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オダ大臣、KAIROSと交わした文書の偽造を認める [保守党]

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 KAIROSは、カナダの11のキリスト教団を母体として設立されたNGO団体である。アジア・アフリカ・ラテンアメリカの発展途上国において、人権問題・先住民問題・持続可能な環境運動などに取り組んでおり、世界でおよそ100の市民団体とパートナーシップを結んでいる。
 カナダ国際開発庁(CIDA)はKAIROSに対し、資金援助を36年間にわたり続けてきたが、2009年に突如これを打ち切った。ビバリー・オダ国際協力大臣がKAIROSと交わした同意書には、“Recommendation - That you sign below to indicate you approve a contribution of $7,098,758, over four years for the above program.”(以下の署名に示すとおり、上述のプログラムのため4年にわたり709万8758ドルの寄付を認可するよう勧告する)と書かれていたが、“approve”の前に“not”の文字が手書きで不自然に挿入されていた。これについてオダ国際協力大臣は2010年12月、連邦議会で「誰がやったのかわからない」と答弁していたが、2月14日に連邦議会の外務委員会で、署名済みの同意書に自分が、“not”の文字を挿入するようスタッフに指示したと認めた。
 こうして事件は、現役の閣僚が文書偽造と議会での偽証を問われるという前代未聞の展開となった。外務委員会の野党議員は、オダ国際協力大臣を議会侮辱罪で告発する準備を始めた。しかし保守党は、オダ国際協力大臣は“not”の文字を挿入したのが誰なのか現に知らないのだから、自分が指示したと認めた答弁との間には、矛盾もなければ嘘もないとして彼女を擁護した。
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 ハーパー政権は発足以来、一貫してイスラエル寄りの政策を採り続けてきた。KAIROSへの資金援助打ち切りは、保守党に同調的でない団体への見せしめではないかという論争をまきおこした。
 ジェイソン・ケニー移民大臣は2009年12月、エルサレムで開催された反ユダヤ主義に反対する国際フォーラムで「政府は、不買運動・投資の撤収・経済制裁などのキャンペーンにおいて主導的役割を担っているKAIROSのような組織に対し、援助を打ち切った」と語り、KAIROSは反ユダヤ団体だと指弾した。
826e369d4c84ad597cb388872549.jpg だがKAIROSのジャネット・ヘンリー氏は、KAIROSはアフリカやラテンアメリカでも政府批判をしてきたのと同様にイスラエル政府を批判しているのであり、またイスラエル人の平和で安全に暮らす権利が脅かされてはならないことは、パレスチナ人にも安全に共存する権利があるのと同様であると説明した。そしてガザ紛争終結後の2009年に、KAIROSが対イスラエル不買運動・投資の撤収・経済制裁を主導したというケニー移民大臣の誤った判断が、援助打ち切りに影響したのではないかと語った。
「彼らは反ユダヤ主義に対抗する仮面を被り、イスラエル政府への抗議活動に反ユダヤ主義のレッテルを貼りつけて、批判を封じ込めようとしている。」
 KAIROSは今、Tシャツを販売している。それは“KAIROS IS GOING AWAY”(KAIROSは終わった)の上に“NOT”の文字が挿入されているものである。


【参照】BDSって何?
http://nooccupation.web.fc2.com/pdf/090529leaflet_boycott.pdf
写真上:オダ国際協力大臣がKAIROSと交わした、資金援助に関する同意書。
図中:オダ国際協力大臣へのハーパー首相のメモ「議会で偽証するな」の上に“NOT”の文字が挿入されている。
写真下:KAIROSが販売するTシャツ。
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