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保守党支持率低下:ポスト・ハーパーの動き顕在化 [保守党]

 イプソス=リード社が2月14日から19日までに、1036人のカナダ人を対象としたオンライン世論調査は、カナダ人の68%が「政権交代の時期にさしかかっている」と考えていることを明らかにした。「保守党政権は再選されるべきだ」と考えている人は、32%だった。
 ハーパー政権を支持すると回答した人は、「強く支持」8%・「やや支持」36%の計44%に対し、支持しないと回答した人は、「やや不支持」29%・「強く不支持」27%の計56%となった。
 また、「もし選挙が明日実施されたらどの党に投票するか」という設問では、自由党37%、保守党29%、新民主党24%、未定18%という結果となった。

 保守党の支持率は低迷し、保守党政権が発足した2006年以降で最低となっている。総選挙は2015年10月までに実施されるが、自由党はトルドー党首に代わってから支持率を上げているため、保守党は党首を刷新しなければ総選挙を戦えなくなるかもしれない。
 フォーラム・リサーチ社が今年実施した世論調査は、次の保守党党首にふさわしい人物として以下の各氏の名を挙げた。
ピーター・マッケイ法務大臣(53%)
ジョン・ベアード外務大臣(45%)
ジェイソン・ケニー雇用及び社会開発大臣(37%)
トニー・クレメント予算庁長官(34%)
ブラッド・ウォール・サスカチュワン州首相(26%)
ジム・プレンティス元環境大臣(23%)
ジェームズ・ムーア産業大臣(16%)
マクシム・ベルニエ中小企業担当大臣(16%)

 ジム・プレンティス氏は元進歩保守党グループを代表し、ハーパー政権発足以来常にナンバー2の位置を占めてきたが、2010年に突如政界を引退した。次の党首選に立候補するため、死んだふりではないかとも噂されているが、定かではない。
 プレンティス氏の引退後は、進歩保守党の最後の党首を務めたマッケイ法務大臣が進歩保守党グループを代表してきた。彼はしばしばポスト・ハーパーに名を挙げられたが、交際していたベリンダ・ストロナック議員の離党(2005年)、私用で軍用ヘリを使い3万2000ドルを費やしたこと(2010年)、外遊中のホテル代に1泊1452ドル費やしたこと(2011年)、ステルス戦闘機F35の調達費用を見積もりより低く議会に報告したこと(2012年)などたびたび不祥事があり、2013年には政界引退の噂さえ流された。2013年の内閣改造で国防大臣から法務大臣に異動してからは、順調にやっているようだ。
 だが関係者の多くは、ポスト・ハーパーの最有力候補としてケニー雇用及び社会開発大臣の名を挙げる。
 彼の資金調達力は、他を圧倒している。彼はカルガリーを地盤としながら、オンタリオで莫大な資金を集めている。というのは、彼は長く移民大臣を務めてきたからである。ある中国系市民は、彼を「政界のジャスティン・ビーバー」とさえ呼んだ。
 保守党支持率低下の原因となった上院経費問題では、ケニー大臣は長い間沈黙を守っていた。ところが2013年11月、彼はハーパー首相の政治生命を見切ったのか、首相に逆らって突然渦中のナイジェル・ライト首席補佐官を「高い倫理感を持ち非常に有能な男性」と擁護した。また2014年2月には、予算案における雇用促進プログラムの扱いやトロントのフォード市長の処遇をめぐり、フラハティ財務大臣を批判し、党首選を意識した動きではないかとささやかれた。
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