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自由党、躍進するもまたもや第3党か [2015年下院選]

 自由党は、トルドー党首就任直後は非常に高い支持率を示したが、2014年10月から支持率をじりじりと下げ、最近の世論調査では保守党・新民主党との3党接戦となっている。
 イプソス=リード社のダレル・ブリッカー氏は、自由党がこの国のどこかで、特にケベックで強固な地盤を持たないかぎり、総選挙勝利はおろか野党第一党になることも難しいと指摘する。
 保守党は中西部に強固な地盤を持ち、その議席の大多数を獲得する。ここで自由党が議席を獲ることは、非常に難しい。自由党はトロントとその郊外に強固な地盤を持ち、その多くを獲得できる。新民主党はケベックで強く支持され、その議席の3分の2を獲れそうだ。東部では、進歩保守党出身のマッケイ法務大臣が引退したことにより、保守党の議席獲得は困難になってきた。新民主党も、ノバスコシアの新民主党政権が不評を買い政権を失ったことで、苦しい戦いとなる。自由党は東部で、大多数の議席を獲得できそうだ。
 問題は、議席の数がケベックが78、中西部62に対し、東部は32しかないことだ。総選挙に勝つには、東部の地盤だけでは足りないことは明らかで、自由党はケベックかオンタリオで食い込む以外に活路はない。
 自由党は、現有議席36の全てを維持できそうだ。さらに東部で、保守党の現有議席13の全てを奪取できそうだ。
 ケベックでは、自由党が強いモントリオールとウタウェ(オタワ郊外)で、新民主党から10議席を奪う。
 オンタリオでは、自由党は強固な地盤であるトロントの議席の大多数を手中にし、トロント周辺で保守党と激戦を繰り広げ、約20議席を新たに獲得する。さらに、ロンドン・キッチナー・ウォータールー・オタワで新たに約6議席を獲得する。
 中西部では、自由党は1979年以降議席をほとんど獲れていないが、ウィニペグ・カルガリー・エドモントンで約6議席増やせそうだ。
 ブリティッシュコロンビアでは、多くの選挙区が保守党対新民主党の構図になるだろうが、自由党は約6議席を新たに獲得する。
 次の総選挙では、定数が308から338に拡大する。オンタリオで15議席、ケベックで3議席、アルバータで6議席、ブリティッシュコロンビアで6議席増加する。自由党はオンタリオで6議席、ケベックで3議席、アルバータで0議席、ブリティッシュコロンビアで3議席を新たに獲得するだろう。その結果、自由党の獲得できる見込みの議席は109で、2006年以来実に9年ぶりに3ケタ議席を獲得することになる。
 だがブリッカー氏はこれを踏まえたうえで、自由党は新民主党がケベックで票を失えば野党第一党になれるが、そうならなかった場合、または新民主党が残りのカナダで票を維持すれば、再び第三党の地位に逆戻りするだろうという。
 自由党が与党だった1990年代、右派は分裂していたので、自由党は最も多くの議席を持つオンタリオでその大多数を獲ることができた。だが今は、右派は統一され左派が自由党・新民主党・ケベック連合・緑の党に分裂している。2011年総選挙では、オンタリオで左派票が自由党と新民主党に分散し、保守党が漁夫の利を得た選挙区が多かった。
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