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十字架の撤去を求めトップレスに [ケベック]

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 ケベック州議会で10月1日、ケベック党政権が発表した「ケベック価値憲章」案に抗議して3人の女性がトップレスになり、警備員に取り押さえられた。

 ポリーヌ・マロワ首相が議会で答弁している最中、フェミニズム団体「フェメン」のメンバーが上着を脱いでトップレスになり、“Crucifix, décâlisse!”(十字架を撤去しろ!)と叫んだ。
 「フェメン」は女性差別・セックスの商品化に反対するフェミニズム団体として、2008年にウクライナで創設された。当初は女子大生が下着姿で抗議していたが、やがて上半身の裸体に抗議スローガンを書いて表示する手法が定着した。フェメンは、イスラム教徒による女性支配に抗議して「トップレス・ジハード」を行うと宣言しているため、イスラム教徒に攻撃的なケベック党には好意的に思われるかもしれないが、この日抗議したメンバーは、ケベック党政権が公共の場でのベールやニカブを禁止しておきながら、十字架は民族的遺産だから問題視しないというダブルスタンダードを糾弾した。
 上半身に“Crucifix, décâlisse”と書いて露出したジュリー=アン・ボーラックさんは、釈放された後こう語った。
「ケベックで聖教分離を進めるという憲章が、十字架を掲げた議会で審議されるというのは、完全に異常なことです」
 また先週、州議会のデュプレシ像の前でトップレスになり逮捕されたフェメンメンバーのモルガン・マリー=プリオさんは、こう述べた。
「十字架は、長い暗闇の時代を思い起こさせる。それは特に女性にとっては、つらい記憶である。政治と宗教の融合は、全く守るべき価値のある遺産ではない。」

 ケベック州議会に十字架が設置されたのは、祭政一致を志向した独裁者モリス・デュプレシ政権時代に始まった。彼の時代には、女性にとって最も重要なことは子を産むことだと言われてきた。デュプレシの死によって「静かな革命」が始まり、聖教分離と女性の地位向上が実現した。
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