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ウィルソン=レイボールド氏を暴行する漫画に批判 [自由党]

 SNC-ラバラン社に関する疑惑と、ジョディ・ウィルソン=レイボールド前復員軍人大臣の辞任について、多くの漫画家が女性への暴力を描写した諷刺漫画を描いたことへの批判が高まっている。
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 マイケル・デ=アダー氏は、ザ・クロニクル・ヘラルド紙に漫画を描いた。それは、リングの上で口にテープを貼られ両手を縛られたウィルソン=レイボールド氏に対し、ユニフォームを着て準備万端のトルドー首相に側近のジェラルド・バッツ氏が「殴り続けろ、彼女は検察官の特権に縛られている」と囁いているものである。
 ジョアン・バーナード元州議は、漫画の取り下げを要求した。
「ジョディの背景を考えたら、彼女は先住民の女性である。この国で行方不明になり、また殺される先住民の女性については繊細な感情があり、いかなる方法・いかなる形状においてもこのような冗談は許されない。」
 2017年の政府統計によると、先住民の女性はそうでない女性に比べ、肉体的または性的暴行に3倍、殺人事件に7倍遭っている。なおカナダでは、非実在の漫画に描かれた人物に対してであっても、暴行は刑事罰の対象たりえる。トルドー首相をボクサーにたとえるのは、彼がパトリック・ブラゾー上院議員(この人も先住民)とボクシングをやって勝ったからだろう。
 ネット上では、彼の漫画を「女性に対する暴力を軽視している」「賢明でない」「おもしろくない」「ただぞっとするだけ」と評する声が挙がり、デ=アダー氏は謝罪した。
「漫画の意図は、自由党を攻撃することであり、ウィルソン=レイボールド氏を攻撃することではなかった。それは女性を怒らせたり、家庭内暴力や先住民の問題を矮小化したりするのが目的ではなかった。私は人間であり、間違いも犯す。今後は改善するよう努める。」
 彼は、ウィルソン=レイボールド氏とSNC-ラバラン社に関する漫画は描き続けるが、今後の作品は「意図しない第二の意味」を持つことはないと述べた。
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 いっぽうグレアム・マッケイ氏は、ハミルトン・スペクテイター紙に漫画を描いた。それは「SNC-ラバラン問題」のリングの上で、両手を縛られ「検察官の特権」という足枷をつけられ猿轡で口封じされたウィルソン=レイボールド氏に、トルドー首相が圧勝するものである。こちらの漫画は試合終了後のように見え、口と手足を封じられたウィルソン=レイボールド氏は勝負にならず、暴行された形跡は見当たらないが、マッケイ氏もまた「これがおもしろいと思うなら漫画家を辞めろ」「新聞社にマッケイ氏の謝罪を要求するメールを送った」「このような漫画家たちは、暴力と憎悪を促進しているので逮捕されるべき」という批判を浴びた。だが彼は「諷刺漫画は常に笑えるものとは限らない」と反論し、批判者たちは諷刺を理解していないと語った。
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 アンディ・ドネイト氏は、トロント・サン紙に漫画を描いた。それは、トルドー首相が手拭いでウィルソン=レイボールド氏の口を封じながら「ジョディ、何が言いたいんだい、話してくれよ」と迫るものである。連合保守党のジェイソン・ケニー党首はツイッターに「漫画は時に1000語の文章より雄弁に語る。今日のサン紙のアンディ・ドネイトがそうだ」と書いたが、そのあと彼を諷刺した漫画を多数貼られた。


図上:マイケル・デ=アダー氏がザ・クロニクル・ヘラルド紙に掲載した漫画。
図中:グレアム・マッケイ氏がハミルトン・スペクテイター紙に掲載した漫画。
図下:アンディ・ドネイト氏がトロント・サン紙に掲載した漫画。
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