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女子サッカー決勝進出、クイン初のトランスジェンダーメダリストに [東京五輪]

 女子サッカーのカナダ代表対アメリカ代表の準決勝が8月2日(日本時間)に行われ、カナダが1-0で勝ち決勝進出を決めた。
 カナダは2大会連続で銅メダルを獲得し、FIFAランキング8位の強豪だが、相手は同1位で女子ワールドカップ王者のアメリカだ。両チームとも守りを固め、0-0の拮抗が続くなか、後半でアメリカにファウルが出てPKとなり、カナダが貴重な1点を最後まで守り抜いた。

 これによりカナダ代表のクイン選手は、史上初の(公表された)トランスジェンダー・メダリストになることが確定した。
 クイン選手は1995年、ラグビー選手の父とバスケットボール選手の母の間に生まれ、「レベッカ・キャサリン・クイン」と命名された。ノースカロライナのデューク大学でサッカーをプレーし、2018年NWSL(女子プロサッカーリーグ)のワシントン・スピリットにカナダ人では最高のドラフト3位で入団した。
 2020年9月、トランスジェンダーであることをカミングアウトし、今後は自身の代名詞を(she/herではなく)they/themとし、名を名乗らず苗字だけを名乗ると宣言した。なお、theyは2016年のリオデジャネイロ大会でもカナダ代表となり、銅メダルを獲得しているが、カミングアウト前になる。
 東京五輪では、過去最多となる157名のLGBTQ+選手が出場した。そのうちクイン選手、スケートボードのアラナ・スミス選手(アメリカ)、重量挙げのローレル・ハバード選手(ニュージーランド)の3人が、ノンバイナリーである。日程の都合上、開会式前の7月21日に行われた女子サッカーのカナダ対日本戦に出場したクイン選手が、現行のオリンピックルール制定以降で初の(公表された)トランスジェンダー・オリンピアンとなった。theyはインスタグラムに、次のように書いた。
「初の公表されたトランス・オリンピアン。私は、どう言えばいいかわからない。」
「ラインアップに『クイン』の文字が、私の基準にかなって表示されているのを見て、誇らしく思う。私より前にオリンピック選手たちが、世間のゆえに、自分たちの真実を生きることができなかったことを、残念に思う。
私は、変化を楽観視している。法律の改正、規則、構造、そして通念の変化。たいていは、現実に突き当たる。スポーツ界から追放されたトランスジェンダーの女性たち。オリンピックの夢を追いながら、差別や偏見に直面しているトランスジェンダーの女性たち。この戦いに、終わりはまだ見えない。いつかみんながこの舞台に立てるとき、私は祝福したい。」
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 3人の中で、ハバード選手の出場はとりわけ物議を醸した。何より問題だったのは、彼女が筋力そのものを競う重量挙げの選手であり、性を男性から女性に変更していたことだった。アメリカのトランプ前大統領は「片手で勝てるだろう」と揶揄したが、彼女は2日敗退し、メダルを獲得できなかった。
(※Yahoo Japanでは、クイン選手の姓名を日本語で「レベッカ・クイン」、アルファベットでは「Quinn」と姓のみ表記している。)


写真:右からクイン選手、アリーシャ・チャップマン選手、長谷川唯選手。
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