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レイト大臣の秘書、機密文書を置き忘れる [保守党]

2892760 リサ・レイト天然資源大臣の秘書が、オタワのCTV局内に機密(Secret)文書を置き忘れ、1週間以上も放置した事件で、ハーパー首相は6月3日、大臣の辞任を拒否した。
 レイト大臣が5月27日にCTVに出演した際、随伴した秘書ジャスミン・マクドネルは、カナダ原子力エネルギー社(AECL)の原子炉に関する機密文書が入ったバインダーを置き忘れた。オンタリオ州チョークリバーにあるその原子炉は、5月15日に重水漏れが見つかり、現在操業を停止している。CTVは大臣が取りに来るものと思い待っていたが、6月2日まで待っても来ないので、とうとうテレビで報道してしまった。マクドネル秘書はこの日初めて置き忘れに気づき、CTVに電話したが、それは放送開始の15分後であった。
 機密文書は、公表された数字よりはるかに巨額の資金を、老朽化した原子炉に投入したことを示している。1つの文書は、政府が今年3億5100万ドルを投入したことを示し、別の文書は、2006年に保守党が政権に就いて以来17億ドルを投入したことを示している。

 6月3日、連邦議会で野党の集中砲火を浴びたレイト大臣は、こう答弁した。
「必要ならば辞任すると私は首相に申し出たが、首相は受理しなかった。」
 問題のマクドネル秘書は、この日辞職した。
 ハーパー首相は、去年辞任したマクシム・ベルニエ外相とは大きな違いがあり、彼女は仕事をしていたのだと抗弁した。だが新民主党のトーマス・マルケア副党首は、ベルニエ外相のときより寛容であるべきいかなる客観的な理由も見出せないと詰め寄った。
 トロント大学で政治学を教えるネルソン・ワイズマン教授は、ベルニエ外相のケースは私生活上の過ちだったが、レイト大臣のケースは秘書の過ちであり、最も重大な違いは、ベルニエ問題がセックス・スキャンダルだったことだと指摘した。さらに彼は、レイトは保守党のホープだが、ベルニエはそれまでに多くの過ちを犯していた点を付け加えた。
 ところがベルニエ議員自身は幹部会で、2つの問題はそれほど違わないと力説した。
「彼女は、適切な判断力を持っていると思う。私が自分の状況でしたように、彼女も自分で判断しなければならない。私は、私がするべきことをやった。私は、自分の責任をとった。彼女は、自分と国家のために最善の行動をとるだろう。」

 連邦政府の文書は、その重要性に応じて4つのレベルに設定されている。
1.要保護(Protected)
 社会保険番号(SIN)など個人情報を含む文書。
 要保護文書は、施錠された保管庫に収納しなければならず、市販されているシュレッダーで破棄してもよい。
2.秘密(Confidential)
 ほとんどの重要書類は、ここに分類される。
 破棄する際は、縦横二重のシュレッダーにかけ、紙吹雪状にしなければならない。
3.機密(Secret)
 漏洩した場合、国益に被害を与えることが予測される文書。
 配布した枚数は配布リストで必ず数えなければならず、使用しないときは必ず施錠しなければならない。
4.最高機密(Top Secret)
 漏洩した場合、国益に格別に重大な被害を与えることが予測される文書。
 全てのコピーは数えられなければならない。そして文書のそれぞれのページに、そのコピー枚数を記録しなければならない。


【参考】ベルニエ外相、女性問題で辞任
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2008-05-28


写真:リサ・レイト天然資源大臣(左)とジャスミン・マクドネル秘書(中央)。
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