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「パスタゲート事件」でフランス語擁護局長官が辞任 [ケベック]

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 ケベック州フランス語擁護局のルイーズ・マルシャン長官が、いわゆる「パスタゲート事件」から来る混乱の責任を取って3月8日、辞任した。
 ケベック党政権は2012年12月、フランス語憲章を強化しフランス語使用義務を高める14号法案を提出をした。これを受けてフランス語擁護局は2月14日、州内にあるイタリア料理店「ブオナノッテ」に対し、メニューに書かれている「パスタ」「カラマリ」など多数のイタリア語表記をフランス語に改めるよう指示した。するとアングロフォンを中心に反発した市民たちが、州内で大規模な反対運動を展開するようになった。抗議を受けたフランス語擁護局は、エスニック・レストランなどには柔軟に対応するという声明を発表し、規制の緩和を示唆した。
 これについてディアンヌ・ド=クールシ・フランス語憲章担当大臣は、次のように述べた。
「残念なことに、一部の行き過ぎた指導が非常に厳しい批判を招いた。これは望ましい結果ではなく、企業のためにも勤労者のためにもならず、フランコフォンのためにもアングロフォンのためにもならない。」

 14号法案は、従業員数25~49人の中小企業にもフランス語の使用を義務づけ、アングロフォン人口が50%以下の自治体からバイリンガル・ステータスを剥奪する。また現行のフランス語憲章は、州内の軍人の子弟は英語校に通う特権を認められているが、14号法案はこれも廃止する。
 ケベック党に関する著述で知られるジャーナリストで、カナダ公用語委員会のグレアム・フレーザー氏は次のように述べた。
「たとえ地域のアングロフォン・コミュニティが成長したとしても、それがフランコフォン・コミュニティを凌駕するようなことになれば、たちまち迫害されることになる。少数派の権利は、多数派の慈悲によって認められているということだ。」
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