SSブログ

「ケベック自由ネットワーク」結成集会 [ケベック]

800_cp_right_101023.jpg

 ケベック市で10月23日、草の根保守主義の「ケベック自由ネットワーク(Réseau Liberté-Québec/Quebec Freedom Network)」結成集会が開催された。一般の参加者はおよそ450人で、ゲストとしてマクシム・ベルニエ元外務大臣、ジャック・ブラサール元運輸・天然資源大臣、ジェラール・デルテル民主行動党党首も出席した。ハーパー首相の元広報コリー・テネイック氏は出席を取りやめた。

 ベルニエ元外務大臣は演説で、ケベックのより多くの自治は、連邦憲法を尊重し、州の問題への連邦の干渉を終わらせることによって実現すると述べた。そしてケベック州政府は過去50年間、人口比以上の議席や憲法改正への拒否権など、連邦政府から絶えず特権を要求し続けることで、結果的にこれを損なったと非難した。
「ケベック州は、ケベックだけが特別であり、他州より多くの権限を持つべきだと主張してきた。」
「我々は、喉元にナイフを突きつけて要求した。『要求に応じなければ、我々は独立する』と。そのやり方は、誤っていた。」
 さらに、ケベック民族主義は左翼と国家主義にのっとられていたと批判した。
「過去を振り返って見るがいい。ケベックには、社会主義と大きな政府しかなかったではないか。しかし今ここに、大きな政府を拒絶し、より小さな政府、より多くの自由を信じる大勢の民衆がいる。」
 そして発起人の一人であるジョアンヌ・マルコットは「今こそケベック党と自由党に占められてきた『内政干渉政治』と訣別するときだ」と語った。

 「ケベック自由ネットワーク」は、より小さい政府、より少ない連邦の干渉、減税、自己責任を志向し、カナダで最も左寄りの州であるケベックで、保守的な声を糾合する試みである。それは政党ではなく、綱領もないが、ケベック独立問題には関わらず、経済を重視するという方針を示している。

 この日はまた、ケベック党党大会の日でもあった。マロワ党首は500人の聴衆の前で、ケベックは反独立の新たな政党を必要としない、それは自由党であると語った。
 ケベック政界は長い間、ケベック党と自由党の二つの左派政党によって、独立か連邦残留かを争点としてきた。ところが一方ではルゴーによる右派新党が人気を博し、もう一方では草の根保守主義が集会を開き、ともにケベック独立を争点としないと明言している。ケベック独立をレゾン・デートルとするケベック党は、反独立派と右派の拡大におびえているかのようだ。
 ケベック党政権の閣僚だったブラサール元大臣は、「この運動は、ケベックの政治的空白を満たすものだ」と指摘した。

 「クイヤール問題」でハーパー内閣の閣僚を辞任したものの、ここ最近のベルニエ元外相は、人気が上昇する一方である。彼は、自党の政策に反する意見を表明してはばからず、メディアでひっぱりだことなっている。
 もしもハーパー首相が引退したら、彼は保守党党首選に打って出るものと多くの人に見られている。


写真:演説するデルテル民主行動党党首(右)。左はベルニエ元外相。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0