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【世論調査】新民主党依然首位、保守党は浮動票を見込めず苦しい戦いに [2015年下院選]

 フォーラム・リサーチ社が8月20日、1473人のカナダ人有権者を対象に実施した世論調査は、ダフィー上院議員の裁判の影響か、3党デッドヒートから新民主党が頭一つ抜き出た状態を示した。
 政党支持率は新民主党34%、保守党29%、自由党28%、ケベック連合4%、緑の党4%、その他1%となった。ここから導き出される獲得議席数は、新民主党133、保守党123、自由党79、ケベック連合2、緑の党1(定数338議席)となり、新民主党が少数政権を樹立する見込みを示している。
 最も首相にふさわしい人物のアンケートでは、マルケア党首(新民主党)が29%、ハーパー首相(保守党)24%、トルドー党首(自由党)が21%、メイ党首(緑の党)が9%、デュセップ党首(ケベック連合)が4%、「選択肢の中にはいない」が7%となった。

(1) 地域性の偏り
 地域別の支持率は、東部では新民主党39%、自由党32%となり、自由党は全国唯一の地盤を失った。オンタリオでは保守党33%、自由党32%、新民主党31%と、3党が競り合っている。ケベックでは新民主党40%、自由党23%、ケベック連合17%、保守党16%となり、新民主党が有意な差を保っている。マニトバとサスカチュワンでは保守党42%、新民主党28%、アルバータでは保守党47%、新民主党27%と、保守党が大きくリードしている。ブリティッシュコロンビアでは新民主党39%、自由党28%、保守党24%と、新民主党が頭一つ抜き出ている。

(2) 年齢と性の偏り
 34歳以下の若年層では、新民主党が44%で最も支持されているのに対し、65歳以上の高齢層では、保守党が41%で最も支持されている。35~54歳の中年層では、自由党が34%で最も支持されている。
 新民主党の支持が男性17%・女性35%と女性に偏重しているのに対し、保守党は男性36%・女性24%と男性優位を示した。自由党支持は、男性38%・女性32%と偏りが見られなかった。

(3) 移ろいやすさ
 過去に保守党に投票したことのある人のうち、今回は12%が自由党、13%が新民主党に投票する。過去に自由党に投票したことのある人のうち、今回は24%が新民主党に投票する。過去に新民主党に投票したことのある人のうち、今回は16%が自由党に投票する。
 過去に自由党に投票したことのある人のうち、今回は保守党に投票するのは5%、過去に新民主党に投票したことのある人のうち、今回は保守党に投票するのは4%と非常に少ない。前者は、革新の新民主党政権を阻止するため保守党に投票する自由党右派「ブルー・リベラル」とでもいうべき存在である。
 連邦議会に議席を持つ党は、大政党3と小政党3の計6つだが、右派政党は保守党しかない。保守党支持者の77%、自由党支持者の63%、新民主党支持者の55%は、それぞれの党を「強く支持する」と回答した。
 保守党を第2候補とした人は、わずか8%だった。これは、保守党の支持率29%と合わせても彼らの最大支持率が37%にしかならないことを意味し、過半数獲得はほとんど不可能である。いっぽう自由党と新民主党は政策的に近いことから、互いの支持者はそれぞれもう一方へのスイッチが容易で、自由党を第2候補とした人は25%、新民主党を第2候補とした人は23%と大きな数字となっている。これは、最大支持率が自由党53%、新民主党57%であることを意味する。
 自由党支持者の17%と、新民主党支持者の18%は緑の党を第2候補とした。
 保守党に絶対に投票しない人は45%で、自由党に絶対に投票しない人13%、新民主党に絶対に投票しない人14%と比べると、異様に多い。保守党支持者のうち、自由党に絶対に投票しない人は30%、新民主党に絶対に投票しない人は40%だった。
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