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性教育論争の最中に「進化論を信じない」 [教育]

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 性教育論争で紛糾するオンタリオ州議会で2月24日、リック・ニコルズ州議(オンタリオ進歩保守党)が「進化論を教えるべきでない」と発言したことが波紋を呼んでいる。

 ニコルズ州議の発言は、新しい性教育カリキュラムに関する論争に付随して飛び出した。同性愛を公言するキャスリン・ウィン首相(オンタリオ自由党)が推進する新しい性教育は、「性的嗜好」(同性愛か異性愛か)や性的偏見に関する教育を含んでいる。
 州議会でモント・マクノートン州議(オンタリオ進歩保守党)が、教師がこのような教育を拒否することを容認するよう学校に呼びかけると述べると、リズ・サンダルス文部大臣は、それなら教師が進化論を教えることを拒否することを容認するのかと問うた。するとニコルズ州議は、「その考えは悪くない」と発言した。
 ニコルズ州議は翌日、記者にこうコメントした。
「私個人は、進化論を信じない。しかしそれは、私の意見が党の見解を代表することを意味しない。それは、私個人の意見である。」
 エリック・ホスキンズ厚生大臣は、こう述べた。
「我々が学校で習っている進化論に疑問を抱く議員が、進歩保守党に一人いた。次は何を言い出すのか、想像もできない。きっと、人類は月に到達していないとでも言い出すのではないか。」

 さらにややこしいのは、オンタリオ進歩保守党は党首が辞任し、現在党首選の真っ只中にあることである。党首選立候補者たちがこれについて様々に発言し、州議会だけでなく党首選の争点にもなってきている。
 立候補しているマクノートン州議とパトリック・ブラウン下院議員(カナダ保守党)は、新しい性教育に反対を明言した。二人は、州議会のあるクイーンズ・パーク前で行われた反対デモに参加し、演説している。その集会には「手淫ではなく数学を、セックスではなく科学を(“Math Not Masturbation, Science Not Sex”)」「『安全なセックス』の次は『安全な獣姦』か?」といった過激なプラカードが掲げられた。
 だが党内の多くは、この問題への深入りを避けようとしているようだ。進歩保守党のスティーブ・クラーク院内総務は、記者にこう述べた。
「ニコルズ州議のきのうの議会での発言は、明らかに党の見解ではない。」
 進歩保守党のジム・ウィルソン暫定党首も、こう述べた。
「この種の意見を実際に聞くのは、これが初めてだ。ニコルズ州議には意見を言う権利があるが、私の知る大多数の進歩保守党議員は、それに同意しない。私は党首選立候補者に、何を言うべきかまたは言うべきでないかについて言及するつもりはない。私は中立を守る。彼はきっと、発言を後悔しているだろうと思う。」
 だが立候補しているクリスティン・エリオット州議(故ジム・フラハティ財務大臣未亡人)は、前の二人とは対照的に、態度を明確にするのを避けた。新しい性教育について問われた彼女は、こう答えた。
「私個人の意見は、この際問題ではない。我々がすべきことは、保護者の意見を聞き、コンセンサスを築くことだ。この時点で私が何かコメントするのは、時期尚早だ。」
 またマクノートン州議とニコルズ州議の言動については、こうコメントした。
「人は誰でも、自分の意見がある。彼らには、発言する権利がある。だが二人の見解は必ずしも、党全体の見解というわけではない。」
 そして進化論については、こう述べた。
「私は、進化論について発言された見解には同意しない。」
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