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ソウダス氏辞任に続き、アダムス議員を調査へ [保守党]

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 ハーパー首相は、イブ・アダムス下院議員の問題について保守党に調査を命じた。
 アダムス議員は、オンタリオ州ミシサウガ=ブランプトン・サウス選挙区選出の現職議員である。ところが彼女は、オークビル=バーリントン・ノース選挙区がナターリャ・リシュキナ氏を擁立しようとしているのを見て、保守党支部が個別訪問のための地図を作成するのを妨害したうえ、自分のための個別訪問をするよう要求した。
 アダムス議員の主張によると、彼女は婚約者で保守党本部長のディミトリ・ソウダス氏とすでにこの選挙区に移住しており、この選挙区から出馬する意向だという。問題は、彼女がこの選挙区の現職議員でもなければ、まだ正式に選挙区から擁立されてもいないということだ。次回総選挙では、オンタリオ州は定数が15議席増えるため、いくつかの選挙区が廃止され、新たな選挙区に区割りが改められることになった。オークビル=バーリントン・ノース選挙区もそうした新設選挙区の一つであり、現職議員は存在しない。それをアダムス議員は、保守党のデータベースにアクセスし、「現職議員」の特権としてオークビル=バーリントン・ノース選挙区の有権者に、自分を宣伝する電子メールを配布した。保守党の党則では、「現職議員」が党データベースにアクセスしたり、「選挙区」でメールを送ったりすることは違反ではないが、オークビル=バーリントン・ノース選挙区支部はこれを問題視し、ハーパー党首に直訴するに至った。

 保守党オークビル=バーリントン・ノース選挙区支部は3月19日、役員会議を招集した。ところがそこへアダムス議員が現れ、自分には参加する資格があると主張した。支部長は9度も立ち去るよう要請したが、聞き入れられず、戦慄を覚えたという。このとき何名かの人が、廊下でソウダス氏が待っているのを目撃した。
 そしてその翌日、オークビルの投資家が「イブ・アダムス議員のために」と称するパーティを開催し、「アダムス議員がオークビルの住民と語り合う」「ディミトリ・ソウダス本部長とピーター・ケント元環境大臣も出席する」という電子メールが、配布された。選挙区支部はついに、「このままでは支部の秩序が維持できない」として、支部長以下15名の役員が連署した直訴状を提出した。

 ソウダス氏は3月30日、一連の事件の関与を認め、保守党本部長を辞任した。彼はハーパー首相側近として、2006年の政権発足時より首相広報に携わり、首席報道官にまで登りつめた。2011年に辞任してからは、ハーパー首相に請われて保守党本部長となっていたが、突然の失脚となった。2013年5月には、マイク・ダフィー上院議員が不正に受給した経費の返還を、首相報道官のナイジェル・ライト氏が肩代わりしたことで辞任している。2014年3月には、ハーパー政権発足時より財務大臣を務めてきたジム・フラハティ氏が健康上の理由で辞任するなど、ハーパー政権を支えてきた大物たちが次々に退場する事態となっている。
 次の総選挙は、2015年10月までに実施されるが、各党はすでに候補者擁立に動き出すなど、すっかり総選挙モードに入っている。候補者擁立を巡るトラブルや、政権を支えてきた大物たちの相次ぐ退場が、ハーパー政権の行く末に暗い影を落としている。


写真:イブ・アダムス議員(左)とディミトリ・ソウダス本部長(右)。
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