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カナダの中絶事情 [人権]

 アメリカで連邦最高裁が、1973年に妊娠中絶を合法化した「ロー対ウェイド」判決を覆す原案を起草していることが5月2日にリークされ、カナダ政界にも影響を与えている。
 カリナ・グールド家庭・子供・社会開発大臣は3日、CBCテレビで「もしアメリカがロー対ウェイド判決を覆したら、アメリカの女性はカナダで中絶することができる」と語った。トルドー首相も同日「カナダではあらゆる女性に、安全で合法な妊娠中絶を受ける権利がある」と語った。
 だがオタワ大学で法学を教えるダフニ・ギルバート教授は、首相の発言を批判する。カナダにおける最近の判例は、1988年のモーゲンテイラー裁判で、連邦最高裁は中絶を規制する全ての法律は違憲と判断したが、これまで最高裁は「中絶する権利」について言及したことはないからである。
 トロント大学のバーナード・ディケンズ名誉教授も、これに同意する。
「それは、中絶権を真に確立するものではなかった。それは単に、刑事罰を廃止したに過ぎない。」
 だがギルバート教授は、88年以降の判例は、中絶する権利を事実上支持していると考えることができると指摘する。彼女は安楽死幇助を例に挙げ、「意思決定、管理、身体の自治、良心の自由」を中絶に当てはめれば、同じ結論になるだろうと言う。また保健は州の管轄であるから、連邦政府が刑法によって妊娠中絶を管理する試みは、違憲立法となる疑いがある。

 保守党のキャンディス・バーゲン党首は10日、連邦議会で「妊娠中絶を受ける機会は(保守党の)ハーパー政権で制限されなかった。保守党は妊娠中絶について、法案を提出しないし、議論を再燃させない」と述べ、「議論を再開しているのは自由党だけ」と批判した。
 だが彼女は知らなかったが、それより2時間早く議事堂で保守党のアーノルド・ビアセン議員が、記者たちによる囲み取材で「私は、議論は終わっていないと考えている」と語っている。

 カナダの二大政党である自由党と保守党には、伝統的に中絶賛成派と反対派が混在しており、自由党には賛成派が、保守党には反対派が多いと考えられてきた。だが自由党は、2013年にジャスティン・トルドーが党首に就任したとき「中絶反対派は公認しない」と公言したため、今では反対派はいないと思われる。
 それに対し、保守党の立場はいくぶん複雑である。カナダ保守党は、2003年に右翼のカナダ同盟と中道右派の進歩保守党が合併して成立したことから、初代党首のハーパーは分裂を回避するため、個人的信条とはうらはらに「保守党政権は、妊娠中絶を規制するいかなる法律も支持しない」という綱領を採択した。保守党は現在党首選の最中だが、本命視されているピエール・ポワリビエール議員も対抗馬と見られるジャン・シャレー元州首相も、同様のコメントをしている。だがそのいっぽうで保守党は「医師・看護士・その他の医療従事者が妊娠中絶、自殺幇助または安楽死に加担し、あるいはそれらに彼らの患者を照会することを拒否する良心の権利を支持する」「妊娠中絶は、カナダの母子保健プログラムから明確に除外されなければならない」とも盛り込んだ。

 幹部会で採択された議案には党議拘束がかかるので、違反すると党から罰せられる。だが個々の議員は中絶を規制する法案を個人提出でき、この場合党議拘束はなく自由投票となる。最近の例では2021年、保守党のキャセイ・ウェイゲントール議員が性選択的中絶を禁止する法案を提出したが、保守党議員81名と元保守党議員1名の賛成のみで、否決された。

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保守党党首選、6人が立候補 [保守党]

 保守党党首選の立候補者は、4月29日までに登録料15万ドル・保証金15万ドルと7以上の州・30以上の選挙区における推薦人500人分の署名を集めて提出しなければならない。同党は5月2日、スコット・エチソン下院議員、レスリン・ルイス下院議員、ピエール・ポワリエーブル下院議員、パトリック・ブラウン市長、ジャン・シャレー元州首相、ローマン・バーバー州議の6人の立候補を承認したと発表した。
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 リオナ・アレスレフ元副党首は出馬を表明していたが、締切までに資金を集められず撤退した。ジョゼフ・ブルゴー氏(実業家)、グラント・エブラハム弁護士、ジョエル・エティエンヌ弁護士の3名は、資金と署名を提出したにもかかわらず、失格と判定された。これら3名はいずれも社会保守主義者だったため、疑惑を招いている。
 ブルゴー氏は会社経営者だが、妊娠中絶に反対する圧力団体「キャンペーン・ライフ連合」に支援されていた。彼はまたワクチン義務化に反対し、フリーダム・コンボイにも参加していた。エブラハム氏は、自由党政権が提出した転換療法を禁止するC-4号法案を阻止できなかったことで、保守党を非難した。また彼は、ユダヤ=キリスト教の枠組みへの回帰と、世俗主義の終焉を呼びかけた。
 キャンペーン・ライフ連合のジャック・フォンセカ理事長は、党内左派が社会保守主義者を排除しようとしていると主張する。
「彼らは我々を排除しようとしている。これはレッド・トーリーがすることだ。レッド・トーリーは汚い。彼らは嘘つきで、フェアプレーを嫌っている。彼らは腐敗している。」
「それはただ、人々をマクシム・ベルニエと人民党の手中に追いやるだけだ。」
 立候補できた6人の中ではルイス議員が唯一の社会保守主義者で、性選択的中絶の禁止と中絶の犯罪化を主張している。フォンセカ氏は、彼女が唯一の望みだと語った。
「レスリン・ルイスを排除できるなら、彼らはそうするだろう。だが彼女はあまりに有名で、人気がありすぎる。彼女は、我々が信頼できるただ一人の候補だ。」
 エティエンヌ弁護士は、党から資金の支払いについてクレジットカードは認めない、また署名のいくつかは無効だと言われたと語った。だが無効と判断した理由については、説明されなかったという。
 選挙管理委員会のウェイン・ベンソン氏は、失格の判定は規則に基づくものであり、特定の信条によるものではないと説明した。
「いかなる候補についても、失格の理由について説明している。」
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ダニエル・スミス氏、政界復帰 [アルバータ]

 連合保守党のジェイソン・ケニー党首(州首相)は、新型コロナ対策のまずさから人気を失っている。リサーチ・コ社が3月11日から13日までに実施した政党支持率調査は、新民主党45%、連合保守党30%、ワイルドローズ独立党8%、アルバータ党7%、自由党5%、緑の党3%、アルバータ独立党1%となり、このまま総選挙を迎えれば野党転落は必至の状況にある。ケニー党首は信任投票の前倒し実施に追い込まれ、4月9日にレッド・ディアでの大会で投票が行われる予定だったが、彼はこれを急遽5月18日までの郵便投票に差し替えた。

 このような状況で、ワイルドローズ党元党首のダニエル・スミス氏が4月1日、記者会見で政界復帰を発表した。彼女は連合保守党で、リビングストン-マクラウド選挙区の予備選に立候補し州議を目指すが、それだけでなく党首選出馬も視野に入れているという。
「党員たちが党首選を求めるなら、私は名のりを上げたい。」
 そして彼女は、信任投票の方法が急に変更されたことを批判した。
「党がレッド・ディアでの大会を中止したのは、重大な間違いだった。」
「党首が負けそうになると、党はそれをキャンセルした。」
「私の個人的経験から言えることは、それ(筆者注※郵便投票)は問題が多いということだ。」

 スミス氏は2009年、泡沫政党だったワイルドローズ同盟の党首に就任した。若くて美人で弁の立つ彼女は人気を博し、党を野党第一党の地位に押し上げたが、総選挙で一度も勝利できなかった。
 2014年、スミス降ろしの動きを察知すると、彼女は機先を制し、8人の議員とともに進歩保守党へ電撃的に移籍した。これは有権者への重大な裏切りとみなされ、彼女は進歩保守党の予備選に出馬したが落選し、政界引退に追い込まれた。

 彼女は記者会見で、7年前の決断について謝罪した。
「私がその経験から学んだことは、たとえ私にワイルドローズ党を立ち上げるうえで非常に大きな役割があったとしても、党は党首のものではないということだ。党は党員のものである。」
「それは大きな間違いだった。だがその過ちから学んだという事実が、この選挙区で再び私の名前を出し、この選挙区を代表するために私をより強くすると、私は考える。」

 スミス氏の発表について問われたケニー首相は、「スミス」の名を意図的に口にせず、彼女が党首として敗北した2012年州議会総選挙に言及した。
「私が連合保守党の党首であるうちは、『火の海』事件の再来を許さない。」
「その選挙で一つの保守政党が吹き飛ばされたのは、過激派を抑制すべき党首の怠慢ゆえである。それが、そこから人々が学んだことだ。」
 ワイルドローズ党のアラン・ハンスパーガー候補は、ブログに「同性愛者は死後も永遠に火の海で焼かれる」と書き批判されたが、スミス党首は何の処分も行わなかった。

 スミス氏の次にワイルドローズ党党首となったブライアン・ジーン氏は、党が2017年に合併したとき連合保守党党首選に出馬したが、落選し政界引退した。だがケニー首相の不評を見るや、3月15日の補選に出馬して当選し、政界に復帰した。彼は、ケニー党首は辞任すべきであり、その場合は自分が党首選に出馬すると明言している。
 政治評論家のジャネット・ブラウン氏は、ワイルドローズ党の元党首2人の動きをこう評した。
「ワイルドローズ党の元党首2人が、ケニー党首に反発して出馬するのを見るにつけ、伝統的な進歩保守党支持者とワイルドローズ党支持者の間に大きな溝があることを感じる。」
 レスブリッジ大学で社会学を教えるトレバー・ハリソン教授は、連合保守党内部の動きを次のように総括した。
「我々が今見ているものは、アルバータの保守運動を人々が何と呼ぼうと、持続する分裂である。」
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ニューブランズウィック市民連合が解散、進歩保守党へ合流 [ニューブランズウィック]

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 ニューブランズウィック市民連合のクリス・オースティン党首とミシェル・コンロイ州議は3月30日、ニューブランズウィック進歩保守党のブレイン・ヒッグス党首(州首相)と記者会見を行い、所属の2議員全員が進歩保守党に移籍したことを報告し、31日付で解党すると発表した。これにより議会勢力は、進歩保守党28(うち議長1)、自由党16、緑の党3、欠員2(定数49議席)となった。
 ニューブランズウィック市民連合は、州政府がNB電力をハイドロ-ケベック社に売却することに反対して、2010年にオースティンが結成した。ニューブランズウィック州はフランス系住民が多く、フランス語話者がケベック州に次いで多いことから、カナダで唯一英仏2言語を公用語と規定している(ケベック州はフランス語のみを公用語としている)。市民連合の特徴は、右派ポピュリズムの立場から反二言語主義を採ることで、公共サービスでの二言語使用の廃止を主張していた。
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 彼は結党の志について、こう語った。
「機は熟しつつある。この州の人々は、この政治システムに飽きている。」
 2010年と2014年の総選挙では議席を獲得できなかったが、2018年の総選挙では3議席を獲得した。与党自由党は21議席、野党は進歩保守党が22議席、緑の党が3議席とどの党も過半数を獲得できず、自由党のギャラント内閣が続投したが、市民連合は進歩保守党とともに内閣不信任案に賛成して可決させ、その後はヒッグス内閣に閣外協力した。
 市民連合はわずか3議席の小所帯だったが、キャスティング・ボートを握り、影響力を行使できた。だが2020年の総選挙では進歩保守党が単独過半数となり、影響力を失った。市民連合は2議席を獲得したものの、1議席を失った。オースティン党首はこのころから「心の旅」を始め、より大きい政治的影響力のため大政党に合流することを考え始めたという。
「地方政党を旗揚げしたことを続けるか、それとも私を選んでくれた選挙区の人々のために働くか、私は選択しなければならなかった。それで私は、人々を優先しなければならないと悟った。」
 コンロイ州議も、次のように説明した。
「我々がこうするのは、選挙区の人々のためである。」
「選挙区の人々に仕える最善の方法は、与党に加わり、そのテーブルに着くことだ。」
 ヒッグス党首は、いかなる党員も党の綱領を尊重しなければならないと、オースティン州議とコンロイ州議が認めたと語った。綱領には「二言語コミュニティから成る多様性は、我々の州のユニークな力である」と規定されている。
「党の方向性について、誰も心配する必要はない。」
 ヒッグス首相もオースティン党首も、今回の「合併」に対する見返りを否定した。ヒッグス首相は今回の件は内閣改造に影響を与えないと言い、オースティン党首も「閣僚ポストを提示されたか」と問われると「それは首相しだいだ」と答えた。
 進歩保守党で唯一のフランス語話者であるダニエル・アラン州議は、市民連合の解散を率直に喜んだ。
「私は今日、市民連合の解散を見て本当に喜んでいる。」
「彼らはニューブランズウィックのために良いことを言わなかったし、彼らは間違った側にいた。」
「だが彼らはいまや、我が党の原則を尊重すると言っている。」
 自由党のロジャー・メランソン党首は、2議員の与党内での悪影響を懸念した。
「ヒッグス党首は右派票を結集させたいのだろう。そうすれば右派票は割れない。彼らの今日の決断は、なんと近視眼的なのだろう。」
 オースティン党首は、自分は二言語主義を常に支持していたが、時々の問題に対処するため取りかかれなかったと説明した。
「今まで言ってきたように、二言語主義はニューブランズウィックの重要な一部である。」
「私は変わっていないし、ミシェルも変わっていない。我々は今後も、人々のために働き続けたい。」
 記者に「今までと同様に、今後も保健所と公用語委員会の廃止を主張するのか」と問われると「私はもう党首ではない」と回答した。


写真:左からブレイン・ヒッグス首相、クリス・オースティン党首、ミシェル・コンロイ州議。
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新民主党、閣外協力へ [自由党]

 与党自由党と野党新民主党の首脳が3月21日、閣外協力の合意に達したと複数のメディアが報じた。
 トルドー首相は21日夕刻に緊急閣議を召集し、続いて自由党幹部会を召集した。新民主党も21日夜に幹部会を召集し、閣外協力の是非について議論した。両党とも、会議の内容について詳細に話すことはできないという。

 自由党が過半数を獲得できなかった2021年9月の総選挙直後から、両党は閣外協力について協議してきた。リークされた情報によると、自由党政権は新民主党の基幹政策を取り入れるかわりに、新民主党が自由党政権を2025年まで信任する。基幹政策とは、新民主党が長年訴えてきた薬剤保険・歯科保険・住宅補助・温暖化対策・先住民への賠償のことで、その財源として自由党政権は金融機関への増税を検討しているという。
 新民主党には閣僚ポストは配分されず、これは連立政権ではない。カナダは連邦レベルでは、連立政権が成立したことはない。

 与党自由党は過半数割れのため、いつ不信任されてもおかしくはないが、最大野党保守党は党首が辞任し、幹部会によって指名された暫定党首が就いている。党員による党首選で新しい党首が選出されるのは9月になるから、それまで保守党は内閣不信任しないだろうし、与党も解散しないのが慣例である。過半数割れの自由党政権は、予算案を成立させられなければ解散・総選挙に追い込まれるが、実際にはそのような心配はないことになる。

 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は、両党の動きを「トルドーが権力にしがみつくための企て以上の何物でもない」「密室での社会主義」と酷評した。
「世論形成は票の買収に、議会での討論は裏取引に、責任はご都合主義に置き換えられる。」

 ブリティッシュコロンビア州では2017年、新民主党に緑の党が4年間閣外協力する政権が成立した。だが新民主党は高支持率を背景に2020年、協定を破り解散・総選挙を行い、安定多数を獲得すると緑の党との協定を破棄した。
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保守党党首選、9月10日に [保守党]

 保守党は3月2日、党首選を9月10日に実施すると発表した。立候補者は、4月19日までに届け出なければならない。
 出馬を表明しているのはピエール・ポワリビエール議員のみで、すでに議員たちの大半の支持を取りつけたとされているが、党内左派を中心にケベック州元首相のジャン・シャレー氏を推す声が上がっている。シャレー氏は、2020年党首選では出馬に乗り気だったが、選挙期間が短すぎたため断念した。今回も出馬を見込んで各方面と会談を重ね、選挙期間がどれくらいになるか見守っていたようだ。
 シャノン・スタッブズ議員は、シャレー氏が連邦自由党と歩調を合わせ、炭素税や長銃登録制を支持したことを批判した。
「私は、草の根の保守党員とともにいる。我々のリーダーは我々の価値を共有し、我々のポリシーを尊重しなければならない。私は炭素税と長銃登録制と増税に反対する。」
 ケベック連合のブランシェ党首は、ケベック州首相時代に汚職で捜査の対象となったシャレー氏が立候補すれば、ケベック州民が「後ろから襲いかかる」と警告した。
「うまいホッケー選手は、誰かが別の選手に後ろから襲いかかっている間にパックを運ぶ。」
 ケベック党前党首で政治評論家のジャン=フランソワ・リゼー氏は、保守党はイデオロギー的に分裂しており、一つはポワリビエール氏のような右派で、もう一つはシャレー氏のような左派だと指摘した。彼は、ポワリビエール氏とトランプ前大統領がフリーダム・コンボイを支持した点に注目した。
「党内には、親トランプ派と反トランプ派がある。」
「党首選は、保守党の精神を争うものになるだろう。」
 彼は「投票日が今日なら、ポワリビエールが勝つだろう」と述べ、左派が勝つには、できるだけ長い選挙期間においてできるだけ多くの党員を獲得する必要があると語った。

 そのほか、2020年党首選で本命視されながら落選したピーター・マッケイ元法務大臣は、再出馬を検討しているという。
 2017年党首選で5位に敗れたマイケル・チョン議員は、出馬の可能性を除外してはいないが、保守党の外交問題担当として第一に重要なのはウクライナ紛争への対応であり、そして「第2に重要なのは、私が党と国家を助けるために何ができるかを今後考えることだ」と語った。
 2020年党首選で3位に敗れたレスリン・ルイス議員は「党首選に向けてチームを結成している」と語った。
 ブランプトン市長でオンタリオ進歩保守党元党首のパトリック・ブラウン氏も立候補に前向きで、「我々はより長い選挙期間を望んでいて、近いうちに決定する」と語った。
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緊急事態法の適用終了 [新型コロナ]

 トルドー首相は2月23日記者会見で、緊急事態法の適用を無効にしたと発表した。
「状況は、もはや緊急事態ではない。」
「我々はいまや、既存の法律と条例が人々の安全を保つのに十分であると確信している。」
 サイモン総督も同日、緊急事態法の無効化に署名した。
 連邦議会下院は21日に投票を行い、14日の緊急事態法発動を自由党と新民主党の賛成で承認していた。上院では23日、緊急事態法発動について審議していたが、無効化を受けて中止した。
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緊急事態法を巡り議会がヒートアップ [新型コロナ]

 2月14日に緊急事態法が発動されると、「フリーダム・コンボイ」抗議者の強制排除・逮捕が始まった。首謀者と見られるタマーラ・リッチ容疑者とクリス・バーバー容疑者は、17日に逮捕された。

 連邦議会では、緊急事態法を発動した与党自由党と、これに賛同した新民主党への批判の声が高まっている。保守党のメリッサ・ランツマン議員は16日、連邦議会でトルドー首相に質問した。
「総理は、不当に緊急事態を煽っています。」
「総理はいつ、分別を失くしたのですか?」
 トルドー首相は、これに過敏に反応した。
「保守党議員は、鉤十字を掲げる人々の横に並ぶことができる。彼らは、南部連合旗を掲げる人々の横に並ぶことができる。」
「我々は、仕事に取りかかろうとする、そして生活を取り戻そうとするカナダ人の横に並ぶ方を選ぶ。違法な抗議は、止めなければならない。そして彼らは、そうすることになる。」
 ランツマン議員は、激しく反論した。
「私はユダヤ人で、ホロコーストの生き残りの子孫です。今日という日を除いて、これほど侮辱されたことはありません。総理は、私が鉤十字の横に並んだと言うのですか。謝罪して下さい。」
 ここでアンソニー・ロタ議長から「議会では挑発的な言葉を使用しないよう」注意が入った。
 「フリーダム・コンボイ」支持をいち早く表明し、次の党首本命と目されるピエール・ポワリエーブル議員はSNSで、首相の発言を批判した。
「最低のコメントだ。たとえトルドー氏の発言であっても。」

 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は17日、連邦議会で「歴史は新民主党には寛容でない」と演説し、緊急事態法施行に賛成した同党を批判した。
 彼女は「大鉈」(sledgehammer)という語を用いたが、これは現首相の父ピエール・トルドー首相が1970年に戦時措置法を発動したとき、これに反対した新民主党のトミー・ダグラス党首が「ピーナッツを割るためにsledgehammerを振るう」と語ったことを意識したものだろう。ピエール・トルドー首相は「ケベック解放戦線はピーナッツとは違う」と反論した。
 新民主党のシン党首は逆に、バーゲン党首に尋ねた。
「我が国の民主主義を攻撃し、市民を困らせている運転手たちを支持したことを後悔していますか?」
 バーゲン氏は党首に就任する前、オタワの公道を占拠する抗議者たちのところに行き、ともに写真を撮らせていた。
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フリーダム・コンボイに緊急事態法 [新型コロナ]

 トラック運転手らが米加国境などを封鎖する「フリーダム・コンボイ」が長期化するにおよび、トルドー首相は2月14日、事実上の戒厳令に当たる緊急事態法の施行を宣言した。同法施行により国民の権利の制限が可能となるため、抗議活動者の資産を凍結し、抗議者の実力排除・トラックの強制撤去が目的と見られる。
 同法施行は、1988年の制定以来初めてとなる。同法の前身である戦時措置法は、第一次大戦・第二次大戦のほか、1970年にラポルト労働大臣が誘拐され殺害された「十月危機」で施行された。最後の例は、現首相の父ピエール・トルドー首相が発動した。
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 国境を越えてカナダに入国するトラック運転手は、ワクチン接種を義務付けられた。これに反対するトラック運転手が1月29日、オタワで公道を占拠する抗議行動を開始した。運動は広がりを見せ、オンタリオ州ウィンザーの国境アンバサダー橋や、アルバータ州クーツの国境をトラックで封鎖した。なおカナダトラック同盟によると、大多数の運転手はワクチン接種済みだという。
 抗議者が全てトラック運転手というわけではなく、政府にテロ組織認定されたスリー・パーセンターズのような右翼団体や、ワクチン懐疑論者などもいた。抗議者の一部は鉤十字や南部連合旗を掲げたり、カナダの国旗を上下逆さにしてテリー・フォックス像に貼りつけたり、「無名戦士の墓」で飲んで食べて踊ったり、貧民に給食する慈善団体「良き希望の羊飼い」に食事提供を要求し、暴力を振るった者さえいた。
 カナダ保守党のオトゥール党首(当時)は、抗議活動を支持しない方針を打ち出し、運転手たちの話を聞きたいと語ったが、実際には(直後に党首解任されたため)何もしなかった。キャンディス・バーゲン副党首やピエール・ポワリエーブル議員など、何人かの議員は抗議活動支持を表明した。マイケル・クーパー議員は抗議活動に加わったが、その姿をテレビで映されたとき、背景に鉤十字を掲げている人が映っていた。2月10日にマニトバ州エマソンで3つ目の国境が封鎖されると、暫定党首になっていたバーゲン氏は、封鎖を解き帰宅するよう呼びかけた。
(※カナダ在住日本人のブログ「カナダ人ニュース」は、これらについて意図的に触れていない。)

 アバカス・データ社が1月31日から2月2日まで、1410人の成人カナダ人を対象に実施した世論調査は、抗議活動に共感する人32%に対し、共感しない人は68%だった。支持政党別に見ると、共感する人は人民党支持者で82%、緑の党で57%、保守党で46%、自由党で25%、新民主党で23%、ケベック連合で19%と、人民党支持者に顕著に多かった。


図:「またカナダが金メダル獲ったの?」「いや、また別の橋だ。」
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保守党幹部会、オトゥール党首を不信任 [保守党]

 保守党は2月2日、下院幹部会(119人)でエリン・オトゥール党首の信任投票を行い、信任45票・不信任73票(スコット・リード幹部会議長は投票せず)で不信任した。オトゥール党首は即日辞任し、幹部会はキャンディス・バーゲン副党首を暫定党首に指名した。暫定党首の任期は党首選終了までで、党首選の日程は未定。なお暫定党首は、党首選に立候補できない。
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 2021年9月の総選挙で与党自由党は過半数を獲得できず、解散・総選挙はいつあるかわからない。保守党議員たちは、オトゥール党首のままで再度の総選挙に突入することに不安を覚え、主に党内右派を中心に党首降ろしの機会を狙っていたようだ。反対派は35名の署名を集め、信任投票を要請する文書を1月31日リード議長に提出し、2日に予定されている幹部会の会合で投票するよう訴えた。
 これを受けてオトゥール党首は、保守党には2つの道があると述べた。一つは「包括的で、楽観的で、多様な意見と希望」であり、もう一つは「怒れる、否定的で、極端な」道だと。彼は、前者は自分とともに前進する道であり、後者はデレク・スローンやランディ・ヒラーのような保守党を追放された極右とともに進む道であり、自由党に取って替わるよりむしろ抗議勢力となる「右の新民主党」への道だと語った。
 だが投票結果は、予想外の大差だった。リサ・レイト元副党首は、議員たちは定例の信任投票まで待つつもりもなければ、全党員の意見を聞く必要もないと考えていたのだろうと語った。
 ある保守党議員は、匿名を条件にこう語った。
「これは、彼が自分でしたことの結果だ。」
「彼は、幹部会に支持されることは何もしなかった。総選挙の後、議員たちの反応は、彼への支持ではなかった。それはむしろ、こういうものだった。『諸君、本当にもう一度こうしたいのか?』彼はその後も、彼らを味方につけるために何もしなかった。」
 オトゥール党首に近い匿名のベテラン議員は、今回の反乱は12月の議会を通過した転向療法(同性愛を病気とみなし、異性愛に「転向」するよう「治療」する行為で、医学的根拠はないとされる)禁止法案が原因だと説明した。彼によると、自由党政権提出の転向療法禁止法案に対し、保守党は抵抗せず、上下両院をあっさり通過させたばかりか、そのときオトゥール党首は議場になくラトビアを訪問していたので、いわゆる「転向療法派」、オトゥール党首の言う「極右」が激怒したのだという。
 妊娠中絶に反対する圧力団体「RightNow」のスコット・ヘイワード会長は、オトゥール降ろしを煽動したことを隠さなかった。
「我々は総選挙以来、改正法や党規約に依ると依らないとにかかわらず、議員たちや党評議委員たちや党員たちと、オトゥール氏を党首から引きずり降ろすために活動していた。」
 同じく中絶に反対する「キャンペーン・ライフ連合」のジェフ・ガンナーソン会長も、オトゥール党首への不満を並べ立てた。
「オトゥール氏は、妊娠中絶、LGBT問題、強圧的なロックダウン、有害なワクチンのための自由を破壊するパスポートに対する支持で、保守党の支持母体に対し背信行為を再三再四繰り返した。」
「このニセ保守派が、そろそろクビになってもいいころだろう。」
 マット・ジェネルー議員は、不信任票を投じたことをこう説明した。
「多くのカナダ人は、我々の立ち位置についてわかっていなかったと思うので、問題に関する二転三転が、信用を失うことにつながったと私は思う。」
 引退したトニー・クレメント元大臣は、党の将来を悲観した。
「保守党幹部会でこうなったことに、私は失望している。党は分裂し、混乱し、政権獲得の用意ができているにはほど遠い。」
 同じく引退したモンテ・ソルバーグ元大臣は、オトゥール党首が難問に直面し取り組んだことには同情すると語った。
「スティーブン・ハーパーはかつて、自分がこれまで務めた最悪の任務は最大野党党首だと言っていた。保守党は特にそうだと、私は思う。」
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写真:キャンディス・バーゲン暫定党首(左)とエリン・オトゥール前党首(右)。
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マクドノー元党首死去 [新民主党]

 カナダ新民主党・ノバスコシア新民主党の元党首アレクサ・マクドノー氏が、1月15日に死去した。享年77歳。
 1944年オタワで、新民主党の前身であるCCF(Co-operative Commonwealth Federation)の活動家の娘として生まれた。クイーンズ大学に入るが、ダルハウジー大学に転学し、社会学と心理学を学んだ。1966年、ピーター・マクドノー氏と結婚。
 二十代で自由党に入るが、ノバスコシアのジェラルド・リーガン政権に失望し、新民主党に移籍する。1979年の連邦議会選挙でハリファックスから出馬するが、落選。80年にも同じ選挙区から出馬するが、かつて自分が選挙運動を手伝ったジェラルド・リーガンに敗れる。

 その直後、ノバスコシア新民主党のジェレミー・エイカーマン党首が辞任した。同党は当時州議は4人だけで、全員がケープブレトン島出身だったが、本土の選挙区には州議がいないにもかかわらず代議員はいて、ケープブレトン島派と本土派の対立が深刻化した。エイカーマン党首が辞任すると、ポール・マキューワン州議がこれを批判し党を除名されるが、幹部会は彼を幹部会に留めると決定し、収拾がつかなくなった。このような混乱の中で、党首選が行われた。
 レン・アースノー候補とバディ・マッキーカーン候補はいずれも州議で、議席のないマクドノーはダークホースと見られていたが、第一回投票で237票を獲得し、42票のアースノー候補と41票のマッキーカーン候補に圧勝した。マクドノーのアウトサイダーイメージが、両派の対立から一歩距離を置いていると見られ、また彼女の穏やかな性格が挙党体制に適していると期待されたのだった。彼女は議席を持つ政党としては、カナダ初の女性党首となった。
 81年の州議会総選挙では、ケープブレトン島の議席を全部失い、州議は彼女一人となる苦杯を味わった。だがケープブレトン島派と本土派の党内抗争を、終わらせることはできた。
 当時ノバスコシア州議会には、女性議員は彼女だけで、議員のための女子トイレはなかった。男性議員たちは、議場から歩いてすぐの議員用トイレを使えたが、彼女は1階に降りて公衆女子トイレを使わなければならなかった。彼女は、男社会である州議会を「オールドボーイズ・クラブ」と呼んで批判し、改善を訴えた。
 マクドノー党首個人の人気は高かったが、党の支持率向上にはあまり寄与しなかった。彼女が党首を務めていた間、党は3議席を超えることはできなかった。1994年、彼女は党首を辞任した。

 カナダ新民主党は、1993年連邦議会総選挙でわずか9議席の、結党以来最低の敗北を喫した。公式政党である12議席にも満たず、代表質問もできなければ院内に事務所も設置できず、調査費用は助成されず自己負担となった。オンタリオとブリティッシュコロンビアで成立した新民主党政権の不評が原因で、オンタリオでは全議席を、ブリティッシュコロンビアでは2つを除く全議席を失った。マクラフリン党首は辞任を表明し、1995年に党首選が行われたが、ここにマクドノーが立候補を表明する。彼女は連邦議会に議席を持っていなかったが、ライバルのスベンド・ロビンソン候補とローン・ニストロム候補は議員だった。党勢は振るわないうえ、党内は分裂しており、状況はノバスコシア新民主党党首選と似ていた。
 予備選では、ニストロム候補44.7%、ロビンソン候補32.1%、マクドノー候補18.5%、ハーシェル・ハーディン候補4.8%となり、アウトサイダーのマクドノーはやはりダークホースと見られていた。上位3名が本選に進んだが、第一回投票ではロビンソン候補37.8%、マクドノー候補32.6%、ニストロム候補31.5%となり、マクドノーの思わぬ健闘で、予想外の三つ巴となった。ニストロム候補が脱落し、決戦投票が行われることになったが、ここでロビンソンが意外な行動に出た。彼は党内左派で、マクドノーとニストロムは中道だから、ニストロムの票のほとんどはマクドノーに入ると読んだ彼は、マクドノー支持を表明し決戦投票を辞退した。戦って敗れるより、勝ちを譲って恩を売った方が得策だと考えたのである。この行動は、彼の一匹狼イメージを覆し、挙党体制に協力的だというイメージを与えることには成功したが、彼の勝利を信じて運動してきた味方陣営の怒りを買った。こうしてマクドノーは、1976年のロバート・スタンフィールド党首(進歩保守党)以来となる、人口の少ない東部出身の連邦政党党首となった。
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 主要政党では、議席のない人が党首になると、若手議員を辞職させ補選で議席を得るのが通例だが、彼女はそうせず、連邦議会の傍聴席に座った。1997年連邦議会総選挙で、彼女はついに議席を得るが、新民主党も21議席に躍進し、公式政党の地位を回復した。特筆すべきは、中西部発祥の同党はオンタリオ以西を根拠地としており、ケベック以東では議席獲得が困難で、それまでの歴史を通し東部では3議席しか取れなかったのを、東部だけで8議席を獲得したことだった。

 好調なスタートを切ったマクドノーはその後、イギリスのブレア首相の成功にあやかり、「第三の道」を模索すべく党の軌道を中道に向かわせようとした。だが労働組合の抵抗に遭い、カナダ自動車労連のハーグローブ委員長は、辞任しなければ支持を取り下げると公然と脅しをかけた。このとき2名の議員が党を見限り、他党に移籍した。
 2000年連邦議会総選挙では、新党カナダ同盟に注目が集まった。新民主党の支持者はこのときも、カナダ同盟の政権獲得を妨げようと戦略的に自由党に投票したため、13議席にとどまった。
 2001年ウィニペグで開催された党大会で、新民主党は左翼路線を再確認した。マクドノー党首は行きづまり、2002年「家庭の事情」を理由に党首を辞任した。2008年には、総選挙に出馬せず政界引退すると表明した。

 ノバスコシア新民主党は2009年、州議会選挙で勝利し東部で初の新民主党政権を築いた。東部で鳴かず飛ばずだった同党が、東部に浸透できたのはマクドノーの功績と言える。
 彼女は二人の子を産んだが、夫と1993年に離婚している。進歩保守党の元議員で元大臣のデビッド・マクドナルド氏と内縁関係となり、彼は97年連邦議会総選挙に新民主党から出馬して落選している。二人は2004年に破局した。
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2021年今年話題の人物に「寄宿学校から帰らなかった子供たち」 [今年話題の人物]

カナディアン・プレスは12月15日、2021年「今年話題の人物」に「寄宿学校から帰らなかった子供たち」を選出した。
団体が選出されるのは、2006年の「カナダ軍」、2007年の「RCMP(カナダ連邦警察)」、2018年の「フンボルト・ブロンコス」、2020年の「前線で働く人々」に続き5度目となる。

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2021年カナダの十大ニュース [十大ニュース]

当ブログ管理人が選ぶ、2021年カナダの十大ニュースです。

1.寄宿学校跡地で児童の遺体大量に発見
2.カナダ軍にセクハラ蔓延
3.ワクチン陰謀論はびこる
4.BC州異常気象、山火事発生
5.BC州洪水
6.連邦議会総選挙、前回とほぼ同じ結果に
7.孟副会長解放、2マイケルも解放
8.グレイハウンド、カナダのバス事業を廃止
9.イカルイト水危機
10.パイェット総督辞任、サイモン氏就任
【番外】
・モントリオール・カナディアンズNHL決勝進出
・オレクシアク五輪7冠
・女子サッカー金メダル
・ゲレーロ三冠王とMVP逃がす
・米大統領選に陰謀論、中国軍との共同軍事教練に疑惑
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緑の党党首にカットナー氏 [緑の党]

 カナダ緑の党評議会は11月24日、天文学者のアミタ・カットナー氏(30歳)を暫定党首に指名した。カットナー暫定党首は、連邦議会に議席を持つ党の党首としては史上最年少で、(公表されたかぎりでは)最初のトランスジェンダー(ノンバイナリー)である。父はイギリスからの移民、母は香港からの移民で、最初の東アジア系の党首でもある。
 カットナー氏はブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバーに生まれ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で天文学を学んだ。
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 2019年連邦議会総選挙でtheyは、ブリティッシュコロンビア州バーナビー・ノース-シーモア選挙区から出馬し、得票率9.6%の4位で落選したが、得票を前回総選挙の2倍にした。2020年には党首選に出馬したが、第4回投票で得票率7.3%の6位で敗退した。
 党則により、正式な党首を選出する党首選は、暫定党首指名の6か月後までに開始し、2年後までに終えなければならない。カットナー暫定党首の任期は次の党首が就任するまでで、theyは党首選に出馬する考えはないという。theyは「正式な党首を決めるにあたり、長い準備期間と、短い選挙機関があるべきだ」と語った。
 緑の党は2021年7月以来、党員6259人と寄付者499人を失ったと発表した。カットナー暫定党首は、ポール前党首のリーダーシップにまつわる内紛が影響したと述べた。
 なお党首選出馬を噂されていたポール・マンリー前議員(2021年総選挙で落選)は24日、党首選に立候補しないと発表した。
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党首不信任を呼びかけたバッター議員を除名 [保守党]

 保守党は11月16日、エリン・オトゥール党首の信任投票を呼びかけたデニス・バッター上院議員を幹部会から除名した。これにより上院勢力は、無所属の会43、保守党18、進歩上院の会14、カナダ上院の会13、無所属6、欠員11(定数105議席)となった。
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 バッター議員は15日、党首の信任投票を求める嘆願書の署名をオンラインで集め始めた。そこには、オトゥール党首が炭素税・銃規制・良心の自由などの基幹政策について、明確な立場を示さなかったため都市部の議席を失ったと書かれていた。彼女はさらに、オトゥール氏は党首選では「本物のブルー・トーリー」と称していたのに、総選挙では左傾化し自由党と区別がつかなくなったと批判した。
「オトゥール党首は、同じ週、同じ日どころか、同じ文章の中でさえ党の方針を変えた。党員はそれに対し何の発言権もなかったが、彼のリーダーシップにおいて一致しなければならなかった。」
「我々は、我が党が引き裂かれるのを二度と見るわけにはいかない。我々が分断されるとき、自由党が勝つ。」
 党則では、総選挙で政権を獲得できず、かつ党首が辞任もしくは死去しなかった場合、最初の党大会で党首の信任投票が行われることになっているので、信任投票は2023年の党大会で実施される。だが党則は、党員の5%の署名があれば「いかなる問題についても」党員による投票を実施しなければならないと規定している。バッター議員の秘書は、オンライン嘆願書には1日で2000人の署名が集まったと発表した。
 いっぽうオトゥール党首を支持する議員たちは、反対派を挫くため、いわゆる「改正法」(カナダ選挙法とカナダ議会法を改正する法)の導入に賛同する議員24人の署名を集めたと発表した。これはマイケル・チョン議員が提出し2013年に成立させた法律で、党首の権限が強化される傾向がある中で、議員たちによって構成される幹部会に一定の権限を認めた法律である。各党は連邦議会の召集時に幹部会を開催し、改正法を導入するかどうかを投票で決める。導入される場合、幹部会は党首を不信任し、暫定党首を選任する法的根拠を得る。また特定の議員を幹部会から除名し、または加入させる権限を持つ。幹部会の20%が除名を求めるとき、幹部会は無記名投票を実施しなければならず、50%の同意があれば除名される。
 匿名の保守党議員は、オトゥール降ろしに加担する議員を除名することについて、すでに70人以上の同意を得た(保守党幹部会は下院119+上院19で計138人)と明かした。
 オトゥール党首は、改正法の導入について弁護した。
「マイケル・チョン氏が提出したときから、私は改正法を支持していた。私は2015年と2019年に賛成投票し、今日も導入するよう奨励した。」
 そして、除名の決断についても擁護した。
「カナダ保守党の党首として私は、個人的不信感や、堕落し壊滅的なトルドー政権を倒そうとしている保守党幹部会の努力に対し敬意を欠く態度を見せる行為を、容認することはできない。」
 メリッサ・ランツマン議員は「バッター議員は利口になった方がいい」と語った。
「我々は住宅危機、制御困難なインフレ、エネルギー問題と戦っている。それはまだ始まったばかりだ。これはカナダ人ではなく、ジャスティン・トルドーを助けることになる。」
 ミシェル・レンペル・ガーナー議員は、フェイスブックに次のように投稿した。
「私はこれに、非常にがっかりしている。自由党員が外に出て、シャンパンのケースを買い『デニス・バッターに乾杯』と祝っていると確信する。」
 バッター議員は、オトゥール党首は異論を封じ込めるため脅しを使っていると批判した。
「オトゥール党首が党員に支持されていると確信するなら、信任投票で民主的に党員の審判と向き合うことを、恐れる必要はない。」
 そして、オトゥール党首に異論を唱えているのは自分だけではないのに、自分だけが除名されたのはダブルスタンダードだと指摘した。
 マイケル・マクドナルド上院議員は10月4日、保守党議員たちに手紙を送り、オトゥール党首が中道寄りマニフェストを掲げたのは戦略的に誤りだと厳しく批判したが、幹部会を除名されてはいない。
「問題の一つは、総選挙終盤まで、党員証を持つ党員たちですら誰もエリンが何を主張しているかを知らなかったことだ。」
「彼は2017年党首選ではいくぶんレッド・トーリーとして戦い、2020年党首選では『本物のブルー・トーリー』として戦い、それから党首として党を左に寄せた。それゆえ人々は自問する。彼は何者なのか?中道のレッド・トーリーか、ブルー・トーリーか、それとも風向き次第で向きを変えるただの風見鶏なのか?と。」
 ある保守党議員は、オトゥール党首の報復を恐れ、匿名で語った。
「エリンにとって、これは終わりの始まりだろう。」
「これは、彼の弱さを示すものだ。真のリーダーなら『信任投票しようじゃないか』と言うだろう。自分にどれほどの支持があるかを見せるために。」
 彼はオトゥール党首を、民主化運動を抑え込むため戒厳令を施行したポーランドのヤルゼルスキに喩えた。
「彼は保守党の資金を用意し、党役員を用意し、公式野党党首のオフィスに就き、陰の内閣を組閣した。彼はそれらを、己の身を守るために用意した。だが彼は、民衆から自分を守ることはできない。」


写真:デニス・バッター上院議員(左)とエリン・オトゥール党首(右)。
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