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ロボコール事件で保守党職員に有罪判決 [保守党]

image.jpg 2011年5月の連邦議会総選挙のとき、自動音声電話で有権者に誤った情報を与えた「ロボコール事件」の公判が8月14日オンタリオ高裁で開かれ、保守党元職員マイケル・ソナ被告に有罪判決が下った。判決文は、単独犯ではないことを強く示唆しており、今後は保守党の政治倫理が問われることになりそうだ。量刑は10月17日に言い渡されるが、最高で懲役5年及び罰金5000ドルが科せられる。

 2011年5月2日の投票日の朝、オンタリオ州ゲルフ選挙区で、多くは自由党を支持する有権者約6000人に対し、投票場所が変更になったというロボコール電話がかかった。この電話は、ソナ被告が「ピエール・プチン」の偽名で、使い捨て携帯電話とプリペイド・クレジットカードを用いてラックナイン社に依頼したものだった。
 裁判で証言した元同僚の一人は、ソナ被告がロボコールで自由党支持者を欺く計画を、テレビドラマ「24」にたとえて吹聴していたと証言した。
 ゲイリー・ハーン判事は、判決文で「聞かれた会話、ソナ氏への審理、事実に関し一致した証言、2011年5月2日以降の様々な会話は、ソナ氏が犯罪創生に関わっていたという合理的疑いを越えて、ソナ氏が2011年5月2日に有権者に誤った投票所に行く道を教える計画を実施したとする条件を満たしている」と述べ、ソナ被告を「外見上明白な傲慢と自惚れ」ゆえに犯行を遂行したと断じた。
 ハーン判事は、元同僚たちの証言は「プレスコット氏を除き、率直で矛盾がなかった」と断じた。元同僚のアンドリュー・プレスコット氏の証言は、検察の切り札であったが、判事は彼の証言を「甚だ利己的で矛盾したもの」として退けた。プレスコット氏は、司法取引を強く要求していた。

 ハーン判事はさらに、「証拠は、被告がおそらく単独犯ではなかったことを示すが、被告はまぎれもなく犯罪創生グループの一員であった」と述べ、共犯者の存在を示唆した。
 ロボコール事件で起訴されたのは、現在のところ一人だけである。だが一職員に過ぎなかったソナ被告単独で、選挙区の膨大な情報を知りえたとは考えにくく、リチャード・モーズリー連邦裁判所判事は、保守党の有権者識別データベース「構成情報管理システム(CIMS)」が、ロボコールの「最も有力な情報源」だと結論づけた。
 問題のゲルフ選挙区で、ロボコール事件にもかかわらず当選した自由党のフランク・バレリオット議員も、事件は保守党一職員によって一選挙区のみで行われたのではなく、もっと大規模なものだという見解に同意したが、全容の究明には疑問を呈した。
「私は、事件の全容に辿り着けるとは思っていない。計画の立案者は巧妙に筋書きを書き、ソナ氏だけが穴に落ちた。」
 新民主党の民主改革担当クレイグ・スコット議員も、同様の見解を述べた。
「私は正直なところ、有罪判決を受けた一人の人物が、ほかの誰の協力も得ず誰からも教唆されていないとは思わない。」
 クロフト・マイケルソン検察官は、被告の背後関係についてさらに踏み込んだ発言をした。
「有権者の投票を妨げようとする計画に積極的に参加した政党があるなら、それは非常に重大な問題である。今日法廷であなたがたが見てきたように、有権者の投票を妨げようとした者は誰でも、起訴されるものと考えている。」
 ピーター・マッケイ法務大臣は、判決についてコメントするのを拒否した。
「私は、本当に何もつけ加えることはない。特定され、起訴され、法廷に連れて来られた人がいたということだ。」
 保守党広報のコリー・ハン氏は、声明を発表した。
「有権者への妨害は非常に深刻な問題であり、責任者は起訴されるべきだ。それゆえ我々は、ゲルフにおける不正について聞いたときから、選挙管理委員会に最大限協力してきたのだ。我々がずっと言ってきたように、保守党はクリーンで倫理的な選挙運動を行った。」


写真:マイケル・ソナ被告。
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