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モルノー財務相が辞任 [自由党]

 ビル・モルノー財務大臣は8月17日トルドー首相と会談し、大臣と議員を辞職する意向を告げた。モルノー財務相とトルドー首相はともに、WEチャリティを巡る汚職疑惑で調査の対象となっており、野党から辞任を要求されていた。
 モルノー財務相は、首相から辞任を求められていないと弁明した。
「私には、連邦議会選挙に二度より多く立候補する予定がなかった。」
「私が二度と立候補しない以上、そして我々が長く険しい回復をしていく以上、首相のそばにはより長く務める財務大臣がいるべきだと考える。」
「それが今、私が退くことが適切であると結論づけた理由である。」
 彼は、後任の財務相が決まりしだい辞任し、経済協力開発機構(OECD)の事務総長に立候補する意向を示した。

 カナダ学生サービス助成金制度は、新型コロナウイルス流行下において連邦政府が学生に9億1200万ドルの奨学金を支給するものである。トロントの非営利団体「WEチャリティ」が、連邦政府から4353万ドルの契約を受注した。
 利益相反法の精神に則れば、政府高官は公共事業に関与すべきではないが、トルドー首相一家はWEチャリティに大きく関与していた。首相夫人のソフィ・グレゴワール=トルドーさんは、一回の講演で謝礼1400ドルを得ていた。首相の母マーガレット・トルドーさんは28回の出演でギャラを25万ドル、首相の弟アレクサンドル・トルドー氏はギャラを3万2000ドル受け取っていた。トルドー首相はこれについて、妻も母もタレントなので驚かなかったと語った。
 モルノー財務相も、家族ぐるみでWEチャリティに関与していた。モルノー一家は同団体の経費でケニヤとエクアドルを旅行していたが、彼の娘グレイスさんは同団体の旅行部門職員で、娘クレアさんもボランティアだった。モルノー財務相は、調査されるまで旅費4万1366ドルを返還しなかった。
 首相と財務相は倫理委員会の調査対象となっているが、トルドー首相が倫理規定違反で調査対象となるのはこれで3度目となる。一度目は2017年、友人が所有する島でクリスマス休暇を過ごした件、二度目は2019年のSNC-ラバラン事件をめぐる司法介入疑惑である。

 新型コロナ対策の財政支出について、モルノー財務相とトルドー首相らの間には意見の相違があった。カナダ銀行のマーク・カーニー元総裁が財政顧問となったことで、近いうちに行われる内閣改造で彼が財務相に就くという噂が流れ、モルノー財務相は追いつめられていたという。最近では、財務相と首相の間の情報が出所不明のリーク合戦となり、誰かがモルノー氏を排除しようと画策した形跡がある。トルドー首相はごく最近「モルノー財務相に全幅の信頼を置いている」と、異例の声明を発表していた。
 匿名の政府高官は、財務相と首相の間の噂はヒートアップしすぎで、二人はしばしば一致できないこともあったが、モルノー氏は常に首相に忠実で、二人の間に「確執」などなかったと語った。

 保守党のシーア党首はツイッターで、モルノー氏の「辞任」は首相を守るためのトカゲの尻尾切りだと皮肉った。
「カナダ人が自分たちの健康とお金について心配しているとき、トルドー首相は血眼になって、自分を救うために自分の右腕を切り捨てている。」
 新民主党のシン党首もツイッターで、問題は財務相の交代では済まないと厳しく批判した。
「これはモルノー財務相の倫理的過ちではなく、首相が国民のためでなく自分自身のために働いたという過ちである。」
「この首相が倫理規定違反で調査されるのは3回目ということを、忘れてはならない。過去の2回は違反と認定された。大臣は任命したり辞めさせたりできるが、首相が規定を破り続けるなら、この政権のプライオリティは変わらないだろう。」

 後任の財務大臣については、カーニー元総裁が就任すると噂されていたが、ハフィントンポスト紙は「総理府はこれを否定した」と報じた。後任にはクリスティア・フリーランド副首相が有力視されている。
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