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デュセップ氏がケベック連合党首に復帰、総選挙への影響は [ケベック]

 ケベック連合は6月10日、マリオ・ボリュー党首の辞任とジル・デュセップ元党首の党首就任を発表した。ボリュー氏は党代表に就任する。
 引退していたデュセップ氏は、当初この申し出を断ったが、6日にケベック党のペラドー党首と会談し「しっかり支える」と聞いて、翻意したという。
 党首に復帰したデュセップ氏は、総選挙を意識してさっそく他党を攻撃した。
「新民主党にとっては、第一にカナダのためであり、常ににカナダのためだった。」
「我々がケベックにいたとき、ハーパー氏は過半数を握っていなかった。ケベックでハーパーを叩き、残りのカナダで仕事をしようではないか。」
 ボリュー前党首は、デュセップ氏には知名度と専門知識があるが、自分には総選挙を前に党をまとめていく時が足りないと感じたと述べた。
 デュセップ氏の辞任は有権者の審判であり、ボリュー氏の当選も党員による民主的な選挙の結果である。ボリュー氏の辞任はともかく、デュセップ氏の党首就任は、何ら民意を得たものではない。一連の出来事は、役員会でまずボリュー氏の辞任を承認する投票が行われ、次にデュセップ氏の党首就任を承認する投票が行われたはずだが、政治評論家のジャン・ラピエール氏は、投票が本当に行われたかどうか疑わしいと言う。
「絶望的な状況では、絶望的な選択をするものだ。彼らが生き残るためなら、どんなことでも起こり得る。」
 これはヘイルメリー・パス(フットボールで負けているチームが、制限時間ぎりぎりで一か八かのロングパスを飛ばすこと)ではないかという指摘に対し、デュセップ党首は「ゲーム開始からヘイルメリー・パスを投げるチームは見たことがない」と否定した。

 各世論調査機関による5月の政党支持率調査は、保守党・自由党・新民主党による3党三つ巴の争いを示している。EKOSリサーチ社の調査では、保守党30%、新民主党29%、自由党27%。イプソス=リード社の調査では、保守党と自由党31%、新民主党30%。アバカス・データ社の調査では、保守党31%、新民主党と自由党28%となっている。
 2014年5月にレジェ・マーケンティング社が実施した世論調査は、デュセップ氏が党首の場合の政党支持率が29%になることを示した。スリーハンドレッドエイト・コム社はこのデータを適用して、ケベック州における政党支持率のシミュレーションを実施したところ、ケベック連合が29%、新民主党も29%、自由党22%、保守党15%という結果が出た。ここからさらに選挙区ごとのシミュレーションを行うと、ケベック連合17~40議席、新民主党13~39議席、自由党13~18議席、保守党8~9議席という結果が出た。
 デュセップ党首が最後に戦った2011年総選挙では、ケベック連合の得票率は23.4%だった。このデータを適用して再度シミュレーションを行うと、得票率と議席は新民主党31%(38~53議席)、自由党24%(13~20議席)、ケベック連合23.4%(1~13議席)、保守党17%(8~10議席)という結果が出た。
 EKOSリサーチ社の調査によると、ケベック連合支持者の第2の選択は、新民主党が圧倒的に多いという。誰よりも古く1996年から党首を務め、圧倒的な知名度を持つデュセップ氏の党首復帰で最も打撃を受けるのは、新民主党だろう。だがマルケア党首は、懸念を一蹴した。
「我々は、このような問題をすでに経験済みだ。私は35年間(※25年の誤りか)彼らと戦ってきた。私は、ケベック人がポジティブな変革を望むことを知っている。彼らはこれ以上、バック・トゥー・ザ・フューチャーⅣのゲームを続けるつもりはないだろう。」
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