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ルベール運輸相もケベック連合党員の前歴発覚、果てしない「分離主義」ゲーム [保守党]

 ケベック独立賛成派は自らを「主権派」(sovereignist)と呼ぶが、反対派は「分離主義者」(separatist)と呼ぶ。
 8月8日、ドニ・ルベール運輸・インフラ・地域社会大臣兼ケベック経済開発庁担当大臣にも、ケベック連合党員だった前歴があることが発覚した。ルベール運輸相は、分離主義勢力の強いケベック州ロベルバルの元市長であり、彼が1993年7月から2001年4月まで8年もの間、ケベック連合党員だったとしても驚くことではない。
 新民主党のテュルメル暫定党首にケベック連合党員だった前歴が発覚したとき、保守党は徹底的にこれを攻撃したが、今度は自党が非難される立場となった。
 保守党は、党首とそうでない者では影響力が違う、またルベール運輸相が離党したのは10年前だが、テュルメル暫定党首がケベック連帯を離党したのは先週だと抗弁した。だが新民主党はこれに納得せず、「偽善」「ダブルスタンダード」と噛みついている。「分離主義」のレッテル貼りゲームは、収束の兆しが見えない。
なお、保守党のミシェル・リバール上院議員はかつてケベック党の州会議員だったし、マクシム・ベルニエ中小企業・観光大臣はケベック党のベルナール・ランドリー元党首の側近だったことが知られているが、特に非難はされていない。また当然ながら、ケベック連合自体も「分離主義」の非難は受けていない。

 ケベック連合は、全体的には革新政党である。結党以来ずっとケベック州の第一党であり続けてきたが、2011年総選挙で4議席に転落し、その議席のほとんどを新民主党に奪われた。ケベックの有権者は長い間ケベック連合を支持してきたが、何も得るところがなく、同じ革新政党の新民主党に乗り換えたのである。当選した4人はいずれも、右派の議員であった。
 テュルメル暫定党首の前歴をリークしたのは、ケベック連合だった。彼らは保守党に反ケベック民族主義を煽動させ、新民主党にその踏み絵を踏ませることで、ケベックの革新層を新民主党から奪い返そうとしたのだ。これは2008年、野党3党が連合政権を築こうとしたとき、ハーパー首相が「分離主義と社会主義の連立」と口を極めて非難したときから続く、不毛な異端審問である。
 新民主党は「ガラスの家に住む者が、なぜ家の中で石を投げるのか」とコメントした。いっぽうケベック連合のビビアン・バルボ前下院議員は、ケベック連合の存在を否定するのはケベック有権者への侮辱であると語った。
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