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緑の党党首にメイ&ペドノー [緑の党]

 緑の党の党首選が11月19日に開票され、エリザベス・メイ下院議員&ジョナサン・ペドノー組が得票率60.2%で当選した。メイ氏は2006年から党首を13年務めた知名度を活かし、圧勝した。なお党則には共同党首の規定はなく、両氏は党則の改正に取りかかる。現時点ではメイ氏が党首、ペドノー氏が副党首である。
 メイ新党首の言葉は、勝利したにもかかわらず歯切れが悪かった。
「新しい党首に就任する気持ちを、言葉にするのは難しい。」
「それは幾分デジャブーだが、ペドノー氏の存在は大きな違いだと言える。」
 投票率は有権者のわずか36%で、前回2020年の68.8%とは比べるまでもない。
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 アナミー・ポール前党首は、女性で黒人でユダヤ系でもあった。2021年5月にイスラエルがガザを空爆すると、彼女の相談役ノア・ザッツマン氏がツイッターにイスラエル支持発言を投稿した。党員の多くはこれを批判したが、ユダヤ系のポール党首は彼を処分しなかった。
 党内でポール党首の資質を問う声が挙がるなか、総選挙が実施された。ポール党首の主張によると、党理事会は選挙資金を提供しなかったという。ポール党首は落選し辞意表明したが、一部の党員から告訴されたため、辞意表明から1か月以上辞任せずにいたことから、辞意表明したにもかかわらず不信任投票される異常事態となり、ポール党首は辞任した。
 アミタ・カットナー氏が暫定党首に就任したが、theyはノン・バイナリーだった。オンライン集会でカットナー党首を誤った代名詞で紹介した件について、ロレイン・レックマンズ党理事長は謝罪したが、カットナー党首は「党には長年にわたる黒人・先住民・有色人種・2SLGBTQIA+への差別がある」と発言した。実はザッツマン氏も「緑の党の議員たちの中には、反ユダヤ主義や人種差別がある」と語っている。これらの批判を受けレックマンズ理事長は、党内差別について調査するので、党首選をいったん停止したいと語った。
 ところが所属議員全員であるメイ議員とマイク・モリス議員は、党首選を停止するなら緑の党会派を離脱すると表明した。レックマンズ理事長はこれを「脅迫」だと語り、2022年9月9日に辞任した。これに続き、党首選管理委員の3名が辞任した。党首選は第一回・第二回の二度に分けて行う予定だったが、一度に変更された。

 ペドノー氏は、緑の党が直面する困難を認めたが、成長への経路があると語った。
「カナダは、少数派が強く、賢く、巨大な利権を凌駕できる地である。」
「我々は、愛する人とともにより多くの時間を過ごすことを望む家族のための党である。我々は、億万長者は存在すべきでないと考える人々のための党である。我々は、この星を守っていくと強く決意する人々のための党である。」
 メイ氏も、抱負を次のように述べた。
「我々は、カナダ人に信頼される党となる。そして、ほかの誰かを当選させないために特別好きでもない誰かにまた投票するかわりに、熱意をこめて投票できる選択肢を、次の選挙の前にカナダ人に与える。」


写真:上段左からエリザベス・メイ議員(1位)、ジョナサン・ペドノー氏、セーラ・ガブリエル・バロン氏(4位)。下段左からアンナ・キーナン氏(2位)、チャド・ウォルコット氏、シモン・グノッチーニ=メシエ氏(3位)。
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