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新民主党、閣外協力へ [自由党]

 与党自由党と野党新民主党の首脳が3月21日、閣外協力の合意に達したと複数のメディアが報じた。
 トルドー首相は21日夕刻に緊急閣議を召集し、続いて自由党幹部会を召集した。新民主党も21日夜に幹部会を召集し、閣外協力の是非について議論した。両党とも、会議の内容について詳細に話すことはできないという。

 自由党が過半数を獲得できなかった2021年9月の総選挙直後から、両党は閣外協力について協議してきた。リークされた情報によると、自由党政権は新民主党の基幹政策を取り入れるかわりに、新民主党が自由党政権を2025年まで信任する。基幹政策とは、新民主党が長年訴えてきた薬剤保険・歯科保険・住宅補助・温暖化対策・先住民への賠償のことで、その財源として自由党政権は金融機関への増税を検討しているという。
 新民主党には閣僚ポストは配分されず、これは連立政権ではない。カナダは連邦レベルでは、連立政権が成立したことはない。

 与党自由党は過半数割れのため、いつ不信任されてもおかしくはないが、最大野党保守党は党首が辞任し、幹部会によって指名された暫定党首が就いている。党員による党首選で新しい党首が選出されるのは9月になるから、それまで保守党は内閣不信任しないだろうし、与党も解散しないのが慣例である。過半数割れの自由党政権は、予算案を成立させられなければ解散・総選挙に追い込まれるが、実際にはそのような心配はないことになる。

 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は、両党の動きを「トルドーが権力にしがみつくための企て以上の何物でもない」「密室での社会主義」と酷評した。
「世論形成は票の買収に、議会での討論は裏取引に、責任はご都合主義に置き換えられる。」

 ブリティッシュコロンビア州では2017年、新民主党に緑の党が4年間閣外協力する政権が成立した。だが新民主党は高支持率を背景に2020年、協定を破り解散・総選挙を行い、安定多数を獲得すると緑の党との協定を破棄した。
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