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新民主党、閣外協力へ [自由党]

 与党自由党と野党新民主党の首脳が3月21日、閣外協力の合意に達したと複数のメディアが報じた。
 トルドー首相は21日夕刻に緊急閣議を召集し、続いて自由党幹部会を召集した。新民主党も21日夜に幹部会を召集し、閣外協力の是非について議論した。両党とも、会議の内容について詳細に話すことはできないという。

 自由党が過半数を獲得できなかった2021年9月の総選挙直後から、両党は閣外協力について協議してきた。リークされた情報によると、自由党政権は新民主党の基幹政策を取り入れるかわりに、新民主党が自由党政権を2025年まで信任する。基幹政策とは、新民主党が長年訴えてきた薬剤保険・歯科保険・住宅補助・温暖化対策・先住民への賠償のことで、その財源として自由党政権は金融機関への増税を検討しているという。
 新民主党には閣僚ポストは配分されず、これは連立政権ではない。カナダは連邦レベルでは、連立政権が成立したことはない。

 与党自由党は過半数割れのため、いつ不信任されてもおかしくはないが、最大野党保守党は党首が辞任し、幹部会によって指名された暫定党首が就いている。党員による党首選で新しい党首が選出されるのは9月になるから、それまで保守党は内閣不信任しないだろうし、与党も解散しないのが慣例である。過半数割れの自由党政権は、予算案を成立させられなければ解散・総選挙に追い込まれるが、実際にはそのような心配はないことになる。

 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は、両党の動きを「トルドーが権力にしがみつくための企て以上の何物でもない」「密室での社会主義」と酷評した。
「世論形成は票の買収に、議会での討論は裏取引に、責任はご都合主義に置き換えられる。」

 ブリティッシュコロンビア州では2017年、新民主党に緑の党が4年間閣外協力する政権が成立した。だが新民主党は高支持率を背景に2020年、協定を破り解散・総選挙を行い、安定多数を獲得すると緑の党との協定を破棄した。
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トルドー内閣改造 [自由党]

 トルドー首相は10月26日、大規模な内閣改造を行った。
 彼が初めて首相に就任し、最初の内閣を発表したのは、6年前の晴れ渡ったサニー・デイだった。厚生大臣は医師で、財務大臣はCEOで、国防大臣は叙勲された軍人で、法務大臣は先住民の弁護士で、運輸大臣は元宇宙飛行士だった。
 彼がその6年後に内閣改造を発表したのは、寒い雨の日だった。医師の厚生大臣も、CEOの財務大臣も、軍人だった国防大臣も、先住民の弁護士の法務大臣も、元宇宙飛行士ももういない。

 今回の改造は、大幅な入れ替えが行われているが、見慣れた顔ぶれによるポストのたらい回しであり、初入閣の7人を別にすれば真新しさに欠ける。だがその目玉は、内閣の最も主要な外務・国防・財務の3つのポストが、カナダ史上初めて女性に独占されたことである。すなわち、国際関係大臣にメラニー・ジョリー経済発展大臣兼公用語担当大臣、国防大臣にアニータ・アナンド公共サービス・調達大臣が就き、財務大臣にはクリスティア・フリーランド副首相が留任した。女性の国防大臣は、キム・キャンベル以来28年ぶり2人目である。これについて、サイモン・フレイザー大学のミーガン・マッケンジー教授は次のように述べた。
「これらは3つの主要な閣僚ポストであり、そしてそれらが比較的早い経歴の女性によって保持されている。」
「これらは、自分に能力があることを示した女性たちであり、党で何十年も何十年も何十年も仕えてきた女性たちではない。」
 フリーランド副首相はその地位に留まり、政権ナンバー2の地位を維持した。ジョリー大臣は、10月の総選挙で参謀として貢献し、重量ポストに昇進した。
 アナンド氏の国防大臣就任は、最も困難な任務をあてがわれたと言われる。カナダ軍では性的不正行為が蔓延しており、前任のサジャン国防大臣は、その対処を誤ったとして強い批判を浴びた。
これについて、カナダ国際問題研究所のシャーロット・デュバル=ラントワーヌ研究員は、次のように述べた。
「私は、女性を任命することが問題を解決するとはむろん考えていない。」
「性的不正行為は必ずしも、女性だけの問題ではない。」
 そう述べて彼女は、軍隊で多数の男性が性的暴行を受けている事実を挙げた。
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 グリーンピースやエキテールなどの環境団体で活動してきたスティーブン・ギルボー氏は、2019年の内閣改造で民族遺産大臣に任命されたが、今回ついに環境・気候変動大臣に任命された。この人事は当然ながら、物議を醸している。
 彼は2001年、地球温暖化を警告するためトロントのCNタワーに登り、逮捕されている。また2002年には、アルバータ州のラルフ・クレイン首相の自宅の屋根に登り太陽電池パネルを設置するグリーンピースのパフォーマンスにも、関与している。
 産油州であるアルバータ州のジェイソン・ケニー首相は、ギルボー氏の環境大臣任命は「非常に問題のあるメッセージを送ることになる」と批判した。
「アルバータや他の産油州による、何十万もの雇用を失うことにならないような現実的な解決を、建設的に一体となって取り組みたいという要望に、速やかに実際に応じてみせることを、私は明確に望んでいる。」
 これに対しギルボー大臣は、グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に他の州首相は参加するのに、ケニー首相が参加しないことを挙げ「失望する」と語った。

 新任の大臣は、7人である。元ブロードキャスターのマーシー・イェン議員は、女性・ジェンダー平等・青年大臣となる。カマル・ケラ議員は、高齢者大臣となる。パスカル・サントンジュ議員は、スポーツ大臣兼ケベック地方経済発展担当大臣となる。ランディ・ボワソノール議員は、観光大臣兼財務副大臣となる。ショーン・フレイザー議員は、移民・難民・市民権大臣となる。グディ・ハッチングス議員は、地方経済発展大臣となる。ヘレナ・ヤクシェク議員は、南オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣になる。
 ジネット・プチパ=テイラー議員は、公用語大臣兼大西洋カナダ機会エージェンシー担当大臣として再入閣する。

 マーク・ホランド下院幹事長は、下院院内総務に異動する。
 ハルジット・サジャン国防大臣は、国際開発大臣兼太平洋経済開発エージェンシー担当大臣に異動する。
 パブロ・ロドリゲス下院院内総務は、カナダ民族遺産大臣兼ケベック副官に異動する。
 ジャン=イブ・デュクロ予算庁長官は、厚生大臣に異動する。
 モナ・フォルティエ中流階級繁栄大臣兼財務副大臣は、予算庁長官に異動する。
 カリナ・グールド国際開発大臣は、家庭・子供・社会開発大臣に異動する。
 パトリシア・ハイデュ厚生大臣は、先住民サービス大臣兼北オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣に異動する。
 キャロリン・ベネット政府‐先住民関係大臣は、メンタルヘルス・中毒大臣兼厚生副大臣に異動する。
 マーク・ミラー先住民サービス大臣は、政府-先住民関係大臣に異動する。
 アーメッド・フッセン家庭・子供・社会開発大臣は、住宅・多様性・インクルージョン大臣に異動する。
 ジョイス・マレー デジタル政府大臣は、漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣に異動する。
 シームス・オリーガン天然資源大臣は、労働大臣に異動する。
 フィロメナ・タッシ労働大臣は、公共サービス・調達大臣に異動する。
 ジョナサン・ウィルキンソン環境・気候変動大臣は、天然資源大臣に異動する。
 マルコ ・メンディチノ移民・難民・市民権大臣は、公安大臣に異動する。
 ドミニク・ルブラン政府間関係大臣兼枢密院議長は、政府間関係大臣兼インフラ・地域社会大臣となる。
 ダン・バンダル北方大臣は、北方大臣兼中西部経済開発担当大臣兼北方経済開発エージェンシー担当大臣となる。
 ビル・ブレア公安・非常時対応準備大臣は、枢密院議長兼非常時対応準備大臣となる。
 メアリー・ン国際貿易大臣兼輸出振興・中小企業・経済開発大臣、デビッド・ラメッティ法務大臣兼司法長官、オマー・アルガブラ運輸大臣、マリー=クロード・ビボー農務・農産食品大臣、フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ イノベーション・科学産業大臣、ディアンヌ・ルブティリエ歳入大臣、ローレンス・マコーレー復員軍人大臣兼国防副大臣、カーラ・クワルトロー雇用・労働力開発・障碍者インクルージョン大臣は、留任する。

 マルク・ガルノー外務大臣、バーディシュ・チャッガー多様性・包含・青年大臣、ジム・カー無任所大臣は、閣僚から外された。ガルノー氏の処遇については、大使に任命されるのではという噂があるが、トルドー首相は「この内閣が今日のニュースだ」と言って答えなかった。なおベルナデット・ジョーダン漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣、マリヤム・モンセフ地方経済開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣、デブ・シュルト高齢者大臣は、総選挙で落選し閣僚ポストを失った。キャサリン・マッケナ インフラ・地域社会大臣は、総選挙に出馬せず引退した。
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写真上:グリーンピースのスティーブン・ギルボー氏(右)とクリス・ホールデン氏(左)は、カナダとアメリカが京都議定書に及び腰なのに抗議して、2001年7月17日当時世界一高かったCNタワーに登り、340メートルの高さに「カナダとブッシュは気候を破壊する」という幕を掲げ、逮捕された。
図下:産油州であるアルバータ州のケニー首相が面会してくれないので、屋根から降下して会いに行くスティーブン・ギルボー環境大臣。
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ヘリヤ元国防相死去 [自由党]

 ポール・ヘリヤ元国防大臣が8月8日、死去した。98歳だった。
 1923年オンタリオ州ウォーターフォードに生まれ、1949年トロント大学を卒業。1949年自由党から出馬し、25歳の史上最年少で下院議員に当選した。
 1963年、ピアソン内閣の国防大臣に就任。海軍・陸軍・空軍の三軍を「カナダ軍」に統合した。
 1968年には自由党党首選に出馬。第1回投票で2位だったが、最終的に落選。ピエール・トルドーが当選して首相になると、運輸大臣に任命された。彼は古い住宅を取り壊し新しいものに置き換えるプログラムを推進したが、トルドー首相と対立し、1969年大臣を辞任。1971年には離党して新党「アクション・カナダ」を旗揚げした。この党は1年で解散した。
 1972年、スタンフィールド党首に招かれ進歩保守党に移籍。1976年党首選に出馬したが、あまりに右寄りだったため、第2回投票で早々と敗退。当選したのはジョー・クラークだった。
 1982年には自由党に復党するが、二度と議員に当選できず、政治的沈黙を保った。
 1992年に北米自由貿易協定(NAFTA)が締結されると、自由党も進歩保守党も自由貿易推進派となった。1997年にカナダ国民党が解散すると、彼は反自由貿易・反グローバリズムの選択肢を提供するため「カナダ行動党」(The Canadian Action Party/Parti action canadienne)を結党する。この党は一人も当選者を出すことができず、新民主党に合併を提示して拒否され、2004年に党首を辞任した。

 ヘリヤは著名なUFOビリーバーで、テレビで「少なくとも4種類のエイリアンが太陽系に到来し、土星の衛星・金星・火星に生息している」と語っている。1967年にはアルバータ州セントポールにUFO用着陸ポートを建設しているが、そこには「宇宙のいかなる訪問者もここに自由に安全に着陸できる」と刻まれている。
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ウィルソン=レイボールド議員、引退を表明 [自由党]

 ジョディ・ウィルソン=レイボールド議員(無所属)は7月8日、次の総選挙に出馬せず引退すると発表した。
「それ(連邦議会)はますます有毒で効力がなくなり、同時に特定のバックグラウンドを持つ個人を軽視している。連邦政治は、私見では、有害な党利党略の実質的な行動に対する不名誉な勝利である。」
「他の人たちとともに、私は25年以上にわたり連邦政治の外からの変化を求めて戦い、ここ6年間は連邦政治の中で変化を求め戦ってきた。政府の内外を問わず、戦いは続いていく。」

 彼女はインディアンで、2015年に初当選し、当選1回で法務大臣兼司法長官となった。だがSNC-ラバラン事件で、同社を不起訴にするようトルドー首相に要請され、拒否したため更迭された。先住民サービス大臣への異動を持ちかけられたが、これを侮辱と受け取り拒否し、復員軍人大臣になったが、ほどなく辞任した。その後は首相批判を繰り返したため、自由党幹部会を除名された。2019年総選挙では、無所属で出馬し当選していた。
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トルドー内閣改造 [自由党]

 イノベーション・科学・産業大臣ナブディープ・ベインズ氏の総選挙不出馬表明を受け、トルドー首相は1月12日、内閣改造を行った。
 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ外務大臣がイノベーション・科学・産業大臣となり、マルク・ガルノー運輸大臣が外務大臣となり、オマル・アルガブラ政務次官が運輸大臣に昇格した。また病状が回復したジム・カー元国際貿易多様化大臣は、「無任所大臣」(minister without portfolio)として閣僚に復帰した。無任所大臣は、ピエール・トルドー首相が1978年に任命して以来で、カー大臣は中西部担当特務となった。なお新任大臣の宣誓は、カナダ史上初めてオンラインで行われた。
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 与党自由党は過半数割れの状態で、春の予算審議を迎えようとしている。野党が団結して予算案を否決させれば、解散・総選挙になる。総選挙は2019年10月に行われたばかりで、任期切れまでかなりの期間があるが、ベインズ氏が早くも不出馬表明したのは、総選挙はいつひき起こされるかわからないからだ。
 再選を目指さない閣僚が内閣から外されるのは普通のことだが、任期切れはかなり先なので、この時期の内閣改造は総選挙の準備ではないかという憶測を呼んだ。だがトルドー首相は「全てのカナダ人が新型コロナワクチンを手に入れるまで解散するつもりはない」と語った。

 大臣を辞任したベインズ氏はオンタリオ州ミシサウガ-モルトン選挙区選出だったが、新任のアルガブラ大臣もミシサウガ・センター選挙区なので、新任のカー大臣を別にすると、州の閣僚ポスト配分は変わらない。閣僚の男女比も、首相を除き依然として同数である。
 2019年総選挙で自由党は、トロント周辺のミシサウガ・ブランプトン・オークビル・バーリントンで15議席を獲得した。これは、同党が西部で獲得した議席数に匹敵する。それゆえトルドー首相はこの地域を重視し、この地域だけで大臣を3人も任命している。ベインズ氏のほか、カリナ・グールド国際開発大臣(バーリントン)、アニータ・アナンド公共サービス・調達大臣(オークビル)である。
 いっぽう保守党は2019年総選挙で、この地域において2015年から平均5.1ポイントの支持を失い、1議席を除き全敗した。2011年と比較すると平均14.7ポイントも失っており、同党がこれほど支持を失った地域はほかにない。

 新たに外務大臣に就いたガルノー氏は、カナダ初の宇宙飛行士となった英雄である。彼の昇格はもちろん、間もなく発足するバイデン新政権への対策である。
「私はアメリカで人生の9年間を過ごし、強い関係を築いてきた。私の子供たち2人は、そこで生まれている。カナダとアメリカほど重要な関係はほかになく、今後もそうであり続けると強く確信している。」

 カー氏は多発性骨髄腫の治療のため、2019年に国際貿易多様化大臣を辞任したが、病状の回復により閣僚に復帰した。
 自由党は、サスカチュワン州とアルバータ州に議席がない。オンタリオ州サンダーベイからブリティッシュコロンビア州バンクーバーまでの間で、閣僚はダン・バンダル氏(マニトバ州サン・ボニファス-サン・ビタル選挙区)とカー氏(マニトバ州ウィニペグ・サウス・センター選挙区)の2人しかいない。カー氏の大臣就任は、次の総選挙を睨み、自由党の弱点である中西部を補強したものだろう。

 閣外に去るベインズ氏は、家庭の事情を理由に挙げた。
「私は、カナディアン・ドリームを生きて来た。家具職人(cabinet maker)の父から生まれ、大臣(cabinet minister)として働く機会に恵まれた。そして今こそ、人生で最も重要な任務に集中するときだと思う。それは父であることだ。」
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ターナー元首相死去 [自由党]

 ジョン・ターナー元首相が9月18日、死去した。享年91歳。
 副総督を父に持つ彼は、学生時代には100ヤード走のカナダ記録を持ち、オリンピックの有力候補だったが、交通事故のため断念した。マーガレット王女とダンスを踊り有名になったが、彼がカトリックだったため結婚できなかった。
 ハンサムな彼は「カナダのケネディ」と呼ばれ、法務大臣・大蔵大臣と要職を歴任し、将来の首相と見なされた。だが彼が首相に就いたのは、自由党長期政権が飽きられていて、かつ景気も悪化した時代であり、世論調査は誰が党首でも選挙に勝てないことを示していた。彼は1984年の総選挙で、40議席という結党以来最低の結果に終わり、在任わずか79日で首相を辞任した。これはカナダ史上2番目に短い政権である。
 彼は88年の総選挙にも敗れ、党首の座から引きずり下ろされた。
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アリーヌ・クレチエン元首相夫人、死去 [自由党]

 ジャン・クレチエン元首相夫人のアリーヌ・クレチエンさんが9月12日、死去した。享年84歳。
 二人は、ジャン氏が17歳、アリーヌさんが15歳のとき知り合った。彼女は家計を助けるため16歳で高校を中退して働き、彼は工場で働きながら大学に通った。それでもアリーヌさんは、ジャン氏が将来首相になる人だとわかっていたという。なおジャン氏は、政界に入るまで英語を話せなかった。学業を中退したアリーヌさんは、いつか外国に行き外国語を学びたいと考えており、夫の政界での成功によりそれはかなえられたが、夫の出世とは対照的に、自分は表舞台に出ようとはしなかった。
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財務相にフリーランド氏就任、連邦議会は停会に [自由党]

 ビル・モルノー財務大臣の辞意表明を受け、トルドー首相は8月18日、小規模な内閣改造を行った。クリスティア・フリーランド副首相兼政府間関係大臣が副首相兼財務大臣に、ドミニク・ルブラン枢密院議長が政府間関係大臣兼枢密院議長となる。モルノー氏は同日、財務大臣と下院議員を辞職し、引退した。
 女性で初めて財務大臣となったフリーランド氏は、次のように述べた。
「この国で、ガラスの天井に挑み続けている全ての女性に言いたい。頑張って下さい。私たちは、あなたたちとともにいます。」
「コロナウイルスによる経済的損失は、女性に打撃を与えています。特に母親たちには、大きな打撃となっています。」
「私たちは、女性の労働人口が鋭く落ちているのを見ています。そして我が国が取り組んでいるこの難問に、私は女性として、母としての経験を活かせる機会を得られることをうれしく思います。」
 保守党の財務担当ピエール・ポワリエーブル議員は、閣僚ポストをたらい回しする「椅子取りゲーム」は、政権の失敗を糊塗することにはならないと批判した。
「誰もが、スキャンダルがモルノー氏を倒したと知っている。」
 モルノー財務大臣とトルドー首相の間に意見の対立があったという噂を、彼はフィクションだと一蹴した。
 トルドー首相は内閣改造について、カナダと世界は新型コロナ渦で経済を立て直そうとする岐路にあり、現在直面している難問の担当としてフリーランド氏が適任だと説明した。

 なお首相と新任の大臣は、認証式のため総督公邸リドー・ホールを訪問したが、首相はこのときパイェット総督に議会の停会を上奏し、許可された。第43回連邦議会の第一セッションは18日で終了し、第2セッションは9月23日に召集される。この日までに成立しなかった法案は全て廃案となるが、新しいセッションで再提出可能である。なお連邦議会の委員会も全て終了し、新しいセッションで再編成される。
 首相は停会について、次のように説明した。
「8か月前に行ったスローン・スピーチには、新型コロナに関する言及がなかった。」
「我々は、よりよい回復のため政府の政策をリセットする必要がある。それは、大きく重要な決定である。そして我々はそれを議会に提出し、この野心的な計画について前進するために議会の信任を得る必要がある。」
 だが、首相の言い分を真に受ける人はいない。首相らは下院財務委員会と倫理委員会で調査の対象になっていることから、議会停会により調査が中断され、委員会もいったん解散され再編成されるのが真の狙いではないかと疑惑を持たれている。
 トルドー氏は2015年に、こう述べていた。
「未来の首相は、問題を回避するため停会に頼るべきではない。」
 その年の自由党の政見公約も、こう述べている。
「スティーブン・ハーパー首相は、困難な政治状況を避けるため、停会を使った。我々は、そうはしない。」
 ハーパー首相は連邦議会を、3度停会している。一度目は2008年10月、過半数を占める野党3党が連立協定に調印し内閣不信任しようとしたとき。二度目は2009年12月、バンクーバー・オリンピックの期間中に停会したが、アフガニスタン捕虜虐待問題の追及を免れるためだと批判された。三度目は2013年8月、議会出費スキャンダルの追及を免れるためだと批判された。
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モルノー財務相が辞任 [自由党]

 ビル・モルノー財務大臣は8月17日トルドー首相と会談し、大臣と議員を辞職する意向を告げた。モルノー財務相とトルドー首相はともに、WEチャリティを巡る汚職疑惑で調査の対象となっており、野党から辞任を要求されていた。
 モルノー財務相は、首相から辞任を求められていないと弁明した。
「私には、連邦議会選挙に二度より多く立候補する予定がなかった。」
「私が二度と立候補しない以上、そして我々が長く険しい回復をしていく以上、首相のそばにはより長く務める財務大臣がいるべきだと考える。」
「それが今、私が退くことが適切であると結論づけた理由である。」
 彼は、後任の財務相が決まりしだい辞任し、経済協力開発機構(OECD)の事務総長に立候補する意向を示した。

 カナダ学生サービス助成金制度は、新型コロナウイルス流行下において連邦政府が学生に9億1200万ドルの奨学金を支給するものである。トロントの非営利団体「WEチャリティ」が、連邦政府から4353万ドルの契約を受注した。
 利益相反法の精神に則れば、政府高官は公共事業に関与すべきではないが、トルドー首相一家はWEチャリティに大きく関与していた。首相夫人のソフィ・グレゴワール=トルドーさんは、一回の講演で謝礼1400ドルを得ていた。首相の母マーガレット・トルドーさんは28回の出演でギャラを25万ドル、首相の弟アレクサンドル・トルドー氏はギャラを3万2000ドル受け取っていた。トルドー首相はこれについて、妻も母もタレントなので驚かなかったと語った。
 モルノー財務相も、家族ぐるみでWEチャリティに関与していた。モルノー一家は同団体の経費でケニヤとエクアドルを旅行していたが、彼の娘グレイスさんは同団体の旅行部門職員で、娘クレアさんもボランティアだった。モルノー財務相は、調査されるまで旅費4万1366ドルを返還しなかった。
 首相と財務相は倫理委員会の調査対象となっているが、トルドー首相が倫理規定違反で調査対象となるのはこれで3度目となる。一度目は2017年、友人が所有する島でクリスマス休暇を過ごした件、二度目は2019年のSNC-ラバラン事件をめぐる司法介入疑惑である。

 新型コロナ対策の財政支出について、モルノー財務相とトルドー首相らの間には意見の相違があった。カナダ銀行のマーク・カーニー元総裁が財政顧問となったことで、近いうちに行われる内閣改造で彼が財務相に就くという噂が流れ、モルノー財務相は追いつめられていたという。最近では、財務相と首相の間の情報が出所不明のリーク合戦となり、誰かがモルノー氏を排除しようと画策した形跡がある。トルドー首相はごく最近「モルノー財務相に全幅の信頼を置いている」と、異例の声明を発表していた。
 匿名の政府高官は、財務相と首相の間の噂はヒートアップしすぎで、二人はしばしば一致できないこともあったが、モルノー氏は常に首相に忠実で、二人の間に「確執」などなかったと語った。

 保守党のシーア党首はツイッターで、モルノー氏の「辞任」は首相を守るためのトカゲの尻尾切りだと皮肉った。
「カナダ人が自分たちの健康とお金について心配しているとき、トルドー首相は血眼になって、自分を救うために自分の右腕を切り捨てている。」
 新民主党のシン党首もツイッターで、問題は財務相の交代では済まないと厳しく批判した。
「これはモルノー財務相の倫理的過ちではなく、首相が国民のためでなく自分自身のために働いたという過ちである。」
「この首相が倫理規定違反で調査されるのは3回目ということを、忘れてはならない。過去の2回は違反と認定された。大臣は任命したり辞めさせたりできるが、首相が規定を破り続けるなら、この政権のプライオリティは変わらないだろう。」

 後任の財務大臣については、カーニー元総裁が就任すると噂されていたが、ハフィントンポスト紙は「総理府はこれを否定した」と報じた。後任にはクリスティア・フリーランド副首相が有力視されている。
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【世論調査】自由党支持率、40%を超える [自由党]

 CBC(カナダ放送協会)が6月30日に発表した政党支持率調査は、自由党40.6%、保守党28.2%、新民主党15.6%、ケベック連合6.6%、緑の党6.2%、その他2.9%という結果になった。ここから導かれる予想獲得議席は、自由党188(155~239)、保守党101(65~121)、ケベック連合26(14~39)、新民主党21(5~38)、緑の党2(0~7)、その他0(0~2)(定数338議席、括弧内は最少値~最大値)となる。
 ケベックでの政党支持率は、自由党40.4%、ケベック連合28.7%、保守党12.9%、新民主党10.4%、緑の党5.3%、その他2.3%だった。ここから導かれる予想獲得議席は、自由党41(34~44)、ケベック連合26(22~34)、保守党10(7~10)、新民主党1(1~3)、緑の党0(0~0)、その他0(0~1)(定数78議席)となる。

 与党自由党の支持率は、2月末には保守党を下回ったが、3月中旬には首位を回復した。ケベックでも2月末にはケベック連合を下回ったが、4月中旬には首位を回復している。保守党が首位の地域は中西部だけで、自由党はケベックのほかオンタリオ・ブリティッシュコロンビア・東部で首位に立っている。
 CBCは自由党過半数の確率を84%、自由党少数政権の確率を15%、保守党少数政権の確率を1%と算出している。自由党は最少値になっても、保守党の最大値を下回らない。今総選挙が実施されれば、自由党が容易に過半数を獲得することに疑いの余地はない。
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ハーダー上院議員、進歩上院の会へ [自由党]

 上院政府代表を辞したピーター・ハーダー上院議員が、進歩上院の会に入会したことがわかった。これにより上院勢力は、無所属の会49、保守党21、カナダ上院の会13、進歩上院の会8、無所属5(ジョージ・フューレイ議長、マルク・ゴール上院政府代表と副官レーモンド・ガニェとパティ・ラブカン=ベンソンを含む)、欠員9(定数105)となった。

 ニュースは、パトリシア・ボビー上院議員が8日に無所属の会を退会し、進歩上院の会に移籍した一週間後に来た。無所属の会は退会者が続出しており、さらに何人かがあとに続くことがありえる。
 上院委員会のポストは、会派の規模に応じて配分されている。無所属の会のユエンポー・ウー世話役は、退会を阻止するため、退会者から委員会ポストを剥奪する動議を通過させた。なお公式政党は9議席以上が必要なため、進歩上院の会は上院において正規の会派ではなく、彼は同会に委員会ポストを割り振るのを阻止しようとした。

 ハーダー議員は14日、上院で一党支配があるのは好ましくないと語った。
「上院において、全ての上院議員を平等に扱いたいくない1つのグループがあることを私は憂慮している。私はそれに与しないし、本当のところ、私はそれに対する障壁でありたい。」
「多数派主義が、新たな党派主義になることを憂慮している。そしてそれが、上院議員の平等と、他のグループの声に耳を傾ける重要性を尊重していないことを警告したい。」
 だがウー世話役は、会派離脱者の委員会ポストを再配分する動議には、全ての公認会派の代表が合意したことだと反論した。
「上院議員が会派を離脱したら、委員会ポストは所定の会派に戻るということは皆の総意だった。それは公式に記録されている。」
 またハーダー議員は、上院において公式野党の役割は保護されるべきだと語った。ウー世話役は2019年12月、党派性のない上院のため「野党」「野党党首」の役割を廃止する動議を提出した。それは全ての会派を同等に扱うことで、伝統的な二大政党対抗型の議会運営に終止符を打つものだったが、公式野党である保守党の怒りを買った。
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ハーダー上院政府代表、辞意を表明 [自由党]

 ピーター・ハーダー上院政府代表は11月29日、今年中に職を辞すると発表した。
 ジャスティン・トルドー氏は自由党党首に就任すると、党派性のない上院を実現するため、2014年1月上院議員を自由党幹部会から離脱させ、無所属議員とした。ところがトルドー首相は、下院では過半数を握っていたため法案を通過させても、上院には自由党議員がいないため、しばしば法案が滞ることになった。そこで首相は、従来設置されてきた上院院内総務に替わるものとして、自由党系上院議員に政府への賛成投票を促す「上院政府代表」に、無所属議員のハーダー氏を任命した。だが「上院自由党」が改組改変され「進歩上院の会」となり、「自由党提出の法案を支持する義務はない」とする声明を発表したため、上院政府代表は意味を失っていた。また無所属議員でありながら自由党政権の役職に任じられたことは、保守党議員からしばしば批判された。

 ハーダー氏は記者会見で、次のように述べた。
「上院政府代表として議会で仕えたことを、光栄に思う。」
「これは、重要な変化と機関の現代化の区切りである。」
「私がこうするのは、不満からではない。」
「上院はこの4年間で、より党派性のない、より独立した評価を得たと考えている。」
「それは、より透明な説明できる機関であり、選挙された下院を補完する院としての役割を効果的に演じた機関である。」
「その証拠として、最後の議会において、上院は政府提出の88の法案を吟味し、そのうちの32において修正案を送付し、そのうちの29において政府は修正案の全部または一部を受け容れた。」

 上院政府副代表だったディアーヌ・ベルマール議員は、進歩上院の会が結成された14日に辞職し、無所属の会に入会している。グラント・ミッチェル上院政府副代表は、ハーダー代表とともに辞職する。彼は、上院改革の過渡期に働けたことは喜びだったと語った。
「我々が目の当たりにした改革は、必要であり、良いことであり、歴史的なことだった。」
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トルドー内閣改造、フリーランド氏副首相に [自由党]

 2期目を迎えたトルドー首相は11月20日、大規模な内閣改造を行った。首相を除く閣僚は、34人から36人に拡大し、男女は同数である。

総理大臣 ジャスティン・トルドー
副総理大臣兼政府間関係大臣 クリスティア・フリーランド
復員軍人大臣兼国防副大臣 ローレンス・マコーレー
政府=先住民関係大臣 キャロリン・ベネット
枢密院議長 ドミニク・ルブラン
イノベーション・科学・産業大臣 ナブディープ・シン・ベインズ
財務大臣 ビル・モルノー
外務大臣 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ
家庭・児童・社会開発大臣 アーメド・ハッセン
運輸大臣 マルク・ガルノー
農務・農産食品大臣 マリー=クロード・ビボー
移民・難民・市民権大臣 マーコ・メンディチーノ
経済発展大臣兼公用語担当大臣 メラニー・ジョリー
歳入大臣 ディアーヌ・ルブティリエ
環境・気候変動大臣 ジョナサン・ウィルキンソン
国防大臣 ハルジット・サジャーン
天然資源大臣 シーマス・オリーガン
女性の地位・男女平等大臣兼地方経済開発大臣 マリヤム・モンセフ
公共サービス・調達大臣 アニータ・アナンド
中流階級繁栄大臣兼財務副大臣 モナ・フォルティエ
雇用・労働力開発・障害包含大臣 カーラ・クワルトロー
多様性・包含・青年大臣 バーディシュ・チャッガー
インフラ・地域社会大臣 キャサリン・マッケナ
国際開発大臣 カリナ・グールド
予算庁長官 ジャン=イブ・デュクロ
厚生大臣 パティ・ハイデュ
先住民サービス大臣 マーク・ミラー
下院院内総務 パブロ・ロドリゲス
公安・非常時対応準備大臣 ビル・ブレア
中小企業・輸出振興・国際貿易大臣 メアリー・ン
労働大臣 フィロメナ・タッシ
漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣 バーナデット・ジョーダン
法務大臣兼司法長官 デビッド・ラメッティ
民族遺産大臣 スティーブン・ギルボー
デジタル政府大臣 ジョイス・マレイ
シニア大臣 デブ・シュルツ
北方問題大臣 ダン・バンダル
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 重量級閣僚では、ビル・モルノー財務大臣とハルジット・サジャン国防大臣が留任したが、今回の改造では5つの注目すべき異動がある。

 (1) フリーランド氏、副首相に
 クリスティア・フリーランド外務大臣は、副首相兼政府間関係大臣に任命された。外務大臣から政府間関係大臣への異動は、副首相の肩書きなしには降格のように映るだろう。
 彼女はトルドー政権において、まず国際貿易大臣としてCETA(カナダ・EU自由貿易協定)をまとめあげ、首相の最も信頼する閣僚の一人となり、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を叫ぶトランプ大統領が就任すると、外務大臣に昇格した。政府間関係大臣は連邦政府と州政府の外交を担っており、アルバータ州のジェイソン・ケニー首相、サスカチュワン州のスコット・モウ首相、オンタリオ州のダグ・フォード首相など地方で続々と誕生する反トルドー政権との交渉を担うことになる。
 彼女の選挙区はトロントだが、アルバータ州ピースリバーで生まれ、少女期をエドモントンで過ごしている。彼女は1日「私のオリジナルは、誇り高いアルバータ人だ」と語っているが、アルバータとサスカチュワンから締め出され、それらの州から閣僚を任命できなくなったトルドー首相の苦肉の策でもある。
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 副首相は、現首相の父ピエール・トルドー首相によって1977年初めて任命された。ハーパー首相とジャスティン・トルドー首相は副首相を置かなかったので、副首相は14年ぶりに任命される。
 副首相には法律上の規定がなく、決まった任務もない。副首相の任務は一般に、首相が公務や外遊で不在のとき、閣議の議長を務め、議会の質問に答弁することだと考えられている。シーラ・コップス副首相は、引退後「副首相の職務は往々にして、議会での質疑応答から首相を保護することだった」と綴っている。
 アメリカで大統領が辞任もしくは死去した場合、副大統領が継承する規定があるが、カナダの副首相は首相が辞任もしくは死去した場合、その地位を自動的に継承する規定はない。不測の事態における首相職の継承については、閣僚の優先順位を定めておくことになっている。伝統的には、副首相か下院院内総務が継承順位1位になっていたが、トルドー政権では副党首のラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備大臣が継承順位1位に規定されていた。しかしメディアは、首相の幼馴染で側近のドミニク・ルブラン氏を政権ナンバー2とみなしてきた。
 カナダの首相が、総選挙の敗北によらず突然辞任した前例は、戦後ではない。ジョン・マクドナルド首相が1873年パシフィック・スキャンダルで辞任したとき、与党保守党は下野したので自由党に政権が移ったが、自由党は党首が落選していたため、後継総理を3人の候補に断られ、4人目のアレクサンダー・マッケンジーが受諾するという難産だったが、前首相死去の2日後に総理就任している。ジョン・アボット首相が1892年病気で辞任したときは、ジョン・トンプソンが11日後に総理就任している。マッケンジー・ボーウェル首相が1896年突然政権を投げ出したときは、チャールズ・タッパーが4日後に総理就任している。
 カナダの首相が現職で死去した例は、1891年のマクドナルドと1894年のトンプソンの2度ある。前者は10日後にアボットが、後者は9日後にボーウェルが後継総理に就任しているが、辞任と死去のいずれの例においても、全党員による党首選のない時代なので、後継総理は選挙で選ばれてなく、またいずれの例においても臨時首相は指名されていない。
 現代では、現職首相が突然辞任もしくは死去した場合、党首選で次の党首が選ばれるが、それには時間がかかることから、継承順位に従い臨時首相が総督によって指名されるだろう。ただし州レベルにおいては、臨時首相を置くことなく、与党幹部会で党首選が速やかに実施され、副総督によってただちに次の首相が指名されている。
 これまで、アラン・マキーチェン(ピエール・トルドー内閣)、ジャン・クレチエン(ターナー内閣)、エリック・ニールセン(マルローニ内閣)、ドン・マザンコウスキー(マルローニ内閣)、ジャン・シャレー(キャンベル内閣)、シーラ・コップス(クレチエン内閣)、ハーブ・グレイ(クレチエン内閣)、ジョン・マンリー(クレチエン内閣)、アン・マクレラン(マーチン内閣)の9人の副首相がいた。アメリカの副大統領には決まった任務がなく、しばしば実力者を祭り上げる目的に使われることがあるが、グレイ以外の副首相全員は、副首相以外の閣僚ポストを兼任していた。
 9人の副首相のうち4人が党首選に立候補し、コップスとマンリーは落選した。党首になれたのはシャレーとクレチエンの2人で、首相になれたのはクレチエンだけである。チャールズ・タッパー、リチャード・ベネット、ジョン・ターナー、ジャン・クレチエン、ポール・マーチンの5人の財務大臣が首相になったこととは対照的で、このことから副首相は、しばしば政権内ライバルを牽制する目的で設置されていることがわかる。

 (2) 注目の4人
 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ インフラ・地域社会大臣は、外務大臣に昇格した。中国で拘束されているマイケル・コブリグ氏マイケル・スパバー氏の解放が、彼の当面の課題である。
 当選6回のベテラン、パブロ・ロドリゲス民族遺産・多文化大臣は、下院院内総務に昇格した。安定政権から少数政権に転落したトルドー政権は、何を可決させるにも他党の協力が必要となる。下院院内総務の役割は、これまで以上に重要なものになるだろう。またケベック選出の彼は、ケベック副官も務める。
 キャサリン・マッケナ環境・気候変動大臣は、インフラ・地域社会大臣に異動する。アルバータ州のケニー首相は、マッケナ大臣を反パイプラインと決めつけ、彼女には別の任務が必要だと公然と主張した。この異動は、トルドー首相によるケニー首相への譲歩と見られる。
 シーマス・オリーガン先住民サービス大臣は、天然資源大臣に異動する。産油州のアルバータとサスカチュワンには自由党議員がいないが、彼は産油州ニューファンドランド&ラブラドル選出である。彼はまた、トルドー首相の親友として知られる。

 (3) 新入閣は7人
 スティーブン・ギルボー議員は、民族遺産大臣に任命された。グリーンピースなどの環境保護団体で活動してきた彼は、自由党の目玉候補として今年初めて立候補し、当選1回で大臣となった。彼は当然環境大臣に任命されると思われたが、それではアルバータとサスカチュワンの反発を招くため、回避したものと見られる。
 マーク・ミラー政府=先住民関係政務次官は、先住民サービス大臣に昇格した。彼は地道にモホーク語を学び、2017年に史上初めて連邦議会でモホーク語で演説した。
 マーコ・メンディチーノ政務次官は、移民・難民・市民権大臣に昇格した。
 デブ・シュルト議員は、シニア大臣に任命された。
 ダン・バンダル議員は、北方問題大臣に任命された。
 モナ・フォルティエ議員は、中流階級繁栄大臣兼財務副大臣に任命された。
 アニータ・アナンド議員は、公共サービス・調達大臣に任命された。彼女は、トロント大学で法学を教える教授である。

 (4) 閣外へ
 カースティ・ダンカン科学・スポーツ大臣は下院院内副総務に、ジネット・プティパ=テイラー厚生大臣は下院副幹事長に任じられ、閣外に去った。
 マニトバ選出のジム・カー国際貿易多様化大臣は、癌の治療に専念するため内閣から外れた。トルドー首相は、彼にいずれ中西部担当の任務を与えるつもりのようだ。
 ラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備大臣とアマルジート・ソーヒ天然資源大臣は、落選したため閣僚ポストを失った。

 (5) 他党の反応
 保守党のシーア党首は、自由党がアルバータとサスカチュワンから締め出され、安定政権から過半数割れに転落した選挙から首相は何も学ばなかったと評した。その証拠に、彼は著名な反パイプライン活動家を入閣させたと非難した。
 ケベック連合のブランシェ党首は、ギルボー氏の処遇に不満を述べた。
「トルドー首相はアルバータと向き合う勇気がなく、アルバータと彼の政府の間でこれ以上の憎悪をひき起こしたくなかったので、ギルボー氏が環境大臣に任じられなかったと、私は信じている。」
 対照的にアルバータ州のケニー首相は、ツイッターで歓迎の意を表明した。それはあたかも、連邦政府への勝利宣言のようだった。
「連邦内閣閣僚として今日宣誓した方々全員に、おめでとう。アルバータ州政府は、確実な資源開発を通して、雇用と成長を創出し、カナダの連合において公正さを確実にするための、共通基盤をと連邦政府とともに見出せるよう望んでいる。」
「私は特に、中西部特命大臣と、政府間関係大臣と、天然資源大臣とともに働くことを楽しみにしている。」
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カナダ上院の会に2議員移籍、「進歩上院の会」政党要件失う [自由党]

 カナダ上院の会に、保守党からジャン=ギ・ダジュネ上院議員と、進歩上院の会からパーシー・ダウン上院議員が加入すると、11月18日に発表した。これにより上院勢力は、無所属の会51、保守党24、カナダ上院の会13、進歩上院の会8、無所属4、欠員5(定数105議席)となり、進歩上院の会は助成要件を失う。
 ケベック代表のダジュネ上院議員は、シーア党首がケベックに低い優先順位しか与えず、同性婚や妊娠中絶問題を軽視して「大量流出」を招いたと語り、党首への不満をあらわにした。
「我々は唯一のチャンスを逃がした。そして党首と側近たちが留任するなら、次の結果も同じことになる。」

 かつてクレチエン首相の側近として働き、自由党上院議員として務めたダウン議員は、今後も自由党を支持すると語った。
「自由党(の上院会派)の終焉は、私にとって受け容れ難かった。」
「この前の連邦議会選挙のとき書いた小切手のように、私は今後もそうし続ける。カナダ上院の会には政治活動に関する規制がなく、そうする自由がある。」
 彼は、上院自由党が公認会派の要件を失う危機に直面しているとき、それを回避する方法について提案したが、結果は彼が望むような形ではなかったという。
 進歩上院の会のデイ暫定代表は、驚きと失望を隠さなかった。
「我々が先週の木曜日に新会派を結成することを、彼は確実に知っていて、彼はその日会派を抜けることを考えていたのだ。」
「我々は、15年間いっしょにやってきた。代表である私にも、会派の他のメンバーにも、誰にも相談なしにその決断をすることは、驚くべきことであり、深く失望している。」
 進歩上院の会は、来年早々に2議員の引退を控えており、このまま9人以下で新しい会計年度を迎えれば、41万ドルの助成金を受け取れなくなる。
 「かつての同僚たちに言うことはあるか」と問われ、ダウン議員は次のように語った。
「彼らは、関心を持つ何人かの議員の名を挙げている。彼らの将来について、私が言うのはまだ早いだろう。」
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「進歩上院の会」発足 [自由党]

 上院自由党のジョゼフ・デイ代表は11月14日、会派を解消し「進歩上院の会」を結成すると発表した。デイ代表が暫定代表に、テリー・マーサー副代表が暫定副代表となり、1月の幹部会で正式な代表・副代表・幹事長を選任する。これにより上院勢力は、無所属の会51、保守党25、カナダ上院の会11、進歩上院の会9、無所属4、欠員5(定数105)となった。無所属4人のうち2人は、自由党政権の役職に任じられたピーター・ハーダー上院政府代表とグラント・ミッチェル上院幹事長で、あとの2人はジョージ・フューレイ議長(元自由党)と、保守党を除名されたリン・ベヤック議員である。

 デイ代表は記者会見で語った。
「我々は常に進歩的で、独立した無所属議員であり、今我々のグループは真にその事実を反映する。」
 会派に入会する条件は、進歩的政策と「権利と自由」憲章と先住民との和解促進を支持することだけである。党議拘束はなく、自由党政権の法案を支持する義務もなく、それ以外の政策についてどのように活動するのも自由で、他党の党員資格を持つことも可能である。

 ジャスティン・トルドー氏は自由党党首に就任すると、党派性のない上院を実現するため、2014年1月上院議員を自由党幹部会から離脱させ、無所属議員とした。しかし彼らは院内で「上院自由党」の会派を称し、事実上自由党の別働隊として活動した。
 上院議員には定年制があり、75歳で引退しなければならない。そして上院規則では、助成金を得られる公認会派は9人以上の所属議員がいなければならない。上院自由党は、デイ議員、セルジュ・ジョワイヤル議員、リリアン・ディック議員の3名が2020年に定年を迎え、年間41万ドルの助成金を得られなくなる危機に直面していた。そこであえて自由党の看板を下ろし、進歩主義を掲げることで、他会派特に無所属の会の議員を引き抜くことを目論んでいる。

 トルドー首相が任命した「党派性のない」無所属上院議員たちは、その後の投票行動などを調査すると、自由党政権に従っていることが多く、その無党派性は疑問視されている。彼らのかなり多くは、無所属の会に属している。
 無所属の会のそのような性質に対し、反発するグループは4日、会派離脱して保守系の新会派「カナダ上院の会」を結成した。11人のメンバーは無所属の会から8人、保守党から2人、無所属から1人結集した。彼らのほとんどは、ハーパー首相に任命された上院議員たちである。
 スコット・タンナス暫定代表は、無所属の会が58人に拡大し、あまりに大きくなりすぎたため、「多数派の横暴」を防ぐための多様性が必要だと説明した。そのため会派は、25人を限度とすると定めた。
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モンセフ大臣、婚約を発表 [自由党]

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 マリヤム・モンセフ国際開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣(35歳)は、自身の誕生日である11月7日に、マット・デコーシー前下院議員(36歳)と婚約したと発表した。
 自由党はこの日、議員たちと落選した元議員たちによる幹部会を、オタワで召集した。デコーシー氏は家族とともにオンタリオに来て、彼女の地元オンタリオ州ピータボローで彼女の姉妹が経営するレストランでの祝宴に出席した。アフガン料理がふるまわれ、アフガニスタン出身のモンセフ大臣は、アフガンのドレスを着て踊った。
 二人はともに、2015年総選挙で初当選した。モンセフ氏は当選1回で民主機構大臣に任命され、デコーシー氏は下院選挙改革特別委員会委員となった。2019年総選挙ではモンセフ氏は当選、デコーシー氏は緑の党のジェニカ・アトウィン候補に敗れた。
 なおトルドー首相は、11月20日に内閣改造を行う。
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写真上:モンセフ大臣の手にキスするデコーシー氏。
写真下:右からマリヤム・モンセフ国際開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣、キャサリン・マッケナ環境・気候変動大臣、マット・デコーシー前下院議員、メラニー・ジョリー観光大臣兼公用語・フランコフォニー大臣(2016年撮影、肩書きは現在)。
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「連邦警察長官の夫はモルノー財務相のいとこ」の噂を否定 [自由党]

 連邦警察(RCMP)のブレンダ・ラッキー長官の夫が、ビル・モルノー財務大臣のいとこであるという噂がネットで広まった。連邦警察は、これを否定する声明を発表した。
 CBCの調査によると、噂は8月26日ころ、ツイッターに書かれたものが最初だという。噂の出所は、連邦警察のトップがトルドー政権重鎮の身内だから、SNC-ラバラン問題の調査が進まないのだと主張する。これらは退職した連邦警察官からの情報だというが、根拠は提示されていない。
 ところが解散・総選挙が現実化した9月10日、噂は急速に広まった。きっかけはグローブ&メイル紙の記事で、そこにはトルドー政権が、閣僚の守秘義務の解除を拒否して連邦警察の調査を妨害していると報じられている。実際に連邦警察は、総選挙が公示されたため調査を中断していると認めた。
 いくつかの個人サイトの中には、ラッキー長官自身がモルノー大臣のいとこと断言するものもあった。そしてこれらの情報は、保守党元スタッフがフェイスブック上で運営する保守サイト「アルバータ・カナダ・キャンペーン」に16日に取り上げられることによって、既成事実化した。
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 ブランドン大学でソーシャルメディアとセキュリティを研究するクリストファー・シュナイダー準教授は、この種の噂はある人々の信念に合致するので、初めから拡散する運命にあると説明した。
「事実であるか否かにかかわらず、この種の噂がすんなり収まることができる物語の筋書きは、すでに存在する。」
「彼らはそこに、ある種の不正や腐敗があると信じたいのだ。」
 彼は、噂の詳細は信じるに困難ではないが、証明するには困難だという性質を持つため、いっそう共有されやすいという。
「大手メディアがそれを調査し、その誤りを暴露しているときでさえ、必ずしもその流布と拡散を阻止できるわけではない。なぜなら人々は『特定の状況』において、それを信じていたいのだから。」


写真:フェイスブックのページから。右からブレンダ・ラッキー長官、ビル・モルノー財務大臣、ジャスティン・トルドー首相。
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保守党議員、トルドー首相を「イモ」と呼んで注意される [自由党]

 保守党のピエール・ポワリエーブル議員は5月1日、連邦議会でトルドー首相を「ジャガイモ」と呼んだことに対し、議長から呼ばないよう注意された。
 ジャスティン・トルドー(Trudeau:トゥルドー)首相は2016年、初めて中国を公式訪問したとき、苗字が中国語でジャガイモを意味する「土豆」(トゥードー)に似ていることから、中国人に「ジャガイモ」と呼ばれた。クリスティア・フリーランド国際貿易大臣(当時)はこれを、親愛の印と受け取り「気に入っている」と語っていた。
 ポワリエーブル議員は、中国政府によるカナダ市民の抑留、キャノーラの禁輸措置を挙げ、中国の指導者はトルドー首相を「ジャガイモ」と呼んで蔑んでいるのに、当人はこれを親愛の印と受け取っていると批判した。彼が首相を「ジャガイモ」と評したのは、これが3日連続だった。
 ジェフ・リーガン下院議長(元自由党、現在は無所属)はこれを侮辱と受け取り、「ジャガイモ」と呼ばないよう要請した。だが保守党のキャンディス・バーゲン下院幹事長は、首相が「ジャガイモ」と呼ばれている事実を引用しただけで、実際に首相をそう呼んだわけではないと反論した。
 リーガン議長は、最終的に裁定した。
「私は北京語や広東語を話せない。『ジャガイモ』が中国語でどのような意味を持つかについて、私は指摘することはできないが、我々はここで英語とフランス語を話す。文脈において、それが賛辞として使われたとは私には思えない。」
「それは私には侮辱と感じられた。そして議会において、誰一人に対しても侮辱が行われていいとは私は思わない。」

 下院では原則として、二大政党党首は「総理大臣」と「公式野党党首」と呼ばれる。だがこの日の質疑応答では、保守党議員の多くはトルドー首相を「総理」ではなく「自由党党首」と呼んだ。トルドー首相もまた、シーア党首を「保守党党首」と呼んだ。新民主党のアレクサンドル・ブレリス議員は、これらは規則に反してはいないが、相手の地位を低く見せる行為だと指摘した。
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ルブラン大臣、治療のため辞任 [自由党]

 ドミニク・ルブラン政府間関係大臣兼北方問題大臣は4月26日、治療のため内閣を一時去ると発表した。
 数週前に体調を崩した彼は、テストの結果非ホジキンリンパ腫と診断され、すでに治療を開始したという。数週で治療を終えて内閣に復帰し、次の総選挙にも出馬するという。
 彼の不在の間、臨時でビル・モルノー財務大臣が政府間関係大臣を、キャロリン・ベネット政府=先住民関係大臣が北方問題大臣を務める。
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フィルポット議員の支部で役員半数以上が辞任 [自由党]

 ジェーン・フィルポット議員の選挙区である自由党マーカム-スタフビル支部(オンタリオ州)の役員の半数以上が、4月8日に辞意を表明した。
 役員の一人であるリーア・ナットソンさんによると、8日に召集された会議において、役員16人のうち10人が辞意を表明、残る6人のうち5人は留任する意向で、最後の一人については不明だという。
 ナットソンさんは、インタビューに答えて語った。
「私にはもう、別の候補のために働く情熱がない。ジェーンは私たちにとって、スターだった。」
 彼女は、辞任は全くフィルポット議員との問題であり、トルドー首相への抗議ではないと強調した。
 同選挙区の有権者であるジョージ・スレッド氏は、たとえフィルポット議員が無所属で立候補しても投票すると語った。
「彼女はこの町に良くしてくれた。彼女はきっと、自分が正しいと信じたことのために立ち上がったのだと思う。彼女がここでもう一度立候補するなら、我々はきっとまた彼女に投票するだろう。」

 いっぽうウィルソン=レイボールド議員の選挙区バンクーバー・グランビル支部(ブリティッシュコロンビア州)は、役員全員が今年実施される総選挙に向けて邁進すると述べた。
「我々はバンクーバー・グランビル支部の役員として留まり、近日中に党本部と会談し、我々の進むべき道について話し合う。」
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