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ポワリエーブル党首、「ストレート・プライド」Tシャツの男性と記念撮影 [保守党]

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 カルガリー・スタンピードに参加したピエール・ポワリエーブル党首(カナダ保守党)とダニエル・スミス首相(アルバータ州/連合保守党)が、「ストレート・プライド」と書かれたTシャツの男性と記念撮影したことが判明した。両者とも、Tシャツに書かれたメッセージを支持していないと表明した。
 ともに写真に写っている男性は、身元が確認されていないが、緑色のTシャツを着て、その前面には「異性愛者としての存在に感謝しよう。ストレート・プライド」、背面には「良い人々は悪法に従わない」と書かれている。なおこの男性は、フリーダム・コンボイのとき「FUCK TRUDEAU」と書かれた旗を掲げていた人物である。
 夏に開催される「ゲイ・プライド」または「LGBTプライド」は、それらの人々の権利を擁護する運動だが、「ストレート・プライド」は異性愛者の権利を擁護する運動ではなく、主に右翼団体による、LGBTへの敵意を表明するカウンター運動である。
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 ポワリエーブル党首の秘書は、次のような声明を発表した。
「ポワリエーブル氏は、何百人もの人々と写真を撮った。問題の写真は、Tシャツの文字を読む前に撮られたものだ。」
「保守党は、人々が何者であろうと自由な国を建設する。性的指向にかかわらず。」
 ポワリエーブル党首の養父はゲイで、彼の「影の内閣」閣僚にはゲイとレズビアンがいる。彼は、ウガンダでは同性愛に最高10年の禁固刑が科せられることについて「恐ろしい暴虐」「カナダは外国からLGBTQ難民を移住させ続けなければならない」とも語っている。だが2000年代初頭には、同性婚に反対投票している。

 スミス首相は、以下のように語った。
「私は、LGBTQ+コミュニティの支持者である。私は、誰かのための政治的な広告になるつもりはない。私は、そのシャツに表明された意見に同意しない。」
「私はスタンピードで、何千枚もの写真を撮られた。このようなメッセージには、私は今後より注意深くしていくし、スタッフにも注意深くあるよう依頼する。」
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オトゥール前党首、引退を表明 [保守党]

 保守党のエリン・オトゥール前党首は3月31日、今のセッションが終了しだい議員を辞職し、政界から引退すると表明した。
 オトゥール氏は、ジョン・オトゥール州議の子としてモントリオールに生まれた。ロイヤル・ミリタリー・カレッジを卒業後空軍に務め、ダルハウジー大学で法学を学び弁護士となった。
 2012年、オンタリオ州ダラム選挙区の補選に出馬し政界入りし、当選4回。2015年には、ハーパー内閣の退役軍人大臣を務めた。
 2017年の党首選では3位に敗れたが、2020年の党首選では本命視されたマッケイ候補を破り当選した。彼は「真のブルー・トーリー」を掲げることで右派のポワリエーブル氏を不出馬に追い込み、また脱落したスローン候補やルイス候補の右派票を取り込んで最終的に勝利した。
 こうして右派に担がれて当選した彼だったが、党首に就くと総選挙に勝つため、右翼的政策・発言を抑制するようになる。2021年総選挙では、自由党と変わらないような政策を掲げて敗北し、支持者を失望させた。2022年1月に発生した「フリーダム・コンボイ」では、ポワリエーブル氏ら右派議員が積極的に支持したのに対し、オトゥール党首は「彼らの話を聞きたい」として支持を明確にしなかったため、右派議員が党首の信任投票を要求し、不信任した。
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バーゲン前党首が政界引退 [保守党]

 保守党のキャンディス・バーゲン前暫定党首は2月1日、下院議員を辞職し政界から引退した。彼女は同日ツイッターの動画で、次のように述べた。
「私が引退を決めたのは、私が疲れたからでも息切れしたからでもない。実のところは、正反対だ。私は希望に満ちていて、なおも充電されていると感じる。」
 だが彼女は、今後の身の振り方について何も語らなかった。

 バーゲン氏は2008年下院議員に当選(当時の名はキャンディス・ヘップナー。後に離婚して旧姓に復す)し、ハーパー内閣の閣僚を務めたほか、副党首・暫定党首も務めた。
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右翼活動家、ポワリエーブル夫人脅迫で捜査 [保守党]

 連邦警察(RCMP)は9月26日、保守党のポワリエーブル党首の妻アネイダ・ポワリエーブル夫人への脅迫について捜査していると発表した。
 右翼団体ダイアゴロンの代表ジェレミー・マッケンジー氏はソーシャルメディア「テレグラム」において、次のように語っている。
「彼女をレイプしよう。これは、実際は性的なものではない。我々は、我々がしたいことをするということを人々に見せたいだけだ。」

 ポワリエーブル党首は26日、ツイッターで以下の声明を発表した。
「正直に言うと、大多数のカナダ人と同様、私は1か月前までダイアゴロンとこれらの落ちこぼれどもを知らなかった。彼らは唾棄すべき存在だ。」
「この種の屑どもにとって、カナダに居場所はない。誰もこのような虐待に遭うべきではない。」
「人々は私の政治活動を攻撃し、私の悪口を言い、私の考えと私が支持するものに抗議することができる。だが妻と家族を脅すのは最低だ。私はそれを大目には見ない。家族のことはかまわないでほしい。」

 マッケンジー氏は2017年までカナダ陸軍にいて、アフガニスタンに駐留している。今年初めに発生したフリーダム・コンボイ運動への積極的参加で注目された。6月には、銃関連の容疑で起訴されている。彼は問題の発言について「そのときは飲んでいて、悪気はなかった」と語った。

 オンタリオ工科大学「憎悪・偏見・過激派センター」のバーバラ・ペリーさんは、彼ら白人至上主義者たちの考えをこう説明する。
「白人至上主義者たちは、有色人種との『内戦』の中にすでにいて、劣勢に立たされていると思い込んでいる。彼らは今こそ立ち上がり、諸州を白人優位州にしようと企図している。」
 ポワリエーブル氏は今月最大野党の党首選に勝利し、妻とともにメディアへの露出が増えた。彼はフリーダム・コンボイ運動に同情的だったが、アネイダ夫人がベネズエラ人のため、マッケンジー氏らは裏切られたと感じたかもしれない。
 アネイダ夫人はベネズエラ生まれでカナダに移住し、モントリオールで育った。ポワリエーブル党首は名前がフランス系だが、実はアイルランド系で、生まれてすぐフランス系の養子になっている。彼自身は白人至上主義を表明しないが、リベラルに対する好戦的な姿勢から、彼の支持者には白人至上主義者がいると見られている。党首選ではブラウン候補が、フリーダム・コンボイ運動を指導する右翼活動家を名指しで批判し「ピエールにも同じことをするよう呼びかける」と挑発した。
 「ニューヨーク・タイムズ」紙は、白人至上主義者はしばしばアジア系女性を好むと指摘した。白人至上主義者はたいてい反女権主義なため、小柄で従順で寡黙なアジア系女性を従わせるのは、彼らのポリシーに合致するのだという。

 ポワリエーブル氏は8月、イベントでマッケンジー氏と握手しているが、面識はないと強調した。
「私のイベントは公開のもので、登録なしに誰でも入ることができる。出席する全ての人の身元調査をすることは、不可能だ。」
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レイエ議員が離党、ポワリエーブル党首に不満 [保守党]

 保守党のアレン・レイエ議員は9月13日、保守党を離党し無所属となった。これにより下院勢力は、与党が自由党158、新民主党25、野党が保守党118、ケベック連合32、緑の党2、無所属2、欠員1(定数338議席)となった。
 レイエ議員はケベック州リッチモンド-アサバスカ選挙区選出で、党首選ではシャレー元ケベック州首相を支持していた。彼はツイッターで、ポワリエーブル党首選出により「法と秩序と環境問題について懸念が生じる」と説明した。
 ポワリエーブル党首は同日記者会見で、トルドー首相は記録的インフレと十分戦っていないと非難したが、レイエ議員の離党について問われるとこう答えた。
「彼は、ジャスティン・トルドーのインフレと戦わないことに決めたのだ。」
「ジャスティン・トルドーに押し付けられた赤字と税と戦うために、我々は働いている。レイエ氏の選挙区の市民も、同意する。彼らは、党首選で私に投票した。そして私は、幹部会に残る全ての保守党議員も同意すると信じている。」
 リッチモンド-アサバスカ選挙区では、53%がポワリエーブル候補に、42%がシャレー候補に投票した。

 ところがレイエ議員は翌14日、議員辞職を求める大量のボイスメールと電話が事務所に押し寄せ、業務の妨げになっていると訴えた。そして同日正午ころ「レイエ議員は、ポワリエーブル党首のチームの一員としてともにトルドー首相のインフレと戦うつもりがないので、電話とボイスメールで辞職を要求しろ」と訴えるボイスメールを、彼自身が受け取ったと語った。
「私はそれを見なければならなかった。それから私は、それが本当に本物なのか、それとも身分を偽った偽メールなのかと自問自答した。」
 しかし彼は、メールはやはり本物で、嫌がらせのために送られたのだと考えるようになった。
「私が辞任するなら、それは一部の党員が決めることではなく、私か有権者が決めることだ。」
「これがポワリエーブル氏のやり方なのか?」
「同僚議員が言うには、尻尾を巻いて服従しないなら、本物の保守党員ではないから、出て行ってもらう、と。」
 ケベック州で唯一ポワリエーブル氏を支持し、ケベック副官となったピエール・ポル=ウス議員は、これまでともに活動してきた元同僚と「戦争」はしたくないが、党内はレイエ議員への怒りに満ちていると語った。
「それは普通のことだ。彼は党内をかき回したのだから。」
 ポワリエーブル党首はこの騒動について、メディアの質問に答えなかった。だが保守党は「リッチモンド-アサバスカ選挙区の党員に本日送られた自動送信メールについて、お詫びする」という声明を発表した。
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保守党党首にポワリエーブル [保守党]

 保守党党首選は9月10日に予定どおり開票され、ピエール・ポワリエーブル元民主改革大臣・元雇用・社会開発大臣が第1回投票で68.2%を獲得し、当選した。今回もまたカナダ同盟出身者が当選し、進歩保守党出身者は勝てなかった。ポワリエーブル氏は338選挙区のうち、330選挙区で勝利した。対抗馬と見られていたジャン・シャレー元ケベック州首相は16.1%に終わり、8選挙区でしか勝利できなかった。唯一の社会保守主義者レスリン・ルイス議員は9.7%、ローマン・バーバー元州議は5.0%、スコット・エチソン議員は1.1%だった。

 ポワリエーブル新党首は当選直後の演説で、前任者がそうであったように、党首に就任するや方針を変えてしまうのではないかという疑念を明確に否定した。
「人々は、私に何を期待すべきかをわかっている。大きな転換はない。私は私のままである。」
 ピエール・ポワリエーブル氏は1979年、カルガリーで生まれた。母は16歳の未婚の母で、生まれてすぐに、フランス系カナダ人のポワリエーブル夫妻に養子に出された。彼は実の両親を知らずに育ち、幼少期より英仏2か国語を流暢に話した。新聞配達しながら高校に通い、カルガリー大学の学生時代に「総理になったらこうする」小論文コンテストで入選し、賞金1万ドルを獲得した。
 カルガリー大学保守党青年会の委員長を務めたが、ジョー・クラーク党首への支持を巡り、全国保守党青年同盟のパトリック・ブラウン代表と激しく対立した。この2人が2022年の保守党党首選で激しい舌戦を繰り広げたことは、因縁めいている。
 ポワリエーブル氏はその後改革党に入り、2004年総選挙で初当選。25歳の下院議員は、当時の議会で最年少だった。

 ポワリエーブル氏は、近年のポピュリストでは珍しく移民を敵視せず、市民を人種で分けて論じることはなかったが、全ての人を自分の敵か味方に分別する態度は若いころから一貫している。彼は自身をブルーカラーの味方と位置づけ、「オタワのエリート」「裕福なエリート」「支配するエリート」と「ウォーク(覚醒した人々)」を敵視する。
 今回の党首選では、インフレ抑制に失敗したとしてカナダ銀行総裁を解任すると公約した。そして「カナダを世界で最も自由な国にする」として、インターネットにおける発言を規制するC-11号法案に反対し、CBC(カナダ放送協会)への出資停止を公約した。また「フリーダム・コンボイ」を支持し、マスク着用義務とワクチン摂取義務に反対し、カナダ人を「監視(spying)」するアプリを広めた公衆衛生局を非難した。
 さらに、炭素税を廃止しパイプライン計画を推進する。そのうえ世界経済フォーラムを「億万長者の集会」「陰のグローバル・エリートたちが西洋世界を支配しようとするあらゆる陰謀論の根源」だとして、自分の組織する内閣では閣僚は出席しない(※保守党政権のベアード外相は出席した)と明言し、「カナダを支配から取り戻す」と誓った。彼はツイッターに、自分が政権を握れば「リベラルの門番と企業のオルガリヒたちは『サヨク泣き』するだろう」とさえ綴った。彼は、大学時代に小論文コンテストで「政府による規制を制限する」と書いたころと、変わっていない。

 トロント大学で政治学を教えるクリストファー・コックレイン准教授は、ポワリエーブル氏がフリーダム・コンボイを明確に支持することには驚かされるが、それは党首選に悪影響を与えていないようだと語った。
「選挙戦略の観点から見ると、彼らは自由党にリベラルな票を奪われる脅威より、人民党に票を奪われる脅威の方を重大に感じているようだ。」
「彼のメッセージは、彼が保守派以外の何者でもないことを示している。それらのメッセージは選挙において有利にも不利にも作用するはずだが、保守党の強固な支持者には響いているのだろう。」
 カルガリー大学で政治学を教えるジャン=クリストフ・ブシェ准教授は、保守党員たちはポワリエーブル氏の好戦性に魅かれたのだろうと語った。
「彼は『謝罪しない保守派』である。保守党員たちはこの人に、慰めを見出した。彼は誰かさんとは違うから。彼らは、彼が何のために立つのかを理解している。」
「保守党員がポワリエーブルを好む理由は、彼が立候補したときから変わらなかったからだ。」
 彼はまた、ポワリエーブルの語る経済的不満は、保守主義者よりむしろ左派に共鳴するのではないかと予測した。
「彼が保守党員の興味を魅くとは、私は思わない。実際は反エリートのメッセージを、ある種の左派の人々が受け容れると、私は考える。」
「ポワリエーブルは、不満を抱く左の有権者を魅了する可能性がある。インフレがそこにある理由、あなたが食料の代金を支払えない理由、インフレが進行する理由、あなたが裕福でない理由は、エリートたちのせいだと。」
 同じくカルガリー大学で政治学を教えるバリー・クーパー教授は、80年代に(史上最年少の28歳で)進歩保守党内閣の閣僚を務めていたシャレー氏の出馬に驚嘆した。
「彼は、きのうの人ではない。おとといの人である。」
「彼は魅力的な人物だが・・・(ケベック人の)シャレー率いる保守党が(筆者注※かつて実際そうだったように)アルバータとサスカチュワンで、そしてたぶんBCにおいて支持を大きく減らすことになるだろう。」
 コックレイン准教授も、シャレー氏の勇気を好意的に評価した。
「シャレーの出馬には、全く驚かされた。」
「進歩保守党候補が今回の選挙に出馬するのは、見込みがない。」
「彼の出馬によって、党首選で党に強い影響を与えたことは賞賛に値する。だが彼が、勝つ見込みがあると本気で最初から考えていたとしたら、私は非常に驚くだろう。」
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保守党のバーゲン党首、引退を表明 [保守党]

 保守党のキャンディス・バーゲン暫定党首は9月6日、次の総選挙に出馬せず引退すると発表した。
「9月10日以降に誰が私の地位を継承しようと、私は心から支えていく。カナダの保守運動の未来について、私は信じがたいほど楽観的だ。保守党が強く団結するとき、保守党は勝つ。」
 バーゲン党首は2008年下院議員に初当選(当時の名はキャンディス・ヘップナー。2011年に離婚)し、当選5回。ハーパー内閣で社会開発大臣を務め、2022年2月から暫定党首を務めている。

 なお保守党は現在、党首選の真っ最中である。投票は6日に締め切られ、集計がすでに始まっており、10日に結果が発表される予定になっているが、カナダ女王エリザベス二世が8日に崩御し、カナダは10日間喪に服することになったので、延期すべきという声が挙がっている。
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白人優位主義をめぐり党首選候補者たちが論戦 [保守党]

 ニューヨーク州バッファローで5月14日に起きた銃乱射事件は、ホワイト・リプレイスメント理論(白人を有色人種に置き換えて優位を奪おうとする陰謀論)に基づくヘイトクライムであり、黒人の多い地区を狙ったもので、被害者13人のうち11人が黒人だった。カナダ保守党は党首選の最中だが、本命視されているピエール・ポワリエーブル議員が右派に属し、その支持者には人種差別主義者がいると見られるため、この事件を巡り候補者どうしの非難合戦が激化している。

 党内左派のパトリック・ブラウン候補(ブランプトン市長)は15日、ツイッターにパット・キング氏の動画を掲示し、ポワリエーブル議員を挑発した。
「これが、ピエール・ポワリエーブルが支持したフリーダム・コンボイのリーダーで、バッファロー銃撃犯のマニフェストである危険な白人至上主義『ホワイト・リプレイスメント』陰謀論を広めたパット・キングである。私はこれを非難し、ピエールにも同じことをするよう呼びかける。」
 ポワリエーブル議員は16日、バッファローの事件とキング氏を非難する声明を発表した。
「全てのいかなる人種差別も邪悪で、止められなければならない。いわゆるホワイト・リプレイスメント理論を、醜悪で胸糞悪いヘイトを利用するものと私も非難する。私も、パット・キングと彼の醜悪な意見を非難する。」
 さらに、彼が以前フリーダム・コンボイ支持を表明したことについて弁明した。
「私は、生活のために抗議する平和的で法を遵守するトラック運転手を支持すると言った。法を破り、悪い行為にふけり、主要なインフラを封鎖した人々は非難する。」。

 ポワリエーブル議員はその後インタビューで、人々に訴えるため「単純な、アングロ・サクソンの言葉を使う」と語った。するとブラウン候補は18日、ポワリエーブル氏の真意を疑う電子メールを党員に送った。そこには次のように書かれていた。
「個人的には、ピエール・ポワリエーブルが人種差別的な見解を持つとは思っていない。だが彼が『単純なアングロ・サクソンの言葉を使う』と言うとき、彼は誰にアピールしているのか?彼は、誰を保守党に連れて来るつもりなのか?」
 それから彼は、ポワリエーブル議員の支持者が「ブラウンが勝つための戦略は、党員を民族的・宗教的少数派と入れ替える(replace)ことだ」と言ったと述べた。
 ところがメールを読んだ党員が同日、ブラウン陣営に驚くべきメールを返信した。
「あんたたちはメールを送る相手を間違えている。私はナチズムを信奉しているし、もし第二次大戦でアドルフ・ヒトラーが勝っていたら、中国人・韓国人などのアジア人、アフリカ人、ジャマイカ人などの糞野郎(Bullshit)を我らの偉大な国に入れることはなかった。奴らは存在していなかった。私はピエール・ポワリエーブルを支持する。」
 ブラウン陣営の参謀を務めるミシェル・レンペル・ガーナー議員は同日、このメールをツイッターで公表し、保守党に対しこの党員の除名を要求した。
 するとポワリエーブル議員は、人種差別を明確に非難し、差別主義者との関わりを否定した。
「私は全ての人種差別を拒否する。もしあなたが人種差別主義者なら、私はあなたの票が欲しくない。人種差別を促進する者は、我が党に居場所はなく、党員資格を失うべきである。」
 こうして彼は、自分が差別主義者だという疑惑を明確に否定したが、彼の支持者には差別主義者がいることは明白で、彼にとってはダメージになっただろう。
 保守党は22日、問題の党員が離党したため、調査は終了したと発表した。
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保守党党首選、6人が立候補 [保守党]

 保守党党首選の立候補者は、4月29日までに登録料15万ドル・保証金15万ドルと7以上の州・30以上の選挙区における推薦人500人分の署名を集めて提出しなければならない。同党は5月2日、スコット・エチソン下院議員、レスリン・ルイス下院議員、ピエール・ポワリエーブル下院議員、パトリック・ブラウン市長、ジャン・シャレー元州首相、ローマン・バーバー州議の6人の立候補を承認したと発表した。
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 リオナ・アレスレフ元副党首は出馬を表明していたが、締切までに資金を集められず撤退した。ジョゼフ・ブルゴー氏(実業家)、グラント・エブラハム弁護士、ジョエル・エティエンヌ弁護士の3名は、資金と署名を提出したにもかかわらず、失格と判定された。これら3名はいずれも社会保守主義者だったため、疑惑を招いている。
 ブルゴー氏は会社経営者だが、妊娠中絶に反対する圧力団体「キャンペーン・ライフ連合」に支援されていた。彼はまたワクチン義務化に反対し、フリーダム・コンボイにも参加していた。エブラハム氏は、自由党政権が提出した転換療法を禁止するC-4号法案を阻止できなかったことで、保守党を非難した。また彼は、ユダヤ=キリスト教の枠組みへの回帰と、世俗主義の終焉を呼びかけた。
 キャンペーン・ライフ連合のジャック・フォンセカ理事長は、党内左派が社会保守主義者を排除しようとしていると主張する。
「彼らは我々を排除しようとしている。これはレッド・トーリーがすることだ。レッド・トーリーは汚い。彼らは嘘つきで、フェアプレーを嫌っている。彼らは腐敗している。」
「それはただ、人々をマクシム・ベルニエと人民党の手中に追いやるだけだ。」
 立候補できた6人の中ではルイス議員が唯一の社会保守主義者で、性選択的中絶の禁止と中絶の犯罪化を主張している。フォンセカ氏は、彼女が唯一の望みだと語った。
「レスリン・ルイスを排除できるなら、彼らはそうするだろう。だが彼女はあまりに有名で、人気がありすぎる。彼女は、我々が信頼できるただ一人の候補だ。」
 エティエンヌ弁護士は、党から資金の支払いについてクレジットカードは認めない、また署名のいくつかは無効だと言われたと語った。だが無効と判断した理由については、説明されなかったという。
 選挙管理委員会のウェイン・ベンソン氏は、失格の判定は規則に基づくものであり、特定の信条によるものではないと説明した。
「いかなる候補についても、失格の理由について説明している。」
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保守党党首選、9月10日に [保守党]

 保守党は3月2日、党首選を9月10日に実施すると発表した。立候補者は、4月19日までに届け出なければならない。
 出馬を表明しているのはピエール・ポワリエーブル議員のみで、すでに議員たちの大半の支持を取りつけたとされているが、党内左派を中心にケベック州元首相のジャン・シャレー氏を推す声が上がっている。シャレー氏は、2020年党首選では出馬に乗り気だったが、選挙期間が短すぎたため断念した。今回も出馬を見込んで各方面と会談を重ね、選挙期間がどれくらいになるか見守っていたようだ。
 シャノン・スタッブズ議員は、シャレー氏が連邦自由党と歩調を合わせ、炭素税や長銃登録制を支持したことを批判した。
「私は、草の根の保守党員とともにいる。我々のリーダーは我々の価値を共有し、我々のポリシーを尊重しなければならない。私は炭素税と長銃登録制と増税に反対する。」
 ケベック連合のブランシェ党首は、ケベック州首相時代に汚職で捜査の対象となったシャレー氏が立候補すれば、ケベック州民が「後ろから襲いかかる」と警告した。
「うまいホッケー選手は、誰かが別の選手に後ろから襲いかかっている間にパックを運ぶ。」
 ケベック党前党首で政治評論家のジャン=フランソワ・リゼー氏は、保守党はイデオロギー的に分裂しており、一つはポワリエーブル氏のような右派で、もう一つはシャレー氏のような左派だと指摘した。彼は、ポワリエーブル氏とトランプ前大統領がフリーダム・コンボイを支持した点に注目した。
「党内には、親トランプ派と反トランプ派がある。」
「党首選は、保守党の精神を争うものになるだろう。」
 彼は「投票日が今日なら、ポワリエーブルが勝つだろう」と述べ、左派が勝つには、できるだけ長い選挙期間においてできるだけ多くの党員を獲得する必要があると語った。

 そのほか、2020年党首選で本命視されながら落選したピーター・マッケイ元法務大臣は、再出馬を検討しているという。
 2017年党首選で5位に敗れたマイケル・チョン議員は、出馬の可能性を除外してはいないが、保守党の外交問題担当として第一に重要なのはウクライナ紛争への対応であり、そして「第2に重要なのは、私が党と国家を助けるために何ができるかを今後考えることだ」と語った。
 2020年党首選で3位に敗れたレスリン・ルイス議員は「党首選に向けてチームを結成している」と語った。
 ブランプトン市長でオンタリオ進歩保守党元党首のパトリック・ブラウン氏も立候補に前向きで、「我々はより長い選挙期間を望んでいて、近いうちに決定する」と語った。
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保守党幹部会、オトゥール党首を不信任 [保守党]

 保守党は2月2日、下院幹部会(119人)でエリン・オトゥール党首の信任投票を行い、信任45票・不信任73票(スコット・リード幹部会議長は投票せず)で不信任した。オトゥール党首は即日辞任し、幹部会はキャンディス・バーゲン副党首を暫定党首に指名した。暫定党首の任期は党首選終了までで、党首選の日程は未定。なお暫定党首は、党首選に立候補できない。
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 2021年9月の総選挙で与党自由党は過半数を獲得できず、解散・総選挙はいつあるかわからない。保守党議員たちは、オトゥール党首のままで再度の総選挙に突入することに不安を覚え、主に党内右派を中心に党首降ろしの機会を狙っていたようだ。反対派は35名の署名を集め、信任投票を要請する文書を1月31日リード議長に提出し、2日に予定されている幹部会の会合で投票するよう訴えた。
 これを受けてオトゥール党首は、保守党には2つの道があると述べた。一つは「包括的で、楽観的で、多様な意見と希望」であり、もう一つは「怒れる、否定的で、極端な」道だと。彼は、前者は自分とともに前進する道であり、後者はデレク・スローンやランディ・ヒラーのような保守党を追放された極右とともに進む道であり、自由党に取って替わるよりむしろ抗議勢力となる「右の新民主党」への道だと語った。
 だが投票結果は、予想外の大差だった。リサ・レイト元副党首は、議員たちは定例の信任投票まで待つつもりもなければ、全党員の意見を聞く必要もないと考えていたのだろうと語った。
 ある保守党議員は、匿名を条件にこう語った。
「これは、彼が自分でしたことの結果だ。」
「彼は、幹部会に支持されることは何もしなかった。総選挙の後、議員たちの反応は、彼への支持ではなかった。それはむしろ、こういうものだった。『諸君、本当にもう一度こうしたいのか?』彼はその後も、彼らを味方につけるために何もしなかった。」
 オトゥール党首に近い匿名のベテラン議員は、今回の反乱は12月の議会を通過した転向療法(同性愛を病気とみなし、異性愛に「転向」するよう「治療」する行為で、医学的根拠はないとされる)禁止法案が原因だと説明した。彼によると、自由党政権提出の転向療法禁止法案に対し、保守党は抵抗せず、上下両院をあっさり通過させたばかりか、そのときオトゥール党首は議場になくラトビアを訪問していたので、いわゆる「転向療法派」、オトゥール党首の言う「極右」が激怒したのだという。
 妊娠中絶に反対する圧力団体「RightNow」のスコット・ヘイワード会長は、オトゥール降ろしを煽動したことを隠さなかった。
「我々は総選挙以来、改正法や党規約に依ると依らないとにかかわらず、議員たちや党評議委員たちや党員たちと、オトゥール氏を党首から引きずり降ろすために活動していた。」
 同じく中絶に反対する「キャンペーン・ライフ連合」のジェフ・ガンナーソン会長も、オトゥール党首への不満を並べ立てた。
「オトゥール氏は、妊娠中絶、LGBT問題、強圧的なロックダウン、有害なワクチンのための自由を破壊するパスポートに対する支持で、保守党の支持母体に対し背信行為を再三再四繰り返した。」
「このニセ保守派が、そろそろクビになってもいいころだろう。」
 マット・ジェネルー議員は、不信任票を投じたことをこう説明した。
「多くのカナダ人は、我々の立ち位置についてわかっていなかったと思うので、問題に関する二転三転が、信用を失うことにつながったと私は思う。」
 引退したトニー・クレメント元大臣は、党の将来を悲観した。
「保守党幹部会でこうなったことに、私は失望している。党は分裂し、混乱し、政権獲得の用意ができているにはほど遠い。」
 同じく引退したモンテ・ソルバーグ元大臣は、オトゥール党首が難問に直面し取り組んだことには同情すると語った。
「スティーブン・ハーパーはかつて、自分がこれまで務めた最悪の任務は最大野党党首だと言っていた。保守党は特にそうだと、私は思う。」
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写真:キャンディス・バーゲン暫定党首(左)とエリン・オトゥール前党首(右)。
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党首不信任を呼びかけたバッター議員を除名 [保守党]

 保守党は11月16日、エリン・オトゥール党首の信任投票を呼びかけたデニス・バッター上院議員を幹部会から除名した。これにより上院勢力は、無所属の会43、保守党18、進歩上院の会14、カナダ上院の会13、無所属6、欠員11(定数105議席)となった。
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 バッター議員は15日、党首の信任投票を求める嘆願書の署名をオンラインで集め始めた。そこには、オトゥール党首が炭素税・銃規制・良心の自由などの基幹政策について、明確な立場を示さなかったため都市部の議席を失ったと書かれていた。彼女はさらに、オトゥール氏は党首選では「本物のブルー・トーリー」と称していたのに、総選挙では左傾化し自由党と区別がつかなくなったと批判した。
「オトゥール党首は、同じ週、同じ日どころか、同じ文章の中でさえ党の方針を変えた。党員はそれに対し何の発言権もなかったが、彼のリーダーシップにおいて一致しなければならなかった。」
「我々は、我が党が引き裂かれるのを二度と見るわけにはいかない。我々が分断されるとき、自由党が勝つ。」
 党則では、総選挙で政権を獲得できず、かつ党首が辞任もしくは死去しなかった場合、最初の党大会で党首の信任投票が行われることになっているので、信任投票は2023年の党大会で実施される。だが党則は、党員の5%の署名があれば「いかなる問題についても」党員による投票を実施しなければならないと規定している。バッター議員の秘書は、オンライン嘆願書には1日で2000人の署名が集まったと発表した。
 いっぽうオトゥール党首を支持する議員たちは、反対派を挫くため、いわゆる「改正法」(カナダ選挙法とカナダ議会法を改正する法)の導入に賛同する議員24人の署名を集めたと発表した。これはマイケル・チョン議員が提出し2013年に成立させた法律で、党首の権限が強化される傾向がある中で、議員たちによって構成される幹部会に一定の権限を認めた法律である。各党は連邦議会の召集時に幹部会を開催し、改正法を導入するかどうかを投票で決める。導入される場合、幹部会は党首を不信任し、暫定党首を選任する法的根拠を得る。また特定の議員を幹部会から除名し、または加入させる権限を持つ。幹部会の20%が除名を求めるとき、幹部会は無記名投票を実施しなければならず、50%の同意があれば除名される。
 匿名の保守党議員は、オトゥール降ろしに加担する議員を除名することについて、すでに70人以上の同意を得た(保守党幹部会は下院119+上院19で計138人)と明かした。
 オトゥール党首は、改正法の導入について弁護した。
「マイケル・チョン氏が提出したときから、私は改正法を支持していた。私は2015年と2019年に賛成投票し、今日も導入するよう奨励した。」
 そして、除名の決断についても擁護した。
「カナダ保守党の党首として私は、個人的不信感や、堕落し壊滅的なトルドー政権を倒そうとしている保守党幹部会の努力に対し敬意を欠く態度を見せる行為を、容認することはできない。」
 メリッサ・ランツマン議員は「バッター議員は利口になった方がいい」と語った。
「我々は住宅危機、制御困難なインフレ、エネルギー問題と戦っている。それはまだ始まったばかりだ。これはカナダ人ではなく、ジャスティン・トルドーを助けることになる。」
 ミシェル・レンペル・ガーナー議員は、フェイスブックに次のように投稿した。
「私はこれに、非常にがっかりしている。自由党員が外に出て、シャンパンのケースを買い『デニス・バッターに乾杯』と祝っていると確信する。」
 バッター議員は、オトゥール党首は異論を封じ込めるため脅しを使っていると批判した。
「オトゥール党首が党員に支持されていると確信するなら、信任投票で民主的に党員の審判と向き合うことを、恐れる必要はない。」
 そして、オトゥール党首に異論を唱えているのは自分だけではないのに、自分だけが除名されたのはダブルスタンダードだと指摘した。
 マイケル・マクドナルド上院議員は10月4日、保守党議員たちに手紙を送り、オトゥール党首が中道寄りマニフェストを掲げたのは戦略的に誤りだと厳しく批判したが、幹部会を除名されてはいない。
「問題の一つは、総選挙終盤まで、党員証を持つ党員たちですら誰もエリンが何を主張しているかを知らなかったことだ。」
「彼は2017年党首選ではいくぶんレッド・トーリーとして戦い、2020年党首選では『本物のブルー・トーリー』として戦い、それから党首として党を左に寄せた。それゆえ人々は自問する。彼は何者なのか?中道のレッド・トーリーか、ブルー・トーリーか、それとも風向き次第で向きを変えるただの風見鶏なのか?と。」
 ある保守党議員は、オトゥール党首の報復を恐れ、匿名で語った。
「エリンにとって、これは終わりの始まりだろう。」
「これは、彼の弱さを示すものだ。真のリーダーなら『信任投票しようじゃないか』と言うだろう。自分にどれほどの支持があるかを見せるために。」
 彼はオトゥール党首を、民主化運動を抑え込むため戒厳令を施行したポーランドのヤルゼルスキに喩えた。
「彼は保守党の資金を用意し、党役員を用意し、公式野党党首のオフィスに就き、陰の内閣を組閣した。彼はそれらを、己の身を守るために用意した。だが彼は、民衆から自分を守ることはできない。」


写真:デニス・バッター上院議員(左)とエリン・オトゥール党首(右)。
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保守党内にオトゥール降ろしの動き [保守党]

 総選挙で最も多くの票を得たにもかかわらず、政権奪取に失敗したエリン・オトゥール党首に対し、保守党内部の評価は割れている。
 党役員のバート・チェン氏は、敗北が判明したその日のうちに、インターネット上でリーダーシップ・チェックを実施する嘆願書を公開し、4000人以上の署名を集めている。
 党の規約では「連邦議会総選挙後の最初の党大会において、党が政権を獲得せず、かつ党首が辞任する意向を表明しなかった場合」は、自動的にリーダーシップ・チェックが行われる。これとは別に、幹部会の20%の要求があるときは、リーダーシップ・チェックを実施しなければならない。不信任票が信任票を上回った場合、党首はその地位を失う。
 チェン氏の動きは党の規約に沿ったものではなく、保守党には、彼が役員の地位を濫用していると言う訴えも寄せられた。彼は10月14日、党員資格停止60日の処分を受けた。
 チェン氏は、多くの保守党員から「オトゥール党首に裏切られた」という声を聞いた。
「私は、カナダ人は整合性を重視すると思う。そして整合性とは、約束を守り、その上で一貫性を保つことだと思う。」
 党首選では保守党員だけが投票するが、総選挙は全有権者が投票する。そこで有権者の支持を得るため、保守党党首選では右寄りの政策を掲げ、総選挙では中道寄りに修正するというのはよくあることではある。オトゥール党首は党首選では「真のブルー・トーリー」と称し、均衡財政、自由党政権が掲げる炭素税や殺傷力の高い銃の禁止に反対と主張したが、総選挙が始まると掌を返し、自由党政権以上の財政出動と低炭素政策を打ち上げ、銃規制反対は単に撤回した。
 オトゥール党首は、右派有権者の多いトロント郊外を主戦場と見なし、ここに食い込むため中道寄りの政策を採ったのだろう。だがオンタリオでの得票は前回より改善されたものの、議席の大幅増にはつながらなかった。右派有権者の多い東部では、前回の4議席に対し今回は8議席で、トルドー内閣閣僚の3人を落選させる戦果を挙げたが、東部の議席は多くはない。むしろ、ワクチンの安全性に疑いを持つ右翼有権者を、人民党にごっそり奪われる結果となった。
 匿名の保守党議員は、オトゥール党首を明確に批判した。
「彼は総選挙を、自由党として戦った。議員からも党員からも、誰からの委任もなしに。」
「テレビ討論で彼を見るまで、どんな公約を掲げていたのか知らなかった」
「オトゥール党首は今回総選挙で、彼が進んだ道を行くことで極めて大きなリスクを冒した。そしてそのツケは、まだ支払われていない。彼は辞めるべきだ。」
 彼は保守党が今回総選挙で、都市議員や多様な議員を多く失ったことは「重大な懸念」だと述べた。
 シャノン・スタッブズ議員は、オトゥール党首は中道寄りマニフェストについて「厳しい質問」に直面するだろうと語った。
「現実は、2021年総選挙の後、保守党はより地方のものとなり、これまでより多様性を失ったということである。そして我々はこの国のあらゆる地域で、大都市の偉大な、強い、必要な同士を失った。」
保守党議員119人のうち、わずか7人が有色人種(BIPOC:Black, Indigenous or a Person of Colour)で、95%が白人である。総選挙前は、91%だった。自由党では、有色人種は30%以上となる。
 自由党は、カナダの最も大きな都市の25選挙区の全部に勝った。最も大きな都市の150選挙区では、73%に当たる109に勝った。保守党が勝ったのは23選挙区だった。
 カナダの3大都市MTV(モントリオール・トロント・バンクーバー)には、338選挙区のうち116選挙区があるが、自由党は74%に当たる86に勝った。保守党が勝ったのは8選挙区だった。
 保守党がより地方の、より白人のための党となり、多様性を失っていることは明らかだ。リサ・レイト元副党首のスタッフだったアンドリュー・ブランダー氏は、一度の敗北で党首を引きずり降ろすのは、危険な先例になると警告した。
「これは、最も多くの票と議席の3分の1を得た党首を引きずり降ろす2回目となる。」
 オトゥール党首のスタッフのメラニー・パラディ氏は、敵は党首ではなくトルドー政権だと強調した。
「保守党の内紛ほど自由党が好むものはない。」
「我々は、トルドー首相に戦いを挑むことに集中すべきだ。」
 オトゥール党首は、トルドー政権が過半数を獲得できなかった以上、もう一つの選挙は近いうちにあり、いつでも戦える用意があると語った。
「我々は、得たものから確認し、失ったものから学ぶ必要がある。どんなチームも、どんな家族も、失意のとき、そこから学び、一つにまとまる必要がある。」
「我々は、もう一度戦う準備ができていなければならない。」
 彼はトルドー首相が、新設された9月30日の「真実と和解の日」の祝日にブリティッシュコロンビア州トフィノで休暇を取り、批判された事実を挙げた。
「トルドー首相は、再選された最初の10日でカナダ人をすでに失望させたと思う。」
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保守党党首選のルールを変更 [保守党]

 保守党は党大会で3月19日、党首選のルールを変更した。
 旧ルールでは、338選挙区は全て100ポイントを有していた。党員は属する選挙区で好きな候補に投票し、選挙区で最も多くの票を獲得した候補が、得票数に関係なく100ポイントを獲得した。新ルールでは、投票総数が100票に満たない選挙区では、最も多くの票を獲得した候補が投票総数に等しいポイントを獲得する。

 単純に票数で争うのではなく、地域性が考慮されているのは、カナダ同盟が進歩保守党を吸収合併して保守党が結成されたという経緯に原因がある。カナダ同盟は西部を基盤としていたが、老舗の進歩保守党は西部の基盤をカナダ同盟に奪われ、オンタリオと東部を基盤にしていた。保守党は両派の合同を維持するため、少数派の旧進歩保守党グループを尊重する必要があった。しかし新党結成から20年間、選挙区平等を維持しようとする旧進歩保守党グループと、これを廃止しようとする旧カナダ同盟グループのせめぎ合いが続いた。なお、進歩保守党出身者が保守党党首選に当選したことはない。
 だが新党結成から20年経過し、ほとんどの議員が「保守党」出身者となり、カナダ同盟や進歩保守党の出身者はほとんどいなくなった。選挙区平等ルールが維持されてきた真の理由は、むしろ別のところにある。
 自由党は地方よりは都市で、また人口の少ない西部よりは人口の多い中部で支持されている。このような党では、地域を考慮せず単純に最も多くの票を獲得した人を当選者にしていい。だが保守党は都市よりは地方で、中部よりは西部で支持されている以上、単純な票数で決めると、都市や中部の意見ばかりまかり通ることになってしまう。そこで党員の数に関係なく、各選挙区を平等に扱うことで、党員数の少ない選挙区に有利に働く制度を採用したのだ。

 新ルールは、オンタリオとアルバータでは80%以上の賛成、サスカチュワンでは90%以上の賛成を得て成立したが、プリンスエドワード島とニューファンドランド&ラブラドルでは80%以上、ニューブランズウィックでは64%、ケベックでは62%、ユーコン・ノースウェスト・ヌナブートでは60%が反対と、党員数の多寡で明確に分かれた。過去2回の党首選では、投票総数1000票を超える選挙区のほとんどがオンタリオと西部だったのに対し、投票総数100票に満たない選挙区のほとんどはケベックと東部と北部だった。
 今回のルール変更は、2020年党首選に適用すると、59選挙区に影響を与える。そのうちケベックが52選挙区、ニューファンドランド&ラブラドルが2選挙区、ニューブランズウィックが2選挙区、マニトバが2選挙区、ヌナブートが1選挙区である。ケベック州の投票は、2020年党首選では23.1%の価値があったが、新ルールを適用すると18.2%の価値になる。ただし2020年党首選に新ルールを適用しても、結果は変わらない。
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保守党、スローン議員を除名 [保守党]

 保守党は1月20日幹部会で投票を行い、デレク・スローン下院議員を幹部会から除名した。スローン議員は無所属議員となる。彼は2020年党首選に立候補した際、著名なネオナチ活動家ポール・フロム氏から131ドルの政治献金を受けていたことで非難されていた。
 オトゥール党首は、彼が社会保守主義だから除名するのではないと説明した。
「我々は、多くの国民と同様に、議会において異なる性質を持つ議員たちを抱えている。」
「保守党は、あらゆるカナダ人を反映する大きな組織である。あらゆるバックグラウンドを持つ人が、我が党に居場所を持つ。」
「保守党幹部会は、特定の一行動ゆえでなく、1年以上にわたり保守党に対し無礼かつ破壊的言動を続けてきたことにより、デレク・スローンの除名を可決した。」
「これらの行動は、党を発展させる我々の努力と、我々がするべき任務に集中するのを逸らすものである。先週の問題は、単に最後の藁に過ぎない。」
 スローン議員は、献金は「フレデリック・P・フロム」名義で行われており、気づかなかったと主張した。そして、フロム氏が正式に入党し党首選で投票した事実を挙げ、党のやり方は偽善だと批判した。だが保守党広報のコリー・ハン氏は、フロム氏を入党させたのはスローン陣営であり、保守党は後に彼の党員資格を剥奪し、献金と党費を返金したと反論した。
 スローン議員はさらに、自分が追放された真の理由は、影響力があるからだと語った。
「『駱駝の背を折った最後の藁』(筆者注※「堪忍袋の緒が切れる」を意味する慣用句)というのは本当だ。党大会の開催が迫る中、私は多くの党員を獲得しているのだから。」
 3月に開催される党大会で、スローン議員は右翼的綱領を採択させるため、右翼や社会保守主義者を勧誘しており、党員名簿を入手し自動電話をかけた疑惑を持たれ、党が調査している。

 2020年党首選は、本命のマッケイ候補だけが左派で、ほかの3候補は右派だった。1回投票するごとに一人ずつ脚切りされるシステムにおいて、敗退した候補の票を獲得するには、オトゥール氏は右翼的政策を訴える必要があった。実際オトゥール氏は、スローン議員の数々の問題発言を、一貫してかばって来た。だが党首選は保守党員だけが投票するのに対し、総選挙は全国民が投票する。そこでオトゥール党首は、党首選では当選するため右寄りの政策を訴えても、総選挙では中道寄りに軌道を修正する必要があるだろう。
 スローン議員やルイス候補は、トランプ人気に便乗しトランプ・マニアの票を獲得するためわざと過激な主張をしていた形跡がある。だがトランプ氏は、議会暴動を扇動した疑いで弾劾訴追され、20日に退任した。一部の人々を熱狂させたトランピズムに終わりが見え、自由党が保守党にトランピズムのレッテル貼りを仕掛けるに至り、オトゥール党首はトランピズムとの訣別を宣言する必要に迫られた。彼は17日、議会暴動を「おぞましい」と非難したうえ、中絶容認・LGBTの権利・先住民との和解促進を宣言する声明を発表し「我が党に極右の居場所はない」と断言した。スローン議員の献金問題が報じられたのは、その声明発表の直前だった。

 2020年4月には、中国系のテレサ・タム公衆衛生局長に対し「カナダと中国のどちらのために働くのか」と問うて、党内で除名騒ぎに発展したが、このときは除名されなかった。
 だが12月には、連邦議会でオトゥール党首が政府に「コロナ・ワクチンの配布が遅い」と批判していたとき、スローン議員はワクチンの危険性を訴え、党首の面目を丸つぶれにした。

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図:「女性差別」「ホモ差別」「人種差別」、3つ揃うと保守党から除名。ほかの議員たちは一つか二つなのでセーフwwww
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オトゥール党首、影の内閣を発表 [保守党]

保守党のエリン・オトゥール党首は9月8日、影の内閣を発表した。
副党首にキャンディス・バーゲン元社会開発大臣、下院院内総務にジェラール・デルテル元ケベック民主行動党党首を任命した。
アンドリュー・シーア前党首はインフラ・地域社会担当に、新型コロナ対策で注目の厚生担当はミシェル・レンペル・ガーナー元西部経済多様化大臣が就いた。
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保守党党首にオトゥール:社会保守主義、存在感を示す [保守党]

 保守党党首選の集計結果が8月24日に確定し、エリン・オトゥール元退役軍人大臣が当選した。
 投票は21日に締め切られ、ただちに開票作業に入ったが、封筒が前回党首選より小さかったため、集計機が中の投票用紙を大量に噛んでしまい、手作業の集計となったことから、23日夕方に発表する予定が24日早朝にずれ込んだ。

 事前の予想では、マッケイ候補がリードするのをオトゥール候補が追う展開で、ルイス候補とスローン候補は泡沫候補と見られていたが、予想に反し前者3名の接戦となった。今回は保守党の根拠地である西部から候補がなく、マッケイ候補は東部、あとの3人はオンタリオ出身だった。またマッケイ候補だけがレッド・トーリー(保守左派)だったのに対し、あとの3人はブルー・トーリー(保守右派)だった。ゆえにマッケイ候補は、第1回投票で40%の獲得を目指していた。回が進むごとに最下位候補を足切りする方式なので、脱落した候補の票が自分以外に取り込まれる可能性が高いからだ。だが第1回投票の実際の得票は、マッケイ候補30.3%、オトゥール候補29.4%、ルイス候補24.7%、スローン候補15.6%となった。マッケイ候補は東部では強さを発揮したが、アルバータとケベックではオトゥール候補に大差をつけられた。
 スローン候補脱落を受けて、第2回投票で彼の票の3分の2は同じ社会保守主義のルイス候補に流れた。だが21%はオトゥール候補に流れたので、票数ではルイス候補35.2%、オトゥール候補33.2%、マッケイ候補31.6%となり、あっと驚くルイスの首位となったが、ポイント換算するとオトゥール候補35.2%、マッケイ候補34.8%、ルイス候補30.0%となり、オトゥール候補が首位となった。
 ルイス候補が脱落したが、彼女の支持者の3分の1は第3候補を選択していなかったため、第3回投票では無効票となった。残りの人々の5分の4は右派のオトゥール候補を第3候補としたため、オトゥール候補57.0%、マッケイ候補43.0%でオトゥール候補の当選が決まった。

 前回党首選では、本命視されたベルニエ候補があまりに斬新な改革案をぶち挙げたため、社会保守主義の票が知名度の低いシーア候補に集まり、ダークホースを当選させた。最終的にシーア候補を支持したトロスト候補やルミュー候補らは、今回は同じ社会保守主義のスローン候補やルイス候補を支持し、彼らが脱落すると最終的にオトゥール候補支持に回り、当選の原動力となった。2018年のオンタリオ進歩保守党党首選でも、社会保守主義はターニャ・グラニック・アレン候補を支持し、彼女が脱落するとダグ・フォード候補支持に回って、レッド・トーリのクリスティン・エリオット候補を破っている。社会保守主義は、今回党首選でも底力を見せつける結果となった。なお、カナダ同盟と進歩保守党が2003年に合併して成立したカナダ保守党の党首選は、全て右派が勝利しており、左派または進歩保守党出身者は一度も勝利していない。

 オトゥール候補は党首選に勝つため、「カナダを取り戻す」などの右翼的主張を繰り返した。だがカールトン大学で政治学を教えるジョナサン・モロイ教授は、総選挙に勝つには幅広い支持が必要で、党首選とは事情が違うと指摘した。
「スローン候補とルイス候補は、社会的保守主義陣営の反発力を示した。それでも彼らは、党内ではおそらく少数派で、一般市民の間では確実に少数派だ。」
「ハーパーは、社会保守主義の問題を党内で封印し、彼らを相手にしないことで効果的に党を率いた。シーアも、同じようにしようと努めた。だが世論は予想以上に進歩し、LGBTの問題を避けて通ることは彼には許されなかったが、社会保守主義の後押しで当選した彼には、社会保守主義を無視することが難しかった。」
 当選したオトゥール氏は、幅広い勢力の結集を訴えた。
「あなたが黒人だろうが白人だろうがブラウンだろうが、いかなる人種であろうが信条であろうが、LGBTだろうが異性愛者であろうが、先住民だろうが3週前の移民だろうが3代前の移民だろうが、うまくやっていようが何とかやっていようが、礼拝を金曜にしようが土曜にしようが日曜日にしようが一切しまいが、あなたはカナダの重要な一部であり、カナダ保守党に居場所がある。」
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保守党党首選、ルイス氏が台風の目 [保守党]

 アメリカでは8月11日、カマラ・ハリス上院議員が副大統領候補に指名された。女性として3人目、黒人では初めてである。
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 保守党党首選には4人の候補が立候補し、うち閣僚経験があり知名度の高いピーター・マッケイ元法務大臣とエリン・オトゥール元退役軍人大臣が本命と対抗と見なされているが、政治評論家の中にはレスリン・ルイス候補を台風の目と指摘する声がある。マル/ブルー社が7月28日に実施した支持率調査では、マッケイ候補51%、オトゥール候補25%、ルイス候補16%、デレク・スローン候補8%となっており、ルイス候補の人気が急上昇している。保守党は西部の、田舎の、白人の、男性の党だと思われているが、彼女はトロント出身の黒人で女性である。
 彼女は2015年下院選に落選したことを別にすれば、政治経験のない新人である。社会保守主義を自称するが、大学院で環境学を学んだ彼女は、討論会で単に炭素税に反対するだけではなく、代替プランを提示してみせた。同じ社会保守主義のデレク・スローン候補が過激な発言で評判を落としたことから、彼の支持者が今後ルイス候補に流れて行くものとみられる。これにより、彼女がオトゥール候補を上回り2位になることは夢ではない。2位になれれば、次の次を狙う人としてその株は急上昇することになるだろう。もし、スローン候補脱落前の第1回投票で2位につければ、あっと驚く大波乱が起きるかもしれない。
 ハーパー首相の相談役だったデニス・マシューズ氏は、彼女が保守党を刷新したいと思う党員たちを惹きつける可能性を指摘する。
「マッケイ氏とオトゥール氏は、保守党がここ20年間歩んで来たスタイルそのもので、何の新鮮味もない。保守党員の全員が社会保守主義ではなく、党員たちは彼女の意見に同意しないかもしれないが、彼女が何かを変えてくれると期待するかもしれない。」
 保守党党首選は21日に郵便投票が締め切られ、集計が終わりしだい結果が発表される。
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オトゥール議員の「カナダを取り戻す」が話題に [保守党]

 保守党党首選に立候補しているエリン・オトゥール議員は、6月10日にマニフェストを発表したが、スローガンの「カナダを取り戻す」(Take Canada back)が話題になっている。
 インターネットでは、様々な疑問や揶揄の声が挙がった。
「この国はあなたのものではない。」
「人種差別が問題になっているこの時期に、いったいカナダが誰に奪われたのか、はっきりさせてほしい。」
「カナダを取り戻すと言えるのは、先住民だけだ」
「エリン・オトゥールは、誰からカナダを取り戻すのか。ほかのカナダ人から?移民から?自由党から?左翼から?いったい彼は、カナダが誰に奪われたというのか?」
 またある人々は、それをトランプ大統領の「偉大なアメリカをもう一度」(Make America Great Again)と似たようなものだと考えた。作家のマリッサ・メルトン氏は2017年「トランプ氏の言葉は、それを人種差別的と捉えた人々の心には響かなかったが、別の集団の跋扈によって地位を奪われたと感じる人々の心には響いた」と語った。
 ハフィントン・ポスト紙は、オトゥール議員の事務所にスローガンの具体的意味について問い合わせたが、返答はないという。

 日本では2012年の総選挙で、安倍晋三総裁率いる自民党が「日本を取り戻す」のスローガンを掲げて圧勝している。
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シーア党首「米市民権を放棄しない」 [保守党]

 保守党のアンドリュー・シーア党首は5月17日、アメリカ市民権をまだ保持しており、それを放棄するつもりはないと語った。
 彼は2019年の選挙期間中に、カナダ首相の座を目指す以上、アメリカ市民権を放棄する手続きに入っていると公言した。だが総選挙敗北を受け、党首辞任を表明した以上、首相になる予定がないため、保持することにしたという。
 彼は2005年、フランス国籍を持つミカエル・ジャン総督が就任したとき、ブログに「彼女が二重国籍だったら、あなたは困るだろうか。彼女がフランス国籍でなくアメリカ国籍だったら、あなたは困るだろうか」と書いているが、これについて、ジャン氏を非難する意図はなく、読者に問いかけただけだと弁明した。
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