケニー雇用及び社会開発大臣を、新しい雇用及び社会開発大臣にはピエール・ポワリエーブル民主改革担当国務大臣をそれぞれ指名した。ケニー氏は多文化主義大臣にとどまり、ポワリエーブル氏は民主改革担当国務大臣にとどまる。
 ケニー新国防大臣は、イラク派兵についてこう述べた。
「我々の立場は明確だ。カナダはこのテロ集団(イスラム国)と戦う任務がある。」
 伝えられるところによると、ケニー氏は外務大臣のポストを望んだという。だが彼が中国の全体主義に批判的なことや、彼がハーパー首相と同じカルガリー選出議員のため忌避されたのだという。
 新民主党のマルケア党首は、フランス語を話せないニコルソン氏が外務大臣に任命されたことを痛烈に批判した。
「あなたはカナダ人の全てを閉ざしている。そして残りの世界にも心を閉ざしている。」
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アダムス議員がソウダス氏と自由党に移籍 [保守党]

 イブ・アダムス下院議員(オンタリオ州ミシサウガ=ブランプトン・サウス選挙区選出)は2月9日、婚約者のディミトリ・ソウダス元首席報道官とともに自由党に移籍した。
 アダムス議員は自由党のトルドー党首との記者会見で、保守党政権が推進する、18歳未満の子供のいる家庭で収入を分割することで節税できる案について、一部の金持ちだけを優遇する「卑劣な政策」と批判したうえで、トルドー党首が女性の産む・産まないを選択する権利を尊重し、性的嫌がらせの容疑をかけられている2議員を除名した対処について、感銘を受けたと語った。
 彼女は、グレーター・トロント地区で自由党の公認を受けたいと述べたが、具体的にどの選挙区かは明言せず、2・3日中に公表するという。なお自由党では、どの選挙区の誰であれ、公認を受けるためには公開された予備選に勝たなければならない。
 トルドー党首は、「会談の中でアダムス議員は、女性の権利のため、中流階級のために働きたいと訴えていた」と述べ、移籍を歓迎した。
 CBCは、アダムス議員が1月5日ハーパー首相とホテルで会い、新設のミシサウガ=モルトン選挙区で公認してくれたら、新しい党員を獲得すると交渉を持ちかけたと報じた。そのとき彼女は、ソウダス氏とはもう別れたと言ったという。ところがハーパー首相は、ソウダス氏がここで待っていることはわかっていると言って、相手にしなかったという。自由党広報は、アダムス議員はこの報道を否定したと発表した。
 保守党のジョン・ウォルシュ代表は、アダムス議員の公認問題について以下のようにコメントした。
「我が党は公認規則と手続きを正確に踏み、公平に公認レースを開始する。現職議員を含むいかなる候補の不正行為も見過ごすことはないと、私は明確に伝えた。」
 ハーパー首相は、ドイツのメルケル首相との共同記者会見でこの問題について尋ねられると、こう述べた。
「状況は非常に単純である。我が党はクリーンな公認プロセスを行う責任がある。誰にでもわかる理由のため、党の候補として公認できないと、10日ほど前にアダムス議員に伝えた。」
 新民主党のマルケア党首は、自党ではこのようなことは絶対に認めないと語った。同党のマテュー・ラビーニャ議員は「これはおそらく、我が国で見られる最も恥ずべきご都合主義の一つだろう」と吐き捨てた。

 議員であるアダムス氏が記者会見を行ういっぽうで、政界事情通は、公共の職に就いていないソウダス氏の方にむしろ関心を寄せる。ハーパー首相の側近中の側近で、ハーパー政権発足時から首相広報を務め、首席報道官にまで登りつめた彼は、政権の裏事情に通じている。自由党は表向きは、彼は特別な職務に就くことはなく、せいぜいアダムス議員の選挙を手伝うくらいだろうとうそぶいているが、誰も本気にはしていない。
 ローリー・グラハムCTVオタワ副支局長は、こう述べた。
「ソウダス氏は、山のような機密情報を抱えて移籍した。彼は、首相官邸で何があったかを知りぬいている。彼は誰よりも、ハーパー首相のことをよく知っている。」
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ベアード外務大臣が辞任 [保守党]

 ジョン・ベアード外務大臣が2月3日に辞任すると、複数のメディアが2日に報じた。彼は、今年実施される連邦議会総選挙で候補として擁立されているが、出馬せず引退するという。
 45歳という若さで引退する彼は、今後については未定だというが、世界保健機構(WHO)に勤めるのではないかという推測もある。
 後任の外務大臣は、エド・ファスト国際貿易大臣が就任するとCBCが報じた。
 ベアード氏は1995年、26歳の若さでオンタリオ州議会選挙に当選し、進歩保守党内閣のコミュニティ及び社会サービス大臣、フランコフォン担当大臣、青少年サービス大臣、院内幹事長、院内総務、エネルギー大臣を歴任した。
 2006年には連邦議会選挙に当選し、ハーパー内閣の予算庁長官、運輸・インフラ大臣、環境大臣、下院院内総務、外務大臣を務めた。
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ファンティーノ退役軍人大臣を更迭 [保守党]

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 ハーパー首相は1月5日、ジュリアン・ファンティーノ退役軍人大臣を解任し、それ以前に務めていた国防副大臣と、北極主権・情報技術セキュリティ・海外情報担当とする人事を発表した。
 ファンティーノ氏は2014年、9個所の退役軍人省サービスセンターを閉鎖した。すると、精神を病んだ退役軍人への手当て支給に遅れを来たすようになった。彼は1月、退役軍人との会談をすっぽかし、5月には、精神を病んだ退役軍人の妻が連邦議会議事堂で待っていたのに、話を聞かずに逃げたため、野党から辞任を要求されていた。
 ハーパー首相が、明確な不祥事ではなく、世論を慮って内閣改造を行うのは、非常に珍しい。ファンティーノ氏が2010年、トロント郊外のバーン選挙区で当選したことは、自由党の強固な地盤であるトロント進出の先駆けとしてハーパー首相を喜ばせ、彼は当選1回目で閣僚ポストを得た。だが今年実施される総選挙を前に、首相はこの問題を放置しておけなくなったようだ。

 ロイヤル・カナディアン在郷軍人会は、今回の人事について「より良い行動」を期待するとコメントした。
 新民主党のマルケア党首は、前大臣は単に首相の意向を実行しただけだと述べた。
「それは、保守党の悲劇である。彼らは11月11日の退役軍人の日に、記念碑の前で写真を撮るのが大好きなのだ。だが彼らは、ほかの日にはそこにいない。」
 自由党のトルドー党首は、こう批判した。
「内閣改造を行い、ファンティーノ氏に新たな閣僚ポストを与えることは、残念ながら、この恥ずべき状況を改善することにはならない。」

 後任の退役軍人大臣は、エリン・オトゥール議員が務める。オトゥール新大臣は王立陸軍大学を卒業し、2000年まで空軍に勤め、その後ダルハウジー大学で学んだ。2012年、オンタリオ州ダラム選挙区で補選に当選。彼の父ジョンは、オンタリオ州会議員だった。
 これでハーパー内閣の閣僚は40人となり、マルローニ内閣の最大記録に並んだ。2006年にハーパー政権が発足したとき、その数はわずか26人であった。マルローニ氏は、前政権の閣僚数が多すぎると批判して政権の座についたが、退任時にはその数は史上最多に膨らんでいた。
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ロボコール事件で保守党職員に有罪判決 [保守党]

image.jpg 2011年5月の連邦議会総選挙のとき、自動音声電話で有権者に誤った情報を与えた「ロボコール事件」の公判が8月14日オンタリオ高裁で開かれ、保守党元職員マイケル・ソナ被告に有罪判決が下った。判決文は、単独犯ではないことを強く示唆しており、今後は保守党の政治倫理が問われることになりそうだ。量刑は10月17日に言い渡されるが、最高で懲役5年及び罰金5000ドルが科せられる。

 2011年5月2日の投票日の朝、オンタリオ州ゲルフ選挙区で、多くは自由党を支持する有権者約6000人に対し、投票場所が変更になったというロボコール電話がかかった。この電話は、ソナ被告が「ピエール・プチン」の偽名で、使い捨て携帯電話とプリペイド・クレジットカードを用いてラックナイン社に依頼したものだった。
 裁判で証言した元同僚の一人は、ソナ被告がロボコールで自由党支持者を欺く計画を、テレビドラマ「24」にたとえて吹聴していたと証言した。
 ゲイリー・ハーン判事は、判決文で「聞かれた会話、ソナ氏への審理、事実に関し一致した証言、2011年5月2日以降の様々な会話は、ソナ氏が犯罪創生に関わっていたという合理的疑いを越えて、ソナ氏が2011年5月2日に有権者に誤った投票所に行く道を教える計画を実施したとする条件を満たしている」と述べ、ソナ被告を「外見上明白な傲慢と自惚れ」ゆえに犯行を遂行したと断じた。
 ハーン判事は、元同僚たちの証言は「プレスコット氏を除き、率直で矛盾がなかった」と断じた。元同僚のアンドリュー・プレスコット氏の証言は、検察の切り札であったが、判事は彼の証言を「甚だ利己的で矛盾したもの」として退けた。プレスコット氏は、司法取引を強く要求していた。

 ハーン判事はさらに、「証拠は、被告がおそらく単独犯ではなかったことを示すが、被告はまぎれもなく犯罪創生グループの一員であった」と述べ、共犯者の存在を示唆した。
 ロボコール事件で起訴されたのは、現在のところ一人だけである。だが一職員に過ぎなかったソナ被告単独で、選挙区の膨大な情報を知りえたとは考えにくく、リチャード・モーズリー連邦裁判所判事は、保守党の有権者識別データベース「構成情報管理システム(CIMS)」が、ロボコールの「最も有力な情報源」だと結論づけた。
 問題のゲルフ選挙区で、ロボコール事件にもかかわらず当選した自由党のフランク・バレリオット議員も、事件は保守党一職員によって一選挙区のみで行われたのではなく、もっと大規模なものだという見解に同意したが、全容の究明には疑問を呈した。
「私は、事件の全容に辿り着けるとは思っていない。計画の立案者は巧妙に筋書きを書き、ソナ氏だけが穴に落ちた。」
 新民主党の民主改革担当クレイグ・スコット議員も、同様の見解を述べた。
「私は正直なところ、有罪判決を受けた一人の人物が、ほかの誰の協力も得ず誰からも教唆されていないとは思わない。」
 クロフト・マイケルソン検察官は、被告の背後関係についてさらに踏み込んだ発言をした。
「有権者の投票を妨げようとする計画に積極的に参加した政党があるなら、それは非常に重大な問題である。今日法廷であなたがたが見てきたように、有権者の投票を妨げようとした者は誰でも、起訴されるものと考えている。」
 ピーター・マッケイ法務大臣は、判決についてコメントするのを拒否した。
「私は、本当に何もつけ加えることはない。特定され、起訴され、法廷に連れて来られた人がいたということだ。」
 保守党広報のコリー・ハン氏は、声明を発表した。
「有権者への妨害は非常に深刻な問題であり、責任者は起訴されるべきだ。それゆえ我々は、ゲルフにおける不正について聞いたときから、選挙管理委員会に最大限協力してきたのだ。我々がずっと言ってきたように、保守党はクリーンで倫理的な選挙運動を行った。」


写真:マイケル・ソナ被告。
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リシュキナ氏も立候補を辞退 [保守党]

 オークビル=バーリントン・ノース選挙区で立候補を予定していたナターリャ・リシュキナ氏は8月5日、立候補を辞退すると発表した。
 この選挙区は保守党の鉄板選挙区と見られ、イブ・アダムス議員がこの選挙区での鞍替え立候補を志向してから、両陣営による泥試合となり、ハーパー首相が両者の調査を命じていた。
 リシュキナ氏は、指名レースは「カナダ史上稀に見る過激な争い」となり、党はリセットボタンを押してゼロから新しい候補を探すのが最善だと判断したと述べた。
「ご存知の通り、水面上では決して争われることのなかった挑戦的な争いに、私たちは直面しました。しかし私たちは、強制や中傷なしに何百人ものスタッフとともに活動してきたことを、誇りに思います。」
 彼女は、将来の選挙で下院議員に立候補したいが、どの選挙区かは決めていないと語った。
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アダムス議員、選挙区指名レースから撤退 [保守党]

イブ・アダムス下院議員は8月1日、オンタリオ州オークビル=バーリントン・ノース選挙区の指名レースから撤退すると発表した。彼女はその理由として、今年2月にオタワのレストラン入口付近で転倒した際、脳震盪を起こしたことを述べた。
新設されるこの選挙区では、支部はナターリャ・リシュキナ氏を擁立しようとしていたが、ミシサウガ=ブランプトン・サウス選挙区の現職であるアダムス議員がこの地区に転居したことから、この選挙区での立候補を志向した。ところが「この選挙区」の現職でない彼女が、まだ擁立されていないうちから自分を宣伝するよう支部に要求し、さらに婚約者のディミトリ・ソウダス氏に働きかけ圧力をかけさせたことから、支部がハーパー首相に直訴するに至った。ソウダス氏は辞任し、ハーパー首相はアダムス議員に「厚生副大臣の職務に専念するよう」命じていた。
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ソウダス氏辞任に続き、アダムス議員を調査へ [保守党]

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 ハーパー首相は、イブ・アダムス下院議員の問題について保守党に調査を命じた。
 アダムス議員は、オンタリオ州ミシサウガ=ブランプトン・サウス選挙区選出の現職議員である。ところが彼女は、オークビル=バーリントン・ノース選挙区がナターリャ・リシュキナ氏を擁立しようとしているのを見て、保守党支部が個別訪問のための地図を作成するのを妨害したうえ、自分のための個別訪問をするよう要求した。
 アダムス議員の主張によると、彼女は婚約者で保守党本部長のディミトリ・ソウダス氏とすでにこの選挙区に移住しており、この選挙区から出馬する意向だという。問題は、彼女がこの選挙区の現職議員でもなければ、まだ正式に選挙区から擁立されてもいないということだ。次回総選挙では、オンタリオ州は定数が15議席増えるため、いくつかの選挙区が廃止され、新たな選挙区に区割りが改められることになった。オークビル=バーリントン・ノース選挙区もそうした新設選挙区の一つであり、現職議員は存在しない。それをアダムス議員は、保守党のデータベースにアクセスし、「現職議員」の特権としてオークビル=バーリントン・ノース選挙区の有権者に、自分を宣伝する電子メールを配布した。保守党の党則では、「現職議員」が党データベースにアクセスしたり、「選挙区」でメールを送ったりすることは違反ではないが、オークビル=バーリントン・ノース選挙区支部はこれを問題視し、ハーパー党首に直訴するに至った。

 保守党オークビル=バーリントン・ノース選挙区支部は3月19日、役員会議を招集した。ところがそこへアダムス議員が現れ、自分には参加する資格があると主張した。支部長は9度も立ち去るよう要請したが、聞き入れられず、戦慄を覚えたという。このとき何名かの人が、廊下でソウダス氏が待っているのを目撃した。
 そしてその翌日、オークビルの投資家が「イブ・アダムス議員のために」と称するパーティを開催し、「アダムス議員がオークビルの住民と語り合う」「ディミトリ・ソウダス本部長とピーター・ケント元環境大臣も出席する」という電子メールが、配布された。選挙区支部はついに、「このままでは支部の秩序が維持できない」として、支部長以下15名の役員が連署した直訴状を提出した。

 ソウダス氏は3月30日、一連の事件の関与を認め、保守党本部長を辞任した。彼はハーパー首相側近として、2006年の政権発足時より首相広報に携わり、首席報道官にまで登りつめた。2011年に辞任してからは、ハーパー首相に請われて保守党本部長となっていたが、突然の失脚となった。2013年5月には、マイク・ダフィー上院議員が不正に受給した経費の返還を、首相報道官のナイジェル・ライト氏が肩代わりしたことで辞任している。2014年3月には、ハーパー政権発足時より財務大臣を務めてきたジム・フラハティ氏が健康上の理由で辞任するなど、ハーパー政権を支えてきた大物たちが次々に退場する事態となっている。
 次の総選挙は、2015年10月までに実施されるが、各党はすでに候補者擁立に動き出すなど、すっかり総選挙モードに入っている。候補者擁立を巡るトラブルや、政権を支えてきた大物たちの相次ぐ退場が、ハーパー政権の行く末に暗い影を落としている。


写真:イブ・アダムス議員(左)とディミトリ・ソウダス本部長(右)。
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ハーパー首相が内閣改造 [保守党]

 ジム・フラハティ財務大臣の辞任にともない、ハーパー首相は3月19日、小規模な内閣改造を行った。財務大臣にジョー・オリバー天然資源大臣、天然資源大臣にグレッグ・リックフォード科学技術担当国務大臣、科学技術担当国務大臣に閣外からエド・ホルダー議員をそれぞれ任命した。
 総督公邸リドー・ホールで通常公開される任命式は、今回は時刻が事前に公表されず、記者たちが公邸の外で待機させられるなか、異例の非公開で行われた。
 カールトン大学でジャーナリズムを教えるクリス・ワッデル教授は、「彼らは公人であり、任命式は公務であるから、公開されていなければならない」と語った。
 新民主党のトム・マルケア党首は、「秘密の宣誓は、まるでたった今入会したばかりのカルトのようだ」と諷刺した。彼はさらに、新任のオリバー財務大臣が天然資源大臣だったとき、石油・ガス開発に反対した環境団体を「外国の過激派」と呼んだことについて「彼は、科学的事実である地球温暖化を否定した。また彼の先住民への攻撃は、単なるパターナリズムの域を越えている」と評した。また彼は、新任のリックフォード天然資源大臣がかつてインディアン問題及び北方開発担当大臣だったことを挙げ、「リックフォード大臣がオリバー氏の誤りを正すことを期待している」とコメントした。
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フラハティ財務相辞任、後任はオリバー氏か [保守党]

 ジム・フラハティ財務大臣は3月18日、大臣を辞任したと記者会見で発表した。
「私はきのう、閣僚を辞任することを総理に伝えた。これは、私が今年初めに家族と話し合って決めたことで、今後は民間で働くつもりだ。」
 彼は、当面は下院議員として政界に留まる。
 フラハティはハーパー政権でただ一人の財務大臣であり、連邦消費税(GST)減税やリーマン・ショック後の困難な財政に取り組んだ。だが昨年類天疱瘡を患い、強い副作用を持つステロイドを服用していた。
 ハーパー首相は、フラハティの辞任をしぶしぶ承諾し、19日に内閣を改造する。後任の財務大臣には、ジョー・オリバー天然資源大臣が就任する。
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保守党支持率低下:ポスト・ハーパーの動き顕在化 [保守党]

 イプソス=リード社が2月14日から19日までに、1036人のカナダ人を対象としたオンライン世論調査は、カナダ人の68%が「政権交代の時期にさしかかっている」と考えていることを明らかにした。「保守党政権は再選されるべきだ」と考えている人は、32%だった。
 ハーパー政権を支持すると回答した人は、「強く支持」8%・「やや支持」36%の計44%に対し、支持しないと回答した人は、「やや不支持」29%・「強く不支持」27%の計56%となった。
 また、「もし選挙が明日実施されたらどの党に投票するか」という設問では、自由党37%、保守党29%、新民主党24%、未定18%という結果となった。

 保守党の支持率は低迷し、保守党政権が発足した2006年以降で最低となっている。総選挙は2015年10月までに実施されるが、自由党はトルドー党首に代わってから支持率を上げているため、保守党は党首を刷新しなければ総選挙を戦えなくなるかもしれない。
 フォーラム・リサーチ社が今年実施した世論調査は、次の保守党党首にふさわしい人物として以下の各氏の名を挙げた。
ピーター・マッケイ法務大臣(53%)
ジョン・ベアード外務大臣(45%)
ジェイソン・ケニー雇用及び社会開発大臣(37%)
トニー・クレメント予算庁長官(34%)
ブラッド・ウォール・サスカチュワン州首相(26%)
ジム・プレンティス元環境大臣(23%)
ジェームズ・ムーア産業大臣(16%)
マクシム・ベルニエ中小企業担当大臣(16%)

 ジム・プレンティス氏は元進歩保守党グループを代表し、ハーパー政権発足以来常にナンバー2の位置を占めてきたが、2010年に突如政界を引退した。次の党首選に立候補するため、死んだふりではないかとも噂されているが、定かではない。
 プレンティス氏の引退後は、進歩保守党の最後の党首を務めたマッケイ法務大臣が進歩保守党グループを代表してきた。彼はしばしばポスト・ハーパーに名を挙げられたが、交際していたベリンダ・ストロナック議員の離党(2005年)、私用で軍用ヘリを使い3万2000ドルを費やしたこと(2010年)、外遊中のホテル代に1泊1452ドル費やしたこと(2011年)、ステルス戦闘機F35の調達費用を見積もりより低く議会に報告したこと(2012年)などたびたび不祥事があり、2013年には政界引退の噂さえ流された。2013年の内閣改造で国防大臣から法務大臣に異動してからは、順調にやっているようだ。
 だが関係者の多くは、ポスト・ハーパーの最有力候補としてケニー雇用及び社会開発大臣の名を挙げる。
 彼の資金調達力は、他を圧倒している。彼はカルガリーを地盤としながら、オンタリオで莫大な資金を集めている。というのは、彼は長く移民大臣を務めてきたからである。ある中国系市民は、彼を「政界のジャスティン・ビーバー」とさえ呼んだ。
 保守党支持率低下の原因となった上院経費問題では、ケニー大臣は長い間沈黙を守っていた。ところが2013年11月、彼はハーパー首相の政治生命を見切ったのか、首相に逆らって突然渦中のナイジェル・ライト首席補佐官を「高い倫理感を持ち非常に有能な男性」と擁護した。また2014年2月には、予算案における雇用促進プログラムの扱いやトロントのフォード市長の処遇をめぐり、フラハティ財務大臣を批判し、党首選を意識した動きではないかとささやかれた。
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ハーパー内閣改造、主要ポストは留任 [保守党]

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 ハーパー首相は7月15日、内閣改造を行った。新入閣は8人で、クリス・アレクサンダー市民権・移民大臣とミシェル・レンペル西部経済多様化担当国務大臣はそれぞれ44歳・33歳と若く、フレッシュさを訴えるいっぽう、主要ポストと経済関連ポストは多くが留任したことで、基本政策に変更はないことを示唆している。
 フラハティ財務大臣とクレメント予算庁長官の留任は、ハーパー政権が今後も緊縮財政策を採り続けることを意味する。また、旧進歩保守党グループナンバー1で国防大臣を長く務めたマッケイ氏は、法務大臣に就任した。最新鋭ステルス戦闘機F35の調達計画において、国防省が見積もりより少ない額を議会に通達した不祥事のため、留任できなかったものとみられる。
 次期党首選に野心満々のケニー氏は、外務大臣のポストを得ると噂されたが、新設の雇用及び社会開発大臣となり、外務大臣はベアード氏が留任した。
 女性閣僚数は、10人から12人に増加した。

スティーブン・ハーパー:総理大臣
リオナ・アグルッカク:環境大臣
クリス・アレクサンダー:市民権・移民大臣
ローナ・アンブローズ:厚生大臣
ジョン・ベアード:外務大臣
キャンディス・バーゲン:社会開発担当国務大臣
マキシム・ベルニエ:中小企業・観光担当国務大臣
スティーブン・ブレイニー:公安大臣兼緊急準備大臣
トニー・クレメント:予算庁長官
ジョン・ダンカン:下院院内幹事長
ジュリアン・ファンティーノ:退役軍人大臣
エドワード・ファスト:国際貿易大臣
ケリー=リン・フィンドレイ:歳入大臣
ダイアン・フィンレー:公共事業・政府業務大臣
ジム・フラハティ:財務大臣
シェリー・グラバー:文化遺産及び公用語担当大臣
ガリー・グッドイヤー:南オンタリオ経済開発庁担当国務大臣
バル・ゴサル:スポーツ担当大臣
ジェイソン・ケニー:雇用及び社会開発大臣(※人的資源・技能開発大臣を改称)
ドニ・ルベル:インフラ・地域社会担当大臣兼政府間関係担当大臣兼ケベック地域経済開発庁担当国務大臣
ケリー・リーチ:労働大臣兼女性問題担当大臣
ピーター・マッケイ:法務大臣兼司法長官
ジェームズ・ムーア:産業大臣
ロブ・ムーア:大西洋地域開発庁担当国務大臣
ロブ・ニコルソン:国防大臣
ジョー・オリバー:天然資源大臣
クリスチャン・パラディ:国際開発大臣兼フランコフォニー担当大臣
ピエール・ポワリエーブル:民主改革担当国務大臣
リサ・レイト:交通大臣
ミシェル・レンペル:西部経済多様化担当国務大臣
グレッグ・リックフォード:科学技術担当国務大臣兼北オンタリオ経済開発イニシアチブ担当国務大臣
ジェリー・リッツ:農務・農産食品大臣
ゲイル・シェイ:漁業海洋大臣
ケビン・ソーレンソン:財務担当国務大臣
ティム・アパル:多文化主義担当国務大臣
ベルナール・バルクール:先住民問題・北方開発大臣
ピーター・バン・ローン:下院院内総務
アリス・ウォン:高齢者担当国務大臣
リン・イェリック:外務及び領事担当国務大臣

 内閣改造について、自由党のジャスティン・トルドー党首はこう述べた。
「この政権で決定できる人物は、首相だけである。送話器を変えたところで、大した違いは生じないだろう。」
 また先の連邦議会において、個人提出した法案をハーパー首相に妨害され保守党を離党したブレント・ラスゲバー議員は、こう批判した。
「下院院内総務を留任させ、ピエール・ポワリエーブルを民主改革担当大臣にしたところで、そこにはいかなる議会改革も、平議員や自由投票の役割向上も、委員会での意味のある調査も、何ら見出すことができない。もし何かがあるとすれば、命令と支配はより厳しくなることだろう。」
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ハーパー首相、15日に内閣改造か [保守党]

 CTVは、ハーパー首相が7月15日に内閣改造を行うと報じた。
 自由党はジャスティン・トルドー党首が就任してから、若者や女性の間で支持率を上げているが、与党保守党は相次ぐ上院議員の不祥事で支持率を下げている。ハーパー首相は次の総選挙を2年後に控え、若者や女性有権者にアピールするため閣僚メンバーを刷新する必要に迫られている。

 テッド・メンジーズ財務担当国務大臣とダイアン・アブロンチー米州担当兼領事担当大臣は、次の総選挙に出馬しないと明言している。またキース・アシュフィールド漁業海洋大臣兼大西洋ゲートウェイ担当大臣は、癌を患っているため次の内閣改造時に辞任することを表明している。マージョリー・ルブレトン上院院内総務は、相次ぐ上院議員の不祥事のため辞任を表明した。ビック・テーブス前公安大臣は、7月9日に大臣と議員を辞職し引退している。
 ピーター・ケント環境大臣はフェイスブックに、「もし自分がバックベンチャーにふさわしいと思うなら、私は新しい役割を熱意をもって受け容れる」「我々保守党には優秀な議員はいくらでもいる。女性やより若い人が閣僚になるのが適切だろう」「私は、首相の最終的な決定を全面的に支持する」という意味深長な投稿をした。
 これらの閣僚は、次の改造内閣では閣外に去ることになる。

 次の内閣改造が大幅な改造か、それとも小幅なものかは明らかではない。財務・国防などの重要ポストに変更があるかどうかが焦点だが、軽量級ポストに初入閣しそうな候補として、ミシェル・レンペル環境政務次官(アルバータ州カルガリー・センター選出・33歳)、クリス・アレクサンダー防衛政務次官(オンタリオ州エイジャックス-ピカリング選出・44歳)、ケリー・リーチ人的資源・労働政務次官(オンタリオ州シムコー-グレイ選出・42歳)、シェリー・グラバー財務政務次官(マニトバ州サンボニファス選出・46歳)、キャンディス・バーゲン公安政務次官(マニトバ州ポーテッジ-リスガー選出・48歳)らの名が取り沙汰されている。
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保守党支持率低下、内閣改造か [保守党]

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 ナノス・リサーチ社が6月中旬、1000人の成人を対象に実施した政党支持率調査は、自由党34.2%(35.4%)、保守党29.4%(31.3%)、新民主党25.3%(23.6%)、緑の党6.4%(4.2%)、ケベック連合3.7%(4.8%)(カッコ内は4月中旬の数字)という結果となった。上院議員のスキャンダル、特にマイク・ダフィー議員が不正受給し返納した住宅経費分9万172ドルを、ナイジェル・ライト首相首席補佐官が肩代わりした問題が、与党保守党の支持率低下を招いているようだ。
 そこでハーパー首相が、支持率高揚のため内閣改造を企図しているという噂が流れている。関係者によると、何人かの閣僚は7月第2週の国外旅行を延期するよう命じられたという。またこれとは別に、首相が何人かの閣僚と議員に、7月上旬は24時間以内にオタワに戻れる場所にいるように命じたという情報もある。
 ジョン・ベアード外務大臣は今週、外遊を予定している。ハーパー首相は、7月5日に始まるカルガリー・スタンピードに出席する予定だが、今年はカルガリー近辺で水害があり、何らかの対応を迫られるだろう。

 内閣改造の規模が大きいかどうかは、長くその地位を占めているジム・フラハティ財務大臣とピーター・マッケイ国防大臣が残留するかどうかにかかっている。
 フラハティ財務大臣は、2006年の政権発足時からその地位にある。皮膚病を患っており、投薬の影響で体重増加を招いた。政界引退するのではないかという予測に対し、本人は次の総選挙にも出馬する意向を表明している。
 マッケイ国防大臣は、2007年からその地位にあるが、彼の事務所の長年の側近2名が最近辞職したことで、彼が政界引退するのではないかという噂が流れている。マッケイ国防大臣は、次のように述べた。
「いろいろ憶測されているようだが、私には政界を去る予定はない。公職のキャリアを検察官から始め、下院議員を20年以上務めてきたが、私にはまだやるべき仕事があると感じている。スタッフの辞職は個人的な理由で、私の将来とは関係ない。」
 彼は国防大臣のポストに愛着を感じていると語ったが、留任を希望するかと問われると、こう述べた。
「閣僚人事については、総理の専権事項だ。」
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ペナシュエ政府間関係大臣が辞任 [保守党]

photo_1701389_resize.jpg ピーター・ペナシュエ政府間関係大臣兼枢密院議長は3月14日、2011年下院選で不適切な献金を受け取っていた責任をとり、閣僚と議員を辞任した。彼は有権者の信を問うため、ラブラドル選挙区の補欠選挙に出馬する。政府間関係大臣の任務は、ドニ・レベル運輸大臣が兼務する。

 ペナシュエ大臣は2011年下院選において、ラブラドル航空から現金2万7850ドルと1万8710ドル相当の航空券を受け取った。さらに義理の兄弟が経営するインヌ開発から、2万5000ドルを無利息で借りていた。
 選挙法は、企業献金も無利息ローンも禁止している。これらの不適切な献金について、保守党は2012年11月に3万ドル、2013年3月に1万4350ドルを弁償した。
 ペナシュエ大臣は、次のような声明を発表した。
「私はこれらの不正を知らなかったが、私を選んで下さった方々に対し、私には説明責任があると考える。ゆえに下院議員を辞任し、補欠選挙を通して再選を目指すことにする。」
「私は、19億ドルもの利益を産み出すマスクラット滝開発のため、連邦政府の援助を確保することに取り組んできた。またラブラドルにおける高速インターネット実現のため、トランス・ラブラドルハイウェイ舗装のため、政府や企業とともに尽力してきた。この州にとって成すべきことはまだ多くあり、それが補欠選挙に出馬する理由である。」
 彼はこれらの責任を、選挙参謀レジナルド・バウアー氏のせいにして、彼を「未熟なボランティア」と呼んだ。バウアー氏はその後、ニューファンドランド&ラブラドル海岸沖石油管理局理事となっていたが、14日に辞職した。

 ペナシュエ氏は、ラブラドルの先住民インヌとして最初の下院議員であり、最初の大臣だった。



写真:閣僚に指名され、メアリ・アン夫人を伴い総督公邸に赴くピーター・ペナシュエ政府間関係大臣。
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