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選挙戦終わる:自由党少数政権か [2021年下院選]

 36日間の選挙戦が終わり、明日投票日を迎える。CBCが9月19日に発表した政党支持率調査は、自由党31.5%、保守党31.0%、新民主党19.1%、人民党7.0%、ケベック連合6.8%、緑の党3.5%、その他1.1%となり、接戦ながら与党自由党は首位で選挙戦を終えた。新民主党は選挙期間を通じ、支持率がほとんど変わらなかった。緑の党は党首を巡る内紛の最中に総選挙に突入し、ポール党首は自身のトロントセンター選挙区から出ることがほとんどなかった。
 ケベックでの支持率は、自由党32.4%、ケベック連合29.8%、保守党17.7%、新民主党11.6%、人民党5.1%、緑の党2.5%、その他1.0%だった。
 ここから導き出される予想獲得議席は、自由党155(103~190)、保守党119(91~161)、新民主党32(19~64)、ケベック連合31(20~44)、緑の党1(0~3)、人民党0(0~1)、その他0(0~0)(定数338議席、括弧内は最小値~最大値)となり、あらゆるデータは自由党が少数政権を築くことを示している。

 自由党は、東の東部・オンタリオ・ケベックの3地域で首位を保ち、第一党の地位をほぼ確実にしている。東部での支持率は41.2%と極めて高く、2位の保守党27.2%に大きく差をつけているが、東部選出の閣僚は全員が再選を危ぶまれている。
 ケベックではジャン=イブ・デュクロ予算庁長官が、前回総選挙で得票率1%未満の僅差で辛勝しており、今回も容易ではない。またディアンヌ・ルブティリエ歳入大臣も、再選に黄信号が灯っている。
 オンタリオでは、マリヤム・モンセフ地方経済開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣とデブ・シュルト高齢者大臣が、保守党の強力な候補を相手に苦戦を強いられている。
 自由党は前回総選挙で、ブリティッシュコロンビアより東・ウィニペグより西で議席を獲れなかった。今回はこの保守党の牙城において、自由党または新民主党が僅かな議席を奪う可能性があり、自由党と保守党の接戦に意外な効果を発揮することがありえる。
 トロント周辺のいわゆる市外局番「905エリア」は、自由党・保守党・新民主党の3党が例年死闘を繰り広げる主戦場である。今回もこの地域での攻防が、総選挙全体の勝敗を決するだろう。
 ケベックでは、かなり多くの選挙区で3または4人の候補が接戦を展開している。この地域の結果は予測が困難であり、予想外の結果をもたらすことがありえる。
 新民主党とケベック連合は、際どい3位争いを展開している。だが両党の結果がどうあろうと、総選挙の勝者は過半数割れが確実であり、両党は新しい議会においてキャスチング・ボートを握ることになる。
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 新型コロナのため、今回は郵便投票が飛躍的に増えると予想されている。選挙管理委員会は、19日時点で郵便投票のための書類を126万2617通送付し、そのうち92万3832通がすでに返送されたと発表した。これらは21日まで集計されず、二大政党が接戦を繰り広げていることから、カナダ国民が総選挙の大勢を知るのは早くても21日になると予想されている。
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ハーバーセンターくん

毎日新聞ウェブサイト
https://mainichi.jp/articles/20210920/k00/00m/030/099000c
>カナダメディアによると、トルドー氏は選挙戦最終日の19日、東部オンタリオ州で

オンタリオ州は中部です。何回言えばわかるのでしょうか。
by ハーバーセンターくん (2021-09-21 00:05) 

ハーバーセンターくん

日本経済新聞ウェブサイト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200BC0Q1A920C2000000/
>東部オンタリオ州などでは「リベラル層の支持が自由党と新民主党に分散し、保守党が漁夫の利を得る」

オンタリオ州は中部です!!!
by ハーバーセンターくん (2021-09-21 11:27)