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票を再集計、12票差で当選 [2021年下院選]

 選挙管理委員会は10月6日、ケベック州シャトーゲイ=ラコール選挙区の票を再集計し、ブレンダ・シャナハン候補(自由党)が1万8029票、パトリック・オハラ候補(ケベック連合)が1万8017票で、オハラ候補の当選を取り消し、シャナハン候補を当選とすると発表した。票差はわずか12票だった。
 これにより2021年連邦議会総選挙の議席は、自由党160(32.6%)、保守党119(33.7%)、ケベック連合32(7.7%)、新民主党25(17.8%)、緑の党2(2.3%)、人民党0(5.0%)(定数338議席、括弧内は得票率)で最終的に確定した。
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2021年カナダ総選挙速報:自由党少数政権続行 [2021年下院選]

 9月20日に実施された第44回連邦議会総選挙は、自由党160(32.6%)、保守党119(33.7%)、ケベック連合32(7.7%)、新民主党25(17.8%)、緑の党2(2.3%)、人民党0(5.0%)(定数338議席、括弧内は得票率)となり、前回2019年とほぼ変わらない結果となった。
 自由党は東部・ケベック・オンタリオで第一党となり、過半数割れながら政権を維持する。トルドー首相はディーフェンベーカー、ピエール・トルドー、クレチエン、ハーパーに続く、戦後5人目の連続3選を果たした。そのいっぽう、ベルナデット・ジョーダン漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣がノバスコシアで、マリヤム・モンセフ地方経済開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣がオンタリオで落選した。
 保守党は自由党の牙城である東部に食い込んだものの、ブリティッシュコロンビアの鉄板選挙区をいくつか失った。オトゥール党首は過去の党首たちと異なり、中道寄り路線を志向したが、票に結びつくことなく、ワクチンの安全性に懐疑的な右派層の支持を人民党に奪われた。
 人民党は緑の党を上回る得票率を記録したものの、ベルニエ党首が落選し、議席なしに終わった。
 新民主党はケベック連合との3位争いに敗れ、今回も4位の定位置となるが、新しい議会において過半数割れの与党自由党に対し、最も好ましいパートナーとして存在意義を発揮できるだろう。
 緑の党はメイ前党首の議席に加え、オンタリオで初めてマイク・モリス候補が1議席を獲得した。ポール党首は落選した。
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選挙戦終わる:自由党少数政権か [2021年下院選]

 36日間の選挙戦が終わり、明日投票日を迎える。CBCが9月19日に発表した政党支持率調査は、自由党31.5%、保守党31.0%、新民主党19.1%、人民党7.0%、ケベック連合6.8%、緑の党3.5%、その他1.1%となり、接戦ながら与党自由党は首位で選挙戦を終えた。新民主党は選挙期間を通じ、支持率がほとんど変わらなかった。緑の党は党首を巡る内紛の最中に総選挙に突入し、ポール党首は自身のトロントセンター選挙区から出ることがほとんどなかった。
 ケベックでの支持率は、自由党32.4%、ケベック連合29.8%、保守党17.7%、新民主党11.6%、人民党5.1%、緑の党2.5%、その他1.0%だった。
 ここから導き出される予想獲得議席は、自由党155(103~190)、保守党119(91~161)、新民主党32(19~64)、ケベック連合31(20~44)、緑の党1(0~3)、人民党0(0~1)、その他0(0~0)(定数338議席、括弧内は最小値~最大値)となり、あらゆるデータは自由党が少数政権を築くことを示している。

 自由党は、東の東部・オンタリオ・ケベックの3地域で首位を保ち、第一党の地位をほぼ確実にしている。東部での支持率は41.2%と極めて高く、2位の保守党27.2%に大きく差をつけているが、東部選出の閣僚は全員が再選を危ぶまれている。
 ケベックではジャン=イブ・デュクロ予算庁長官が、前回総選挙で得票率1%未満の僅差で辛勝しており、今回も容易ではない。またディアンヌ・ルブティリエ歳入大臣も、再選に黄信号が灯っている。
 オンタリオでは、マリヤム・モンセフ地方経済開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣とデブ・シュルト高齢者大臣が、保守党の強力な候補を相手に苦戦を強いられている。
 自由党は前回総選挙で、ブリティッシュコロンビアより東・ウィニペグより西で議席を獲れなかった。今回はこの保守党の牙城において、自由党または新民主党が僅かな議席を奪う可能性があり、自由党と保守党の接戦に意外な効果を発揮することがありえる。
 トロント周辺のいわゆる市外局番「905エリア」は、自由党・保守党・新民主党の3党が例年死闘を繰り広げる主戦場である。今回もこの地域での攻防が、総選挙全体の勝敗を決するだろう。
 ケベックでは、かなり多くの選挙区で3または4人の候補が接戦を展開している。この地域の結果は予測が困難であり、予想外の結果をもたらすことがありえる。
 新民主党とケベック連合は、際どい3位争いを展開している。だが両党の結果がどうあろうと、総選挙の勝者は過半数割れが確実であり、両党は新しい議会においてキャスチング・ボートを握ることになる。
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 新型コロナのため、今回は郵便投票が飛躍的に増えると予想されている。選挙管理委員会は、19日時点で郵便投票のための書類を126万2617通送付し、そのうち92万3832通がすでに返送されたと発表した。これらは21日まで集計されず、二大政党が接戦を繰り広げていることから、カナダ国民が総選挙の大勢を知るのは早くても21日になると予想されている。
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人民党の支持拡大、保守党は警戒 [2021年下院選]

 保守党のオトゥール党首は9月17日、オンタリオ州ロンドンで演説し、トルドー自由党政権を倒すためあらゆる保守派が保守党に投票するよう呼びかけ、人民党への保守票分散を警戒した。
「トルドー首相に大きく失望している何百万ものカナダ人が、現にいる。その失望に対し、保守党への投票以外の何かをするなら、彼らはトルドー首相に投票していることになる。」
「5つの党があり、そして2つの選択肢がある。トルドー首相による同じことの続行か、それとも保守党政権による真の変革か。」

 EKOSリサーチ・アソシエイツ社が9月14日から16日にかけて、1384人の成人カナダ人を対象に実施した電話世論調査は、政党支持率を保守党30.6%、自由党30.4%、新民主党18.5%、人民党8.5%、ケベック連合7.0%、緑の党4.1%、その他0.9%と示した。ケベックでの支持率は、ケベック連合30%、自由党29%、保守党18%、新民主党14%、人民党5%、緑の党3%だった。

 オトゥール党首が保守党の軌道を中道寄りに修正しているのに対し、保守党を離党したベルニエ元外務大臣が結成した人民党は、より右翼的な政策を掲げ、右派層に支持を拡大し、その支持率は8%台にまで達している。議席獲得はなお困難な情勢だが、CBCは調査で、人民党の支持拡大は保守党の票を奪い、全国でその6議席を(5つは自由党に、1つは新民主党に)失わせること、そして人民党支持者の59%が前回総選挙で保守党に投票したことを示した。カナダの右派にはワクチンの安全性に懐疑的な者がいるが、ベルニエ党首はワクチンを接種していないと公言し、新型コロナ規制に反対する集会を開催して6月に逮捕されている。人民党の支持拡大は、長く続くコロナ規制と関係がありそうだ。
 オトゥール党首は長い間、人民党の支持率拡大について問われると「『小さな党』を宣伝するつもりはない」と言って、その党名をあえて呼ばず、無視を決め込んでいた。だが選挙戦終盤になっても衰えない彼らの勢力を見て、保守系有権者に「戦略的投票」をするよう呼びかける必要を感じたようだ。
 ベルニエ党首は、批判の的を与党自由党ではなく、オトゥール党首に絞った。
「エリン・オトゥールは保守党支持者に、自分は『本物のブルー・トーリーだ』と嘘をついた。彼は党首選のときは青いマスクを着けていたが、それはすぐに剥がれ落ち、そして我々は本物のエリン・オトゥールを知った。」
「彼は本物のレッド・トーリーだった。そして今の彼は、それよりもっと悪い。彼は、社会主義思想を持つ左翼である。」
「彼はトルドー首相とあらゆることについて裏取引している、嘘つきの、迎合主義者の、偽の保守派である。」
「保守党は、もはや保守的ではない。」
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自由党、首位を回復 [2021年下院選]

 CBCが9月12日に発表した政党支持率調査は、自由党31.9%、保守党31.7%、新民主党19.0%、人民党6.7%、ケベック連合6.3%、緑の党3.5%、その他1.0%となり、自由党が2週間ぶりに首位を回復した。人民党の支持率は上昇が続き、アルバータでは9.4%に達している。
 ケベックでの支持率は、自由党32.9%、ケベック連合27.0%、保守党19.2%、新民主党11.8%、人民党4.4%、緑の党3.5%、その他1.1%だった。
 ここから導き出される予想獲得議席は、自由党154(98~190)、保守党120(94~169)、新民主党35(20~63)、ケベック連合26(17~42)、緑の党1(0~2)、人民党0(0~2)、その他0(0~0)(定数338議席、括弧内は最小値~最大値)となり、支持率上昇にもかかわらず人民党の議席獲得は非常に厳しい。
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保守党支持率トップに [2021年下院選]

 CBCが8月29日に発表した政党支持率調査は、保守党32.9%、自由党31.8%、新民主党20.0%、ケベック連合6.1%、人民党4.3%、緑の党4.0%、その他2.1%となり、保守党が2020年2月以来初めて支持率トップに立った。2019年総選挙の得票率と比べると、新民主党が支持率を上げたのに対し、ケベック連合と緑の党は下げた。人民党は支持率で緑の党を上回った。
 ケベックでの支持率は、自由党34.3%、ケベック連合26.2%、保守党19.2%、新民主党13.0%、緑の党3.9%、その他3.4%だった。
 ここから導き出される予想獲得議席は、自由党143(123~173)、保守党129(107~149)、新民主党39(25~52)、ケベック連合26(19~31)、緑の党1(0~2)、その他0(0~1)(定数338議席、括弧内は最小値~最大値)となり、議席数では自由党が上回っている。保守党はわずかながら、過半数に達する可能性がある。
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下院を解散、9月20日総選挙へ [2021年下院選]

 トルドー首相は8月15日、総督公邸リドー・ホールを訪問し、下院の解散を上奏した。メアリ・サイモン総督はこれに同意し、9月20日の総選挙を公示した。第43回連邦議会は、ここに閉会する。転向療法(Conversion therapy:同性愛を病気とみなし転向を促す「治療」で、科学的根拠はないとされる)法案など、審議未了の法案は廃案となる。
 解散時勢力は自由党155、保守党119、ケベック連合32、新民主党24、緑の党2、無所属5、欠員1(定数338議席)。

 テレビの党首討論は、フランス語で9月8日、英語で9日に設定された。招待されるのは、有力政党の原則として党首であり、その党は(1)前回総選挙で自党から当選した議員を一人以上有し、(2)前回総選挙で得票率4%以上で、(3)解散から5日以上あとの世論調査で支持率4%以上を示すこと、のうちの2つ以上を満たす必要がある。現時点で満たしているのは下院に議席を持つ5党で、人民党やマーベリック党は招待されない。
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図:保守党近代化に取り組むエリン・オトゥール党首に対し、あくまでも転向療法に固執する議員たち。
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15日解散・9月20日総選挙か [2021年下院選]

 トルドー首相は沈黙を守っているが、メディアは「8月解散・9月総選挙」を既成事実のように語っている。CBCは8月12日、首相周辺の匿名人物から、首相が15日に総督公邸リドー・ホールを訪問し、下院の解散を上奏すると聞かされたと報じた。選挙期間は法律で36日以上と規定されており、投票日は9月20日になるという。

 トルドー首相は、野党が過半数を占める議会で立法を妨害されたと訴えていた。
 新民主党のシン党首は、サイモン総督に解散を拒否するよう要請する異例の手紙を書いた。そこには、トルドー政権は下院で不信任されてなく、新型コロナ流行の最中の総選挙を避けるべく政権を支えると書かれていた。彼は12日、セントジョンズでこう述べた。
「もしジャスティン・トルドーが人々の声に耳を傾け、彼らの不安と懸念を聞いていたら、利己的な夏の総選挙に走らなかっただろう。」
 保守党のオトゥール党首は、次のように述べた。
「私の今の最大の懸念は、新型コロナの第4波である。」
「我々は、総選挙に突入すべきでない。トルドー氏は常に、カナダ人の関心より先に自分の関心を置くように見える。」

 新型コロナ流行は、選挙運動や投票行為に影響を及ぼすだろう。大規模な集会や、戸別訪問はできるのだろうか。テレサ・タム公衆衛生局長は、カナダはワクチン接種率が高いため、安全に投票できると語った。
 いっぽう選挙管理委員会のステファン・ペロー氏は、郵便投票は前回総選挙の5万弱に比べ、今回は500万あると予想され、開票は投票日の翌日、集計には数日かかるだろうと語った。

 アバカス・データ社が8月6日から11日までに3000人の成人カナダ人を対象に実施した世論調査で、政党支持率は自由党37%、保守党28%、新民主党20%、ケベック連合5%、緑の党5%と、自由党過半数の可能性を示した。ケベックでは自由党37%、ケベック連合22%、保守党19%、新民主党12%だった。
 この時期の総選挙実施についてどう思うかという設問で、「民意を反映するチャンスなので良い」は38%、「しない方がいいが投票には影響しない」は44%、「不要なので反対」は17%だった。最後の17%のうち72%は、野党支持者だった。
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【世論調査】自由党のリード、安泰ではない [2021年下院選]

 与党自由党は、過半数割れの状態で予算審議に入る。三大野党が予算案を不信任すれば解散・総選挙がひき起こされるため、各党は総選挙モードに突入している。
 CBCが2月2日に発表した政党支持率調査は、自由党35.7%、保守党30.2%、新民主党18.4%、ケベック連合6.4%、緑の党6.3%、その他3.1%となった。そこから導き出される予想獲得議席は、自由党171(119~212)、保守党107(81~143)、新民主党27(13~53)、ケベック連合31(18~40)、緑の党2(0~8)、その他0(0~2)(定数338議席、括弧内は最小~最大)となる。

 新型コロナ流行以降、連邦でもいずれの州でも与党の支持率は高く、過半数割れの自由党政権が抜き打ち解散・総選挙を行うという推測は、常にあった。だがレジェ社が2月1日に実施した世論調査によると、政府のコロナ対策に満足している人は54%で、最も低い数字となった。またアンガス・リード研究所が1月下旬に実施した世論調査は、政府のワクチン確保を評価しない人が44%と、12月上旬の23%より激増している。
 与党自由党が2位の保守党に持つ5.5ポイントのリードは、勝利を確信するには小さすぎる。経験的に、勝利を確信できるのは9ポイント以上のリードとされる。世論調査が始まって以来、9ポイント以上のリードを持った党は14あり、うち13が最多議席を獲得した。例外は1957年の自由党(サン=ローラン首相)で、総選挙直前で15ポイントのリードがあったが、投票日までに2ポイントのリードになり、進歩保守党(ディーフェンベーカー党首)が過半数割れながら政権奪取した。
 首位の党が2位の党に9ポイント以下のリードを持ったのは10回で、そのうち4党だけが逃げ切って勝った。1945年の自由党(キング首相)、1974年の自由党(ピエール・トルドー首相)、1988年の進歩保守党(マルローニ党首)、1993年の自由党(クレチエン党首)だ。負けた6例のうち2つは、得票率で上回りながら議席数で敗北しており、それは1979年の自由党(ピエール・トルドー首相)と2019年の保守党(シーア党首)である。

 カナダの選挙は、無党派が多いため支持率が大きく変わりやすい。1993年には与党進歩保守党(キャンベル首相)が総選挙前、自由党(クレチエン党首)に22ポイントリードしていたが、投票日の得票率では25.2ポイント下回り、わずか2議席の大敗を喫した。同様に、リードを10ポイント以上詰められた例が、自由党で1957年、1965年、1984年、1988年、2006年にあり、1965年以外は敗北した。新民主党は2015年(マルケア党首)、2位の保守党(ハーパー首相)に一時10ポイントリードしたが、投票日の得票率では自由党を19.8ポイント下回り、3位に敗れた。

 新型コロナ流行以降、ニューブランズウィック、ブリティッシュコロンビア、サスカチュワンで総選挙があり、いずれも与党が勝った。解散直前の世論調査では与党が大きくリードしており、ニューブランズウィック進歩保守党は18ポイント、ブリティッシュコロンビア新民主党は19ポイント、サスカチュワン党は43ポイントだった。2月13日にはニューファンドランド&ラブラドル州で総選挙が実施されるが、与党ニューファンドランド&ラブラドル自由党が今年の調査で40ポイント近い大差をつけていて、圧勝する見込みだ。しかしこれら地方の例は、わずか5.5ポイントのリードを持つ連邦自由党にとって、ほとんど参考にならない。

 現在は、与党からも野党からも解散・総選挙に打って出ることができる。だがその選択は、与野党双方にとってリスクがある。
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