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イスラモフォビア対策特別代表がケベック蔑視発言を謝罪 [ケベック]

Amira-Elghawaby-e1578951997522.jpg アミラ・エルガワビー イスラモフォビア対策特別代表は2月1日、ケベック人に関する過去の発言について謝罪した。
 彼女はエジプト人の両親から生まれ、カナダに移住してカールトン大学を卒業後、カナダムスリム女性評議会やカナダ民族関係財団などで働き、CBC(カナダ放送協会)やトロント・スター紙などでもジャーナリストとして活動してきた。1月26日に史上初めて、カナダ政府の代表として「イスラモフォビア対策特別代表」に就任したばかりだった。

 問題とされたのは、ケベック州議会に提出された、公務員の宗教的シンボル着用を禁止する第21号法案について、彼女が2019年にオタワ・シチズン紙に掲載した発言だった。
「残念ながら大多数のケベック人は、法の規定によってではなく、反イスラム感情によって動かされているように見える。」
 彼女はそのコラムの文中で、ケベック人の88%が第21号法案を支持することを示したレジェ・マーケティング社による世論調査についても言及している。なお第21号法案は、その合憲性についてケベック控訴裁で審理中で、結論は出ていない。
 ケベック連合のブランシェ党首は1日朝、発言の撤回を求めた。
「私には、彼女がケベックを知らないとしか考えられない。彼女は我々の歴史を知らない。私は市民として、党首として、人類学者として、彼女とケベックの歴史について語り合えたらうれしい。」
 エルガワビー特別代表は同日、ブランシェ党首と会談し公式に謝罪した。
「私がケベック人を傷つけたことを、大変申し訳なく思う。」
「私が書いた言葉とその方法が、ケベックの人々を傷つけたと思う。私はこれまで、人々の意見を注意深く聞いてきた。あなたの話はすでに聞いており、あなたがどう感じているかは承知している。申し訳ない。」
 彼女は会談の後、ブランシェ党首との会談は「建設的」で「互いの意見を聞く良い機会」だったと語った。

 ケベック州のジャン=フランソワ・ロベルジュ フランス語担当大臣は、エルガワビー特別代表がブランシェ党首との会談に先立ち、自分の発言を正当化しようと動いていたことを強く問題視した。
「彼女は、反ケベック感情によって打ち負かそうとしているかのようだ。」
「彼女がしたことの全ては、彼女の憎むべきコメントを正当化しようとすることだった。」
「彼女は辞任しなければならない。そして彼女がそうしないなら、政府はすぐに彼女を取り除かなければならない。」
「彼女が謝罪したことは喜ばしいが、彼女はなおも辞任しなければならない。」
 保守党のポワリエーブル党首は、イスラムフォビアと戦う努力を支持はするが、ケベック人を侮辱する人物を選んだとしてトルドー首相を批判した。
「トルドー首相は反ケベック・反ユダヤ・反警察発言をした人物を登用し、またしてもカナダ国民を分断する道を選んだ。彼は、人種差別とイスラムフォビアと戦い我々みんなを一つにまとめてくれる人を任命するべきだ。」
index.jpg トルドー首相(※ケベック人)は1日、エルガワビー特別代表の謝罪に先立ち、次のように語った。
「宗教的シンボルに関するケベック人の見解は、人種差別に由来するものではなく、抑圧的な教会の下で生活してきたケベックの歴史に由来するものだ。」
「ケベック人は、人種差別主義者ではない。」
「ケベック人はほかの多くのカナダ人と同様に、個人の権利と自由を強く擁護する人々である。」
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総選挙でケベック未来連合圧勝 [ケベック]

 10月3日に実施されたケベック州議会総選挙は、ケベック未来連合90(76)、ケベック自由党21(27)、ケベック連帯11(10)、ケベック党3(7)、ケベック保守党0(1)(定数125議席、括弧内は解散時勢力)となり、与党ケベック未来連合がここ10年で最大の圧勝を遂げた。二選時に議席を増やすのは、カナダ史上では非常に稀である。
 各党の得票率は、ケベック未来連合41.0%、ケベック自由党14.4%、ケベック連帯15.4%、ケベック党14.6%、ケベック保守党12.9%だった。保守党は近年にない高支持率だったが、議席獲得はならなかった。ケベック連帯は得票率では野党最大だったが、議席数では自由党に及ばなかった。自由党は結党以来初めて得票率20%を割り込み、旧二大政党の自由党とケベック党の退潮が明確になった。
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10月3日の総選挙を発表 [ケベック]

 ケベック州のフランソワ・ルゴー首相は、8月28日にミシェル・ドワヨン副総督に会い、州議会を解散し10月3日に総選挙を実施するよう要請すると、23日にツイッターで発表した。
 法律では、総選挙は4年ごとの10月第一月曜日に(解散がある場合はその39日後までに)実施しなければならない。選挙期間は33日から39日の間で、2022年は10月3日までに実施しなければならないことから、総選挙の公示は8月29日までに行わなければならない。各党は総選挙に備え、すでにマニフェストを発表しているが、候補者全員を擁立できていない党がまだあるようだ。
 現有勢力はケベック未来連合76、ケベック自由党27、ケベック連帯10、ケベック党7、ケベック保守党1、無所属4(定数125議席)。7月31日にレジェ社が実施した政党支持率調査は、ケベック未来連合44%、ケベック自由党18%、ケベック連帯15%、ケベック保守党13%、ケベック党10%となり、与党ケベック未来連合が過半数を獲得できそうだ。ケベック保守党は、2009年の結党以来議席を獲得できていないが、今年に入って支持率を上げており、議席獲得が期待できる。
 かつて「ケベック保守党」という政党があったが、ケベック自由党の民族派を吸収し「国民連合」(ユニョン・ナショナル)となり、独裁者デュプレシが18年もの長期政権を敷いたが、1959年に彼が死去すると「静かな革命」が起こり、同党は消滅した。以後ケベックでは保守政党の議席獲得は困難となり、1982年には「ケベック進歩保守党」が結成されたが、カナダ進歩保守党の協力を得られず、議席を獲得することなく89年に解散した。
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ケベック州、州旗の絵文字を作るよう要請 [ケベック]

 ケベック州議会は5月26日、州政府がケベック州旗(Fleurdelisé)の絵文字(※原文は“emoji”)をユニコードに作るよう要請する動議を、採択した。
 拘束力のない動議はケベック党によって提出され、審議なしに、州議会に議席を持つ4党全ての賛成で採択された。
 ケベック党のプラモンドン党首は、次のように演説した。
「ケベックには、世界のいくつかの国々と同様、国を誇り、その誇りをソーシャルメディアで表示する権利がある。」
 ケベック州の与党ケベック未来連合は5月初め、ケベック独立に向け、ケベック州が連邦政府や他州の同意なく一方的に憲法を改正できるとする法案を提出した。プラモンドン党首は、今回の動議は「より小さい動き」だと認めたが、スコットランドが独立国でないにもかかわらずユニコードに国旗の絵文字を持っていることを挙げた。

 ユニコードは、ユニコード協議会によって制作されている。会員にはマイクロソフト、アップル、IBM、グーグル、ヤフー、アドビシステムズなどがいる。ユニコード協議会はメディアの取材に対し、回答しなかった。
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「十月危機」人質のクロス元通商代表死去 [ケベック]

 十月危機で誘拐され、犯人グループの亡命と引き換えに解放されたジェームズ・クロス元通商代表が、新型コロナのため1月6日に亡くなっていたことがわかった。99歳だった。
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写真:クロス氏健在の証拠としてFLQが送って来た写真。クロス氏は爆弾の詰まった箱に座り、ソリテアで時間を潰している。
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ケベック党党首にプラモンドン氏 [ケベック]

 ケベック党党首選が10月9日に実施され、弁護士のポール・サン=ピエール・プラモンドン氏(43歳)が第10代党首に当選した。彼は州議会の議席を持たないが、暫定党首の経験もある本命のシルバン・ゴードロノー州議を接戦で破った。コメディアンのギ・ナンテル氏は3位、歴史家でドーソン・カレッジ教授のフレデリック・バスチエン氏は4位に終わった。
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 プラモンドン新党首は2016年にも党首選に立候補したが、リゼ前党首に敗れた。リゼ前党首はケベック独立を強く主張しなかったが、2018年の総選挙でわずか9議席と大敗し辞任した。彼の辞任により、党内は独立論が再び優勢になり、今回党首選にも影響したようだ。
 プラモンドン新党首はモントリオールの党本部で、ケベック州民の利益を否定する「イギリス植民地体制」と戦うため、自分のリーダーシップにおいてケベック党は攻勢に出ると演説した。
 ケベック党はかつての二大政党で、党首は初代~第5代と第7代は首相に就任しているが、現在は定数125議席中9議席で、野党第3党となっており、都市部には議席を持っていない。


写真:右からポール・サン=ピエール・プラモンドン氏、ギ・ナンテル氏、シルバン・ゴードロノー州議、フレデリック・バスチエン氏。
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ケベック連合党首にブランシェ [ケベック]

 ケベック連合は1月17日、イブ=フランソワ・ブランシェ元州議が党首に就任したと発表した。
 党首選の立候補締切は15日だったが、立候補者が一人しかいなかったため、無投票での当選が決まった。2月24日に予定されていた党首選は、実施されない。
 ケベック党から州議会選挙に出馬したクリスティエン・エベール氏と、ジャン=ジャック・ナンテル氏は立候補を表明していたが、なぜ届け出なかったのかは明らかでない。
 マルティーヌ・ウェレ前党首も、立候補者が一人しかいなかったため無投票で当選したが、リーダーシップ投票で不信任され辞任した。
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ブランシェ元環境相がケベック連合党首選出馬 [ケベック]

 オタワで11月26日、ケベック連合幹部会が召集されたのち、イブ=フランソワ・ブランシェ元州議がケベック連合党首選に立候補を表明した。
 ケベック連合は現在10人の下院議員がいるが、彼はそのうちマリオ・ボリュー暫定党首、レアル・フォルタン元暫定党首、下院最古参のルイ・プラモンドン議員ら5人に支持されている。
 ブランシェ氏は2014年までケベック党員として、ケベック州議とマロワ内閣環境大臣を務めた。2014年州議会総選挙で落選してからは、ラジオ・カナダの政治コメンテーターとして人気を博した。
 ケベック連合は、マルティーヌ・ウェレ前党首が6月に不信任されて以来、正式な党首を欠いており、ボリュー元党首が暫定党首に就いている。2019年2月24日に実施される党首選には、ケベック党から州議会選挙に出馬したクリスティエン・エベール氏が立候補を表明したほか、ミシェル・ブドリア下院議員も立候補を検討しているという。
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 最近の世論調査では、ケベック州におけるケベック連合の支持率は約14%で、首位自由党より10ポイント下の4位である。他州と異なり4党がひしめき合っているおかげで、ケベック連合は14選挙区で有力視されてはいるが、首位に立っている選挙区はわずかに2で、それらも2位と僅差である。
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ケベック政治転換、そのとき世論調査機関は [ケベック]

 ケベック州議会総選挙の結果は、またしても世論調査機関を驚愕させた。総選挙直前の世論調査では、ケベック未来連合と自由党の支持率の差はわずかで、最小で1ポイント、最大でも5ポイントしかなく、多くの機関は2または3ポイントだった。しかし実際の結果は、ケベック未来連合37.4%に対し自由党24.8%で、12.6ポイント差があった。つまり信頼できるはずの世論調査に、9ポイント以上の誤差が生じたことになる。それは、全ての世論調査機関が予測を外した衝撃の2013年ブリティッシュコロンビア州総選挙以降の、5年間で14回の総選挙において最大の誤差である。そのとき世論調査で、BC新民主党はBC自由党に7ポイントリードしていたが、実際の得票率では自由党が4.4ポイント上回った。

 世論調査機関は回答者から回答を得たあと、それを実際の有権者の年齢・性別などの構成比に合わせるため、特定の回答に倍率をかける。これがケベックでは言語が重要な要素となるため、回答を実際のフランコフォン(仏語話者)・アングロフォン(英語話者)・アロフォン(英仏語以外の話者)の比率に合わせる必要がある。問題は有権者の構成比が、実際の投票者の構成比と同じとは限らないということだ。
 全体の投票率は66.5%だったが、ケベック未来連合候補が勝った選挙区では69.4%だったのに対し、自由党候補が勝った選挙区では59.3%だった。フランコフォン人口が最も少ない9選挙区のうち8つは、投票率60%以下だった。レジェ・マーケティング社が選挙後に実施した世論調査は、非フランコフォンの47%が棄権したことを示した。自由党支持者には明らかに、長期政権に対する倦怠感があった。
 いっぽうメインストリート・リサーチ社のキート・マギー氏は、投票日の4日前の調査で「投票する党を変えることが大いにありえる」と回答した人が11%もいたと報告した。またレジェ・マーケティング社による選挙後の調査は、回答者の36%が最後の週に(うち11%は当日に投票所で)投票先を決めたことを示した。それは、2014年には8%にすぎなかった。同社の調査はさらに、ケベック州民の54%が実際に投票した党以外の党に投票することを検討し、自由党支持者の5%が最後の週末にケベック未来連合支持に変わったことを示した。

 次の連邦議会総選挙まで、あと1年もない。世論調査は今のままでいいのだろうか。カナダは法律で、投票日当日の世論調査発表を禁止している。メインストリート・リサーチ社のジョゼフ・アンゴラノ氏は嘆息する。
「私は、このような土壇場の翻意をどうやって捕捉すればいいのかわからない。」
 リサーチ・カンパニー社のマリオ・カンセコ氏も、できるだけ遅く調査を実施するくらいしか対策がないと嘆く。
 だがイプソス社のセバスチャン・ダレール氏は、楽観的だ。
「これは、過去50年間のケベック政治のパラダイムを転換する、定型外の選挙だった。独立論争がテーブルから下ろされ、ケベック州民は新しい構図を求めていた。だが連邦議会選挙は、定型のものになるだろう。長く続く現政権に対する、変化を求める強い欲求は見られない。」
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ケベック未来連合過半数、ケベック政界再編へ [ケベック]

 10月1日に実施されたケベック州議会総選挙は、即日開票され、ケベック未来連合74(37.4%)、ケベック自由党31(24.8%)、ケベック党10(17.1%)、ケベック連帯10(16.1%)、その他0(4.6%)(定数125議席、括弧内は得票率)という結果となった。ケベック未来連合は初の政権獲得で、48年間続いたケベック党と自由党による「独立か否か」の争いに終止符を打った。旧二大政党のケベック党は、公式政党の資格である12議席ないし得票率20%のいずれにも達せず、初めて総選挙に挑んだ1970年を除き、初めて第4党に転落した。ジャン=フランソワ・リゼ党首は落選し、即日党首を辞任した。自由党は、史上初めて得票率30%を下回った。

 フランソワ・ルゴー次期首相は1957年、ケベック州サン=タン=ド=ベルビューに生まれた。1998年ケベック党から州議に当選し、ブシャール内閣の産業・商業大臣と文部大臣、ランドリー内閣の厚生・社会福祉大臣と文部大臣を歴任し、党内重鎮と見なされたが、ケベック独立に疑問を抱くようになり、2009年6月政界を引退した。
 彼はその2年後、右派で非独立派の新党「ケベック未来連合」を旗揚げする。ヘルスケアの経費削減などを訴え「自由党と何も変わらない」と言われた同党は、もっぱら自由党の政治腐敗を攻撃してきた。自由党は、元ケベック党の彼を「隠れ独立派」と揶揄したが、彼は自身を「ナショナリスト」と呼んだ。ここで言う「ナショナリスト」とは「国家主義」ではなく、フレンチ民族主義のことである。
 新党には、ルゴー党首以外に経験ある政治家がいなかった。だが2007年総選挙で、党首一人しか議員のいなかった右派の民主行動党が野党第一党に躍進し、右派の非独立派にも根強い支持があることが示された。独立を訴えるケベック党は3位に沈み、思えばこのとき今日の予兆が見えていたというべきだろう。ケベック未来連合は2012年に民主行動党を併合し、その議員たちを傘下に収めた。2012年と2014年の総選挙は、どちらも3位に終わったものの、与党に迫る得票率を記録した。
 今回総選挙で同党は、財界の異論にもかかわらず、移民削減を提唱した。そして移民がフランス語の将来を脅かすとし、移住して3年以内にフランス語を学ばない移民を追放すると述べ、物議をかもしている。
 世論調査では、ケベック独立を支持する人が年々減っていることがわかっている。旧二大政党のケベック党が主張する独立は、有権者に受けなくなっている。そこで独立を訴えず、フレンチ民族主義を主張するケベック未来連合が、フランコフォン有権者の間で支持を広げていった。

 与党自由党は、財政の均衡を保つため予算削減に走り、有権者の支持を失った。
 自由党は歴史的に、世論調査より多く得票することが知られている。2012年総選挙では、自由党は世論調査でずっと3位だったが、蓋を開けてみればケベック党より4議席、得票率にして0.75%足りない2位だった。だがそのような現象は、ケベック党政権成立が独立をひき起こすという懸念から起きるもので、今回は独立を訴える党がなく、追い風は吹かなかった。

 ケベック党は、独立を問う住民投票を2022年まで実施しないと公約し、争点を移民とヘルスケアに絞ったが、存在意義を失い、支持者をつなぎ留める何の効果も生まなかった。独立を支持する者は独立派のケベック連帯に走り、フレンチ民族主義を支持する者はケベック未来連合に走り、初めて与党になった1976年以来最低の惨敗を喫した。
 2007年総選挙で野党第二党に転落したとき、党内で「独立路線は有権者に受けないのでは」という異論は出た。だがその後党首になったマロワ党首が独立を強く訴えなかったため、強行独立派との間で内ゲバとなった。そして自由党がマフィアと関係し支持を失ったため、ケベック党は再び政権に復帰できたものの、独立をあくまで訴えるべきかどうかという問題に向き合うことのないまま、今日の惨敗を迎えた。リゼ党首も落選しており、ケベック党は独立論争と次の党首を誰にするかをめぐり、一大転機を迎えるだろう。多くの批評家は、同党は近い将来消滅すると予測している。

 ケベック連帯は若い支持者が多く、若年層の投票率が低いことからこれまで苦戦を続けてきた。だが2017年10月に左派の小政党「国民の選択」を併合し、ケベック党が独立路線を棚上げしたことも有利に働き、根拠地のモントリオール島で6議席のほか、ケベック市で2議席、シェアブルック市で1議席、地方で1議席を獲得し、初の2桁議席・2桁得票率に達した。
 独立派の左派であるケベック連帯は、類似のケベック党と票を奪い合っている。ケベック未来連合はケベック連帯とは競合せず、フランコフォン有権者の票をケベック党と奪い合う関係にあることから、ケベック連帯の躍進もケベック未来連合に有利に働いた。
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【世論調査】ケベック未来連合の少数政権濃厚に [ケベック]

 10月1日のケベック州議会総選挙投票日を目前に控え、CBCは9月25日に政党支持率調査を実施した。その結果は、ケベック未来連合30.9%、ケベック自由党29.9%、ケベック党19.8%、ケベック連帯15.8%、その他3.6%となった。ここから導き出される予想獲得議席は、ケベック未来連合63(44~78)、ケベック自由党41(31~63)、ケベック党13(1~33)、ケベック連帯8(3~20)、その他0(0~0)議席(定数125、括弧内は最小と最大議席)となる。ケベック未来連合の勝率は78.2%で、同党の少数政権になる確率は42.1%と算出されている。

 ケベック未来連合は一時は自由党を20ポイントもリードしたが、支持率をじりじりと下げ、現在は僅差のリードを保っている。それにもかかわらず同党の勝利はゆるがず、過半数をうかがう勢いである。その理由は既述のとおり、フランコフォン有権者間での圧倒的な支持にある。同党はケベック市と、モントリオール島以外の州全域で幅広く支持されている。
 ケベック未来連合が支持率を下げた分だけ、他の3党は支持率を上げた。自由党は、根拠地のモントリオールを堅持している。ケベック連帯は、これまで根拠地だったモントリオール島のみならず、モントリオール市周辺にまで支持を拡大している。4党が激戦を繰り広げ、当選に必要な得票率が30%を下回るような選挙区では、同党が複数の議席をさらうチャンスがあり、これまで3議席が最高だった同党が2桁議席まで飛躍する可能性がある。
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「たちあがれケベック」の5議員がケベック連合に復党 [ケベック]

 連邦議会が夏休みを終えて召集されると、ケベック連合を離党して新党「たちあがれケベック」に参加した議員全員が、9月17日に復党したとマリオ・ボリュー暫定党首が同日発表した。
 復党したのはレアル・フォルタン議員(党首)、ガブリエル・サン=マリー議員、ルイ・プラモンドン議員、リュック・テリオー議員、モニク・ポーズ議員の5人。これにより下院勢力は、自由党182、保守党97、新民主党41、ケベック連合10、緑の党1、人民党1、CCF1、無所属2、欠員3(定数338議席)となった。

 ケベック連合では2月、ウェレ党首に反発して7人の議員が離党し、新党を結成した。だがウェレ党首が信任投票実施に追い込まれ、6月に不信任されると、ミシェル・ブードリア議員とシモン・マルシル議員の2人がただちに復党した。
 暫定党首になったボリュー氏は、性格のよく似た2党が共倒れになることを憂い、残りの5人を復党させるための布石に着手した。彼は、親ウェレ派と反ウェレ派の両方を含んだ執行部を構成し、党内融和に努め、8月に「たちあがれケベック」の議員たちに復党を呼びかけた。
 プラモンドン議員は「同じ選挙区に独立派の2つの党があるべきではない」と語った。
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ケベック未来連合、支持率4割以下でも過半数か [ケベック]

 ケベック州議会総選挙が、10月1日に実施される。
 CBCは8月29日、政党支持率調査を実施した。その結果は、ケベック未来連合36.6%、ケベック自由党28.7%、ケベック党18.4%、ケベック連帯10.9%、その他5.4%となった。ここから導き出される予想獲得議席は、ケベック未来連合73(60~85)、ケベック自由党37(27~50)、ケベック党10(2~27)、ケベック連帯5(2~7)、その他0(0~0)議席(定数125、括弧内は最小と最大議席)となる。ケベック未来連合の勝率は96.4%と算出され、焦点は過半数に達するかどうかだけとなっている。

 ケベックの歴史上、過半数に達した政党の最低得票率は、モリス・デュプレシが国民連合を率いた1944年総選挙での38.0%である。このとき自由党は得票率39.4%に達したが、議席数で下回った。第3党の人民ブロックは、得票率14.4%・獲得議席4議席だったので、有力な第3党が影響したわけではない。国民連合が得票率38.0%で過半数を獲れた理由、それは同党がフランコフォン有権者を独占できたからである。
 さて2018年、フランコフォン有権者の41%はケベック未来連合を、22%はケベック党を、20%は自由党を支持している。フランコフォン有権者が多数を占める選挙区は125のうち100あり、そのうち人口比で65%を占めている。ケベック未来連合の支持率は現在36.6%だが、同党は記録的低得票率で、過半数を獲得するとみられている。
 ケベック党は、1994年総選挙では得票率44.8%で、自由党の44.4%をわずかに上回ったにすぎなかったが、77議席の過半数を獲得し、自由党の47議席を大きく引き離した。ケベック党は1998年総選挙でも得票率42.9%で、得票率43.6%の自由党を下回ったにもかかわらず、76議席の過半数を獲得し、自由党の48議席を大きく引き離している。この原因もフランコフォン有権者の得票率にあり、1994年はケベック党が自由党に14ポイントリード、1998年はケベック党が自由党に18ポイントリードした。第3党の動向は問題ではなく、ケベック民主行動党(後にケベック未来連合に吸収される)の得票率が、1994年に6.5%、1998年には11.8%だったが、どちらも党首一人が当選しただけだった。

 ケベック州で20世紀以降、少数政権は2度しか誕生していない。一度目は2007年の自由党政権で、得票率は33.1%だった。第2党の民主行動党は30.8%、第3党のケベック党は28.4%だった。二度目は2012年のケベック党政権で、得票率は32.0%だった。第2党の自由党は31.2%、第3党のケベック未来連合は27.1%だった。ここから導かれる結論は、少数政権が成立するには強力な第3党が必要だということである。現在第3党のケベック党は、支持率が18.4%しかなく、1位と2位に大きく引き離されている。同党はかつての二大政党であるが、公式政党の資格を得る12議席獲得も危ぶまれている。
 これらのデータから多くの批評家は、低支持率にもかかわらずケベック未来連合の過半数を予測する。自由党はアングロフォンとアロフォンに支持されており、その動向はケベック未来連合の過半数をおびやかさない。同党の過半数を阻むものがあるとすれば、伝統的にフランコフォンに支持されてきたケベック党の、終盤での追い上げである。
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ケベック未来連合、政権奪取か [ケベック]

 ケベック州議会総選挙は、10月1日までに実施される。
 CBCは今月世論調査を行い、政党支持率をケベック未来連合34.8%、ケベック自由党29.7%、ケベック党17.0%、ケベック連帯10.7%、その他7.8%と発表した。ここから導き出される予想獲得議席は、ケベック未来連合72(65~85)議席、ケベック自由党39(27~53)議席、ケベック党9(1~25)議席、ケベック連帯5(2~10)議席(定数125、括弧内は最小と最大議席)となり、ケベック未来連合が過半数を獲得する可能性が非常に高いことがわかった。
 ケベック未来連合は、2017年秋から与党自由党をリードし続けている。州全体での、ケベック未来連合の自由党に対するリードはわずか5%だが、フランコフォン有権者での支持率はケベック未来連合40.2%、自由党22.0%、ケベック党19.5%となり、18ポイントもリードしている。フランコフォン有権者が圧倒的に多いことから、政治評論家のエリック・グルニエ氏は、ケベック未来連合の勝率を96%と測定した。非フランコフォン有権者での支持率は、自由党が68.3%と圧倒的に強く、ケベック未来連合の10.2%を大きく引き離している。
 かつての二大政党で、フランコフォン有権者に圧倒的に支持されていたケベック党は、その支持をケベック未来連合に奪われている。支持率1位の選挙区はわずか4つで、モントリオール島だけで5議席獲得を見込めるケベック連帯を、下回る可能性すらある。
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ケベック連合離党の2議員、復党か [ケベック]

 ケベック連合のウェレ党首が辞任を表明したため、離党した7名の議員のうち、ミシェル・ブードリア議員とシモン・マルシル議員の2名が復党を検討している。
 独立を求めずケベックの利益を求める新党「たちあがれケベック」の旗揚げを準備しているレアル・フォルタン議員は、ケベック連合は独立を綱領の第一にして中心とする動議を採択したことから、自分たちには復党する意志はないと、6月6日に語った。
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ウェレ党首、辞任を表明 [ケベック]

dims.jpg ケベック連合の信任投票で不信任されたマルティーヌ・ウェレ党首は、6月4日に記者会見を行い、11日付で党首を辞任すると発表した。また彼女は現在ケベック州議を務めているが、10月1日までに実施される州議会総選挙に立候補を予定していないと述べた。
 ウェレ党首は30分の会見を、涙を拭いながら語った。会見の半分以上は、彼女に辞任を公然と要求したデュセップ前党首と、信任投票に当たり彼女を「激しく中傷」したボリュー元党首への非難に費やされた。そして不信任された理由を、自分が独立派の女性だからとし、男性でもっと無能なリーダーはいたが自分ほど非難はされなかったと述べた。
「ケベック独立実現への主な障害は、独立運動の内部から来る。それは普通ではない。独立運動は病んでいる。内側の小さな争いに費やされる全てのエネルギーがケベック独立に向けられたなら、すでに達成されていただろう。」
 ケベック連合を離党し、新党「たちあがれケベック」旗揚げを準備しているレアル・フォルタン代表幹事は、ウェレ党首辞任に対し5日に「対応」すると語った。
「今日はウェレ氏の日だ。」
 同じく離党して新会派に参加したミシェル・ブードリア議員は、新党結成するのかそれともケベック連合に復帰するのかを、明確にしなかった。
「最終的な再統合に関する話し合いにのぞみ、好ましい空気を作ることが重要だ。次に何が起きるか保証はできないが、私は己の本分を成すつもりだ。」

 パイプライン問題は、今や国民的関心事となっている。そして、中西部の石油資源を送るパイプラインがケベックを通る計画を、独立派は独立を訴える絶好の好機と見ている。
 総選挙が遅くとも来年までに実施されるにあたり、革新政党であるケベック連合と新民主党は、反対派の票を巡り熾烈な争奪戦を繰り広げている。離党騒ぎに先立ち、昨年末に実施された政党支持率調査では、ケベック連合は保守党と並び、新民主党より6ポイントリードしていた。2011年総選挙ではケベックで旋風を巻き起こした新民主党は、頭にターバンを巻いたシーク教徒が党首になり、支持を拡大できずにいる。ケベック連合は、パイプライン計画を党勢建て直しのための追い風と見て、リーダーシップ問題に終止符を打ち、より強い大胆なスタンスを示しておきたいところである。
 保守党はケベックでの支持率が伸び悩んでおり、支持拡大のためパイプライン問題に乗じ、ケベックにおける反対の声に一定の理解を示すようになった。だが保守党の支持基盤は中西部にあるため、反対派に完全に迎合することはできず、ジレンマに悩まされている。与党自由党と野党保守党がパイプライン計画を推進するなら、それは瀕死のケベック連合にとっては天の恵みとなろう。
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ケベック連合、ウェレ党首を不信任 [ケベック]

 ケベック連合は6月1日と2日、マルティーヌ・ウェレ党首の信任投票を行い、信任32%・不信任67%で不信任したと3日に発表した。投票率は59%で、1万4500人の党員が電話とインターネットで投票した。
 いっぽう、同時に行われた「ケベック連合は独立を第一にして中心たる綱領とすべきか」という方針の信任投票は、65%の支持を得た。
 党則では50%を超える信任があれば党首は留任できるが、一般に留任には80%以上の信任が必要と考えられている。ウェレ党首はこの日はコメントせず、4日に記者会見を行うが、そこで辞任するものと見られる。
 彼女は連邦議会に議席がなく、ケベック党を離党して現在は無所属のケベック州議を務めている。彼女の居場所は、もうこの党にはないだろう。彼女は就任後わずか1年3か月で、総選挙を一度も戦うことなく辞任し、おそらく離党するだろう。
 ウェレ党首のリーダーシップに異を唱え、7人もの議員が2月に離党し、新党「たちあがれケベック(Québec Debout)」を旗揚げした。わずか3人になった議員のうち、ウェレ党首を信任したのは2人で、元党首のマリオ・ボリュー議員は不信任した。青年部も支持を取り下げた。

 ウェレ党首側近のジルベール・パケット氏は、ウェレ党首の方針は信任されたにもかかわらず彼女自身が信任されなかったのは矛盾だと述べ、7人が離党する前は党支持率が30%あった事実を指摘し、その事件が投票に影響したと述べた。
 ウェレ党首を支持したマリレーヌ・ジル議員は、党首不信任は残念だが、独立路線が支持されたのは良かったと語った。
「それは綱領の第1条である。私がそう言うのはこれで4度目だ。人々が望むのは、独立の推進だということが明確になった。」
 ウェレ党首に辞任を要求してきたジル・デュセップ前党首は、10月に実施される州議会選挙の後、党首選を行うべきだと提案した。
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ケベック連合離党の7人、新党結成へ [ケベック]

 2月にケベック連合を離党し新会派を結成した議員7人は、5月1日の記者会見で、次の総選挙に間に合うように新党を結成すると発表した。新党はケベックの利益のためだけに働き、自由党・新民主党・保守党と適宜に連携するという。
 レアル・フォルタン議員は、ケベック連合の歩みを振り返りこう述べた。
「この大きい党は、ケベックの利益と文化と野望を、常に力をもって、妥協することなく守ってきた。問題は、ウェレ氏がいることだ。彼女は、ケベック連合の任務の解釈やメンタリティを変えてしまった。我々が心から正しく働くには、ほかのいかなる選択肢もない。我々には、新しい党を結成する以外の選択肢はない。」
 彼らは、たとえウェレ党首が6月の信任投票に敗れ退任しても、新党を結成すると語った。
 ルイ・プラモンドン議員は、ケベック連合の想い出を感傷的に語った。
「ケベック連合は、私の心に強く残っている。私はその結成に加わり、それが多くの努力を必要としたことを覚えている。だが今、私には今日再スタートを切ることがとても美しいように感じられる。ただ今から、ケベック連合は意味を失う。それはもはや存続せず、選挙民にとっても党員にとっても関心事ではなくなる。」
 いっぽうウェレ党首は、7人の行動を批判した。
「7人の脱落者たちがしたことは、我々の力を削ぐ原因を作り、ケベック連合を前進させるのではなく内部の問題に時間を取られるよう仕向けたことだ。」
 ケベック連合は6月1日と2日、ウェレ党首の信任投票を行う。議員はわずか3人となったが、マリオ・ボリュー議員(元党首)はウェレ党首を信任しないと公言している。
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ケベック連合、党首と党方針について信任投票 [ケベック]

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 ケベック連合は6月1日と2日、マルティーヌ・ウェレ党首のリーダーシップと党の方針に関する信任投票を行う。
 前者の設問は「あなたは、ケベック連合党首マルティーヌ・ウェレへの信頼を取り戻すことに同意しますか?」と単純だが、後者は「ケベック連合は日々の活動において、単に理論上のものではなく、あらゆる集会とあらゆる機会において、支持者や市民やメディアに、そしてオタワの議会で、現在から独立するまで、ケベック連合綱領第1条として、独立の推進者であるべきですか?」と長く複雑なものになっている。
 既報のとおりケベック連合議員7人は、ウェレ党首がケベックの利益を重視せず独立ばかり話題にすることに反発し、離党した。
 結果は、6月3日に発表される。どちらの設問も、投票の50%+1票で決定される。


図:「殉教者ウェレか?」マルティーヌと、殉教者を意味するマルティールをかけている。
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デュセップ前党首らがウェレ党首に辞任を要求 [ケベック]

 ジル・デュセップ前党首らケベック連合の元議員21人は3月2日、マルティーヌ・ウェレ党首に辞任を要求する公開書簡を仏語紙「ル・デボワール」に掲載した。そこには、次のように書かれていた。
「我々は、7人の議員が離党した事情を理解する。」
「独立派が団結する必要があるとき、マルティーヌ・ウェレは分断した。彼女は辞めなければならない。」
 いっぽうケベック連合本部は翌3日に臨時会議を召集し、ウェレ党首を支援することを決定した。彼女は記者会見で、こう述べた。
「独立主義者の党であるケベック連合のリーダーとして、私があまりに多く独立について語るなどと、彼らはどうやって言えるのか。私にはわからない。」
 彼女は、辞任の噂をきっぱりと否定した。さらに、彼女が党に9万5000ドルの給与を要求したという情報をリークした件で、離党した議員たちを非難した。
 そして注目された除名処分だが、実施せず、議員たちの党員資格を残し、戻って来るよう呼びかけることとした。彼女は「ドアは開いたままになっている」と述べた。
 ウェレ党首の記者会見を受けて、ケベック議会派議員たちは「何も変わらなかった」という声明を発表した。
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