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閣僚経験者の相次ぐ引退、何があったのか [保守党]

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 重要閣僚を務めたマッケイ法務大臣の突然の引退表明は、ジョン・ベアード前外務大臣の唐突な引退表明に続くものである。このほかシェリー・グラバー文化遺産大臣、クリスチャン・パラディ国際開発大臣、ダイアン・アブロンジー外務担当国務大臣、ゴードン・オコナー前下院院内幹事長などの閣僚経験者を含む30人以上の議員が引退を表明しており、保守党議員の実に18%にも及ぶ。
 新民主党のマルケア党首は5月29日、「このごろ多くの人々がスティーブン・ハーパーの船から脱出しているようだ」と揶揄した。トニー・クレメント予算庁長官は「我々の敵が大喜びで手を叩きながら、沈みゆくタイタニック号について話している」とコメントした。
 クレメント予算庁長官は、全ての閣僚は次の総選挙に出馬するかどうかを、何か月か前にハーパー首相に報告するよう要請されたと打ち明けた。マッケイ法務大臣は、ノバスコシア州セントラル・ノバ選挙区で擁立されている。だからハーパー首相は、彼が出馬すると当然思っていただろう。いったい何があったのだろうか。
 2月に突然引退したベアード外務大臣も、選挙区で擁立されていた。表向きは新しい人生を始めるということだったが、実際はウクライナ外交を巡り首相と対立したからだった。
 マッケイ法務大臣には幼い息子がいて、近いうちにもう一人の子が生まれる。彼が子供のころ両親が離婚し、父は政治家だったので不在がちだった。彼はつねづね、子供たちには同じ思いをさせたくないと繰り返し語ってきた。彼の言葉は、まんざら嘘ではなさそうだ。だが彼は、絶対に政界復帰しないかと問われ「絶対とは、絶対に言えない」と答えた。

 政治評論家のエリック・グルニエ氏は、こう解説した。
「東部におけるハーパー首相の支持率は、(伝統的に保守党が嫌われている)ケベックを含めカナダのどの地域よりも悪い。進歩保守党の名を背負う彼の旅立ちは、拍車をかけるだろう。」
 カナダ保守党は連邦組織だけで、地方の組織がない。同党は、各地の進歩保守党と提携している。カナダ保守党は東部で13議席を持っているが、世論調査で保守党は自由党に大きく差をつけられている。「最後の進歩保守党」ピーター・マッケイなしで、果たして議席を維持できるのか。
 ジャン・シャレー進歩保守党元党首は、こう語った。
「レッド・トーリーはいまだ健在なのかという疑問がある。我々は次の総選挙で、レッド・トーリーの居場所があるかどうかを見守る。」
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