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保守党支持率トップに [2021年下院選]

 CBCが8月29日に発表した政党支持率調査は、保守党32.9%、自由党31.8%、新民主党20.0%、ケベック連合6.1%、人民党4.3%、緑の党4.0%、その他2.1%となり、保守党が2020年2月以来初めて支持率トップに立った。2019年総選挙の得票率と比べると、新民主党が支持率を上げたのに対し、ケベック連合と緑の党は下げた。人民党は支持率で緑の党を上回った。
 ケベックでの支持率は、自由党34.3%、ケベック連合26.2%、保守党19.2%、新民主党13.0%、緑の党3.9%、その他3.4%だった。
 ここから導き出される予想獲得議席は、自由党143(123~173)、保守党129(107~149)、新民主党39(25~52)、ケベック連合26(19~31)、緑の党1(0~2)、その他0(0~1)(定数338議席、括弧内は最小値~最大値)となり、議席数では自由党が上回っている。保守党はわずかながら、過半数に達する可能性がある。
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ヘリヤ元国防相死去 [自由党]

 ポール・ヘリヤ元国防大臣が8月8日、死去した。98歳だった。
 1923年オンタリオ州ウォーターフォードに生まれ、1949年トロント大学を卒業。1949年自由党から出馬し、25歳の史上最年少で下院議員に当選した。
 1963年、ピアソン内閣の国防大臣に就任。海軍・陸軍・空軍の三軍を「カナダ軍」に統合した。
 1968年には自由党党首選に出馬。第1回投票で2位だったが、最終的に落選。ピエール・トルドーが当選して首相になると、運輸大臣に任命された。彼は古い住宅を取り壊し新しいものに置き換えるプログラムを推進したが、トルドー首相と対立し、1969年大臣を辞任。1971年には離党して新党「アクション・カナダ」を旗揚げした。この党は1年で解散した。
 1972年、スタンフィールド党首に招かれ進歩保守党に移籍。1976年党首選に出馬したが、あまりに右寄りだったため、第2回投票で早々と敗退。当選したのはジョー・クラークだった。
 1982年には自由党に復党するが、二度と議員に当選できず、政治的沈黙を保った。
 1992年に北米自由貿易協定(NAFTA)が締結されると、自由党も進歩保守党も自由貿易推進派となった。1997年にカナダ国民党が解散すると、彼は反自由貿易・反グローバリズムの選択肢を提供するため「カナダ行動党」(The Canadian Action Party/Parti action canadienne)を結党する。この党は一人も当選者を出すことができず、新民主党に合併を提示して拒否され、2004年に党首を辞任した。

 ヘリヤは著名なUFOビリーバーで、テレビで「少なくとも4種類のエイリアンが太陽系に到来し、土星の衛星・金星・火星に生息している」と語っている。1967年にはアルバータ州セントポールにUFO用着陸ポートを建設しているが、そこには「宇宙のいかなる訪問者もここに自由に安全に着陸できる」と刻まれている。
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下院を解散、9月20日総選挙へ [2021年下院選]

 トルドー首相は8月15日、総督公邸リドー・ホールを訪問し、下院の解散を上奏した。メアリ・サイモン総督はこれに同意し、9月20日の総選挙を公示した。第43回連邦議会は、ここに閉会する。転向療法(Conversion therapy:同性愛を病気とみなし転向を促す「治療」で、科学的根拠はないとされる)法案など、審議未了の法案は廃案となる。
 解散時勢力は自由党155、保守党119、ケベック連合32、新民主党24、緑の党2、無所属5、欠員1(定数338議席)。

 テレビの党首討論は、フランス語で9月8日、英語で9日に設定された。招待されるのは、有力政党の原則として党首であり、その党は(1)前回総選挙で自党から当選した議員を一人以上有し、(2)前回総選挙で得票率4%以上で、(3)解散から5日以上あとの世論調査で支持率4%以上を示すこと、のうちの2つ以上を満たす必要がある。現時点で満たしているのは下院に議席を持つ5党で、人民党やマーベリック党は招待されない。
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図:保守党近代化に取り組むエリン・オトゥール党首に対し、あくまでも転向療法に固執する議員たち。
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15日解散・9月20日総選挙か [2021年下院選]

 トルドー首相は沈黙を守っているが、メディアは「8月解散・9月総選挙」を既成事実のように語っている。CBCは8月12日、首相周辺の匿名人物から、首相が15日に総督公邸リドー・ホールを訪問し、下院の解散を上奏すると聞かされたと報じた。選挙期間は法律で36日以上と規定されており、投票日は9月20日になるという。

 トルドー首相は、野党が過半数を占める議会で立法を妨害されたと訴えていた。
 新民主党のシン党首は、サイモン総督に解散を拒否するよう要請する異例の手紙を書いた。そこには、トルドー政権は下院で不信任されてなく、新型コロナ流行の最中の総選挙を避けるべく政権を支えると書かれていた。彼は12日、セントジョンズでこう述べた。
「もしジャスティン・トルドーが人々の声に耳を傾け、彼らの不安と懸念を聞いていたら、利己的な夏の総選挙に走らなかっただろう。」
 保守党のオトゥール党首は、次のように述べた。
「私の今の最大の懸念は、新型コロナの第4波である。」
「我々は、総選挙に突入すべきでない。トルドー氏は常に、カナダ人の関心より先に自分の関心を置くように見える。」

 新型コロナ流行は、選挙運動や投票行為に影響を及ぼすだろう。大規模な集会や、戸別訪問はできるのだろうか。テレサ・タム公衆衛生局長は、カナダはワクチン接種率が高いため、安全に投票できると語った。
 いっぽう選挙管理委員会のステファン・ペロー氏は、郵便投票は前回総選挙の5万弱に比べ、今回は500万あると予想され、開票は投票日の翌日、集計には数日かかるだろうと語った。

 アバカス・データ社が8月6日から11日までに3000人の成人カナダ人を対象に実施した世論調査で、政党支持率は自由党37%、保守党28%、新民主党20%、ケベック連合5%、緑の党5%と、自由党過半数の可能性を示した。ケベックでは自由党37%、ケベック連合22%、保守党19%、新民主党12%だった。
 この時期の総選挙実施についてどう思うかという設問で、「民意を反映するチャンスなので良い」は38%、「しない方がいいが投票には影響しない」は44%、「不要なので反対」は17%だった。最後の17%のうち72%は、野党支持者だった。
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カナダ人スパバ氏に懲役11年 [中国]

 丹東市中級人民法院(地裁)は8月11日(現地時間)、カナダ人マイケル・スパバ被告にスパイ容疑で懲役11年・5万元(約85万円)の資産没収の判決を下した。
 スパバ氏はビジネスマンで、中国で活動していた。地裁は、彼が中国の機密情報を探り、外国に提供したと認定した。

 トルドー首相は「今日のスパバ氏への判決は、2年半以上にわたる恣意的な拘束、透明性を欠いた法的手続き、最低限の基準すら満たしていない裁判の結果出されたものだ」という声明を発表し、スパバ氏とマイケル・コブリグ氏の釈放を要求した。
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麻薬密輸のカナダ人に中国で死刑判決 [中国]

 遼寧省高級人民法院(高等裁判所)は8月10日(現地時間)、カナダ人ロバート・ロイド・シェレンバーグ被告の控訴を棄却し、地裁の死刑判決を支持した。中国は二審制で、最高人民法院(最高裁)の審査を経て死刑が確定する。
 シェレンバーグ被告は2014年11月、メタンフェタミン222キロの密輸に関与した容疑で逮捕され、大連市中級人民法院(地裁)は2018年11月、懲役15年の判決を言い渡した。検察が量刑が不当に軽いと訴えたため、高裁が地裁に差し戻し、地裁は2019年1月、死刑を宣告した。

 カナダでは2018年12月、ファーウェイ(華為)の孟晩舟副会長(CFO)の身柄が拘束された。中国はその数日後、中国に滞在していたカナダ人マイケル・スパバ氏とマイケル・コブリグ氏の身柄を拘束し、1か月後にはシェレンバーグ被告の刑を死刑に格上げした。これら3人のカナダ人に対する処遇は、孟氏への処遇の報復と考えられている。
 孟氏のアメリカへの引き渡しをめぐる裁判は、8月4日に始まった。事情通によると、スパイ容疑で起訴されたスパバ氏の裁判は、11日に判決が下される見込みだという。

 マルク・ガルノー外務大臣は、裁判を非難した。
「カナダは、ロバート・シェレンバーグに対する中国の死刑支持の判決を強く非難する。我々は、この冷酷で非人道的な刑罰に対する我々の確固たる反対を繰り返し中国に表明しており、シェレンバーグ氏に恩赦を与えるため、中国当局の最高レベルと関与し続ける。我々はあらゆる死刑に反対しており、シェレンバーグ氏への判決の恣意的な性質を非難する。」
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女子サッカー決勝進出、クイン初のトランスジェンダーメダリストに [東京五輪]

 女子サッカーのカナダ代表対アメリカ代表の準決勝が8月2日(日本時間)に行われ、カナダが1-0で勝ち決勝進出を決めた。
 カナダは2大会連続で銅メダルを獲得し、FIFAランキング8位の強豪だが、相手は同1位で女子ワールドカップ王者のアメリカだ。両チームとも守りを固め、0-0の拮抗が続くなか、後半でアメリカにファウルが出てPKとなり、カナダが貴重な1点を最後まで守り抜いた。

 これによりカナダ代表のクイン選手は、史上初の(公表された)トランスジェンダー・メダリストになることが確定した。
 クイン選手は1995年、ラグビー選手の父とバスケットボール選手の母の間に生まれ、「レベッカ・キャサリン・クイン」と命名された。ノースカロライナのデューク大学でサッカーをプレーし、2018年NWSL(女子プロサッカーリーグ)のワシントン・スピリットにカナダ人では最高のドラフト3位で入団した。
 2020年9月、トランスジェンダーであることをカミングアウトし、今後は自身の代名詞を(she/herではなく)they/themとし、名を名乗らず苗字だけを名乗ると宣言した。なお、theyは2016年のリオデジャネイロ大会でもカナダ代表となり、銅メダルを獲得しているが、カミングアウト前になる。
 東京五輪では、過去最多となる157名のLGBTQ+選手が出場した。そのうちクイン選手、スケートボードのアラナ・スミス選手(アメリカ)、重量挙げのローレル・ハバード選手(ニュージーランド)の3人が、ノンバイナリーである。日程の都合上、開会式前の7月21日に行われた女子サッカーのカナダ対日本戦に出場したクイン選手が、現行のオリンピックルール制定以降で初の(公表された)トランスジェンダー・オリンピアンとなった。theyはインスタグラムに、次のように書いた。
「初の公表されたトランス・オリンピアン。私は、どう言えばいいかわからない。」
「ラインアップに『クイン』の文字が、私の基準にかなって表示されているのを見て、誇らしく思う。私より前にオリンピック選手たちが、世間のゆえに、自分たちの真実を生きることができなかったことを、残念に思う。
私は、変化を楽観視している。法律の改正、規則、構造、そして通念の変化。たいていは、現実に突き当たる。スポーツ界から追放されたトランスジェンダーの女性たち。オリンピックの夢を追いながら、差別や偏見に直面しているトランスジェンダーの女性たち。この戦いに、終わりはまだ見えない。いつかみんながこの舞台に立てるとき、私は祝福したい。」
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 3人の中で、ハバード選手の出場はとりわけ物議を醸した。何より問題だったのは、彼女が筋力そのものを競う重量挙げの選手であり、性を男性から女性に変更していたことだった。アメリカのトランプ前大統領は「片手で勝てるだろう」と揶揄したが、彼女は2日敗退し、メダルを獲得できなかった。
(※Yahoo Japanでは、クイン選手の姓名を日本語で「レベッカ・クイン」、アルファベットでは「Quinn」と姓のみ表記している。)


写真:右からクイン選手、アリーシャ・チャップマン選手、長谷川唯選手。
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女子400mメドレーリレーでカナダが銅、オレクシアク五輪7冠 [東京五輪]

 8月1日(日本時間)に行われた競泳女子400メートルメドレーリレーで、カナダ代表(カイリー・マス=背泳、シドニー・ピックレム=平泳ぎ、マーガレット・マクニール=バタフライ、ペニー・オクレシアク=自由形)が銅メダルを獲得した。これでオレクシアク選手は、リオデジャネイロ大会のメダル4個と東京大会のメダル3個を合わせて、カナダ史上初の五輪7冠を達成した。優勝はオーストラリアで五輪新記録、カナダはカナダ新記録を達成した。小西杏奈・渡部香生子・池江璃花子・五十嵐千尋の日本は8位に終わった。
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 銀メダリストである先頭のマス選手は1位で終えたが、4人の中で唯一メダリストでないピックレム選手は、背泳が専門なのにリレーでは平泳ぎを担当した。彼女の出番でチームは大きく後退してしまったが、その後は金メダリストのマクニール選手と、銅メダリストのオレクシアク選手が追い上げ、無事に3位で入賞した。
 ピックレム選手はレース後のインタビューで“I was absolutely shitting myself”と答えて、チームメイトの爆笑を呼んだ。これで彼女も、メダリストの仲間入りだ。

 7個目のメダルへの期待は、オレクシアク選手にとって重圧となり、これまで2度の挑戦はいずれも4位に終わっていた。チームメイトは彼女に気を使い、メダルのことは口にしなかったという。
「これが個人種目でなかったことを、とてもうれしく思います。歴史を刻んだ彼女たちとともに自分も歴史を達成したと思うことが、10倍うれしいです。」
「これはチーム・カナダと競泳にとって、始まりにすぎません。私たちは2016年(のリオ大会)で若く、今もまだ若く、もうすぐピークに達します。」


写真:左からマス選手、ピックレム選手、マクニール選手、オクレシアク選手。
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