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ケベック連合が新民主党の批判広告:宣誓式でのニカブ着用容認判決、政局に [人権]

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 連邦政府が2011年に制定した、市民権の宣誓式でニカブを脱ぐことを義務づけた法律に対し、イスラム教徒の女性が訴えていた問題で、連邦裁判所は2月6日、ニカブ着用を認める判決を下した。ハーパー首相は控訴の意向を述べたが、総選挙が近づいているせいかこれに各党が激しく反応し、政局になりそうな勢いを見せている。
 ハーパー首相は12日、以下のように述べた。
「カナダに加わろうとするまさにそのとき、自分のアイデンティティを隠す人がいたら、大多数のカナダ人は不快に思うだろう。それは、カナダ人にとって容認できない。」
 だが自由党のトルドー党首は、保守党は選挙の票を目当てにして、カナダ人のイスラム教徒への恐れに迎合していると批判した。また新民主党のマルケア党首は、「イスラム教徒はしばしば政治的スケープゴートにされる。私は心を痛めている」と述べた。
 するとケベック連合のマリオ・ボリュー党首は、マルケア党首の発言に過敏に反応した。彼はマルケア党首を「マルチカルチャー原理主義」「文化相対主義で世間を騒がせている」と評した。さらにケベック連合は、新民主党を批判する広告まで作り、25日にリリースした。それは「マルケア氏はニカブ着用を容認した。新民主党に投票する人は顔を隠すべきだろうか」と書かれた広告の下に、黒いニカブの眼窩を通して下院議場を見た写真が掲載されている。
 ケベック連合は結党以来、常にケベックの第一党だったが、2011年総選挙で新民主党に多くの議席を奪われ、わずか4議席の惨敗を喫した。ボリュー党首に代わってからも、依然として低支持率にあえいでいる。そこでケベック連合は、失地回復のためケベックの最大勢力である新民主党をターゲットにしたのだろう。
 ボリュー党首は「市民になるときは、投票するときと同じく、ヘジャブは脱ぐべきだと私は思う」と語った。
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