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財務相にフリーランド氏就任、連邦議会は停会に [自由党]

 ビル・モルノー財務大臣の辞意表明を受け、トルドー首相は8月18日、小規模な内閣改造を行った。クリスティア・フリーランド副首相兼政府間関係大臣が副首相兼財務大臣に、ドミニク・ルブラン枢密院議長が政府間関係大臣兼枢密院議長となる。モルノー氏は同日、財務大臣と下院議員を辞職し、引退した。
 女性で初めて財務大臣となったフリーランド氏は、次のように述べた。
「この国で、ガラスの天井に挑み続けている全ての女性に言いたい。頑張って下さい。私たちは、あなたたちとともにいます。」
「コロナウイルスによる経済的損失は、女性に打撃を与えています。特に母親たちには、大きな打撃となっています。」
「私たちは、女性の労働人口が鋭く落ちているのを見ています。そして我が国が取り組んでいるこの難問に、私は女性として、母としての経験を活かせる機会を得られることをうれしく思います。」
 保守党の財務担当ピエール・ポワリエーブル議員は、閣僚ポストをたらい回しする「椅子取りゲーム」は、政権の失敗を糊塗することにはならないと批判した。
「誰もが、スキャンダルがモルノー氏を倒したと知っている。」
 モルノー財務大臣とトルドー首相の間に意見の対立があったという噂を、彼はフィクションだと一蹴した。
 トルドー首相は内閣改造について、カナダと世界は新型コロナ渦で経済を立て直そうとする岐路にあり、現在直面している難問の担当としてフリーランド氏が適任だと説明した。

 なお首相と新任の大臣は、認証式のため総督公邸リドー・ホールを訪問したが、首相はこのときパイェット総督に議会の停会を上奏し、許可された。第43回連邦議会の第一セッションは18日で終了し、第2セッションは9月23日に召集される。この日までに成立しなかった法案は全て廃案となるが、新しいセッションで再提出可能である。なお連邦議会の委員会も全て終了し、新しいセッションで再編成される。
 首相は停会について、次のように説明した。
「8か月前に行ったスローン・スピーチには、新型コロナに関する言及がなかった。」
「我々は、よりよい回復のため政府の政策をリセットする必要がある。それは、大きく重要な決定である。そして我々はそれを議会に提出し、この野心的な計画について前進するために議会の信任を得る必要がある。」
 だが、首相の言い分を真に受ける人はいない。首相らは下院財務委員会と倫理委員会で調査の対象になっていることから、議会停会により調査が中断され、委員会もいったん解散され再編成されるのが真の狙いではないかと疑惑を持たれている。
 トルドー氏は2015年に、こう述べていた。
「未来の首相は、問題を回避するため停会に頼るべきではない。」
 その年の自由党の政見公約も、こう述べている。
「スティーブン・ハーパー首相は、困難な政治状況を避けるため、停会を使った。我々は、そうはしない。」
 ハーパー首相は連邦議会を、3度停会している。一度目は2008年10月、過半数を占める野党3党が連立協定に調印し内閣不信任しようとしたとき。二度目は2009年12月、バンクーバー・オリンピックの期間中に停会したが、アフガニスタン捕虜虐待問題の追及を免れるためだと批判された。三度目は2013年8月、議会出費スキャンダルの追及を免れるためだと批判された。
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