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ルゴーの旗揚げ、大山鳴動して鼠一匹 [ケベック]

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 フランソワ・ルゴー前厚生・社会福祉大臣は2月21日、ケベック市で記者会見を行い、無党派政治団体「ケベックの未来のための連合」(La coalition pour l'avenir du Québec/the Coalition for Quebec’s Future)の結成と、マニフェストを発表した。それは、多くの期待をもって受けとめられた昨年10月の右派新党結党宣言から、大きく後退したものだった。
 ルゴーの新党は、独立論争に終止符を打ち、真にケベックの生活のために働く超党派のドリームチームを結成してくれるものと、結成前から世論調査で圧倒的な支持を受けていた。だがシャルル・シロワ氏(テレシステム最高経営責任者)とジャン=フランソ・シマール元環境大臣を伴った記者会見では、大物政治家の名は出なかった。ルゴーは明らかに、カリスマのルシエン・ブシャール元首相やモニク・ジェローム=フォルジェ元歳入委員長らを、引き入れることに失敗したのである。ルゴーは近いうちに、学者や財界人など17人のリストを公開すると述べたが、ブシャール元首相と相談したかについては回答を拒否した。また連合は、当面は政党にはならないが、将来の結党の可能性については排除しなかった。

 発表されたマニフェストは、ケベックの聖域にメスを入れるというかつての宣言から大きく後退し、教員への昇給、教育制度の分権化、ヘルスケアの経費削減、医師増員への反対など、既成政党によってすでに発表されたものばかりだった。また、水力発電による増収を図ることで公共サービスを向上させるという公約は削除されたため、財源はどうやって得るのかは判然としなかった。
 連合は、連邦主義対分離主義の対立軸を放棄し、「民族主義」を採用する。

 「ル・ケベコワ・リーブル」編集者のマルタン・マッス氏は、「ルゴーの連合は、自由党と何も違わないようだ」と語った。


写真:フランソワ・ルゴー(左)とシャルル・シロワ(右)。
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