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3度目の上院改革案 [保守党]

 ハーパー政権は5月28日、上院議員の任期を、再選なしの8年または75歳までのいずれか早い方とする法案を提出した。この法案は、昨年10月以降に指名された議員に適用される。
 ハーパー政権は、この種の上院改革案を過去に2度提出しているが、オンタリオ、ケベック、ニューブランズウィック、ニューファンドランド&ラブラドルの4州が難色を示し、議会の解散もあって実現しなかった。ケベックは特に強く反対し、上院改革を強行するなら連邦政府を告訴するとさえ主張した。
 上院改革には憲法改正が必要とする意見が多く、憲法改正には、10州のうち人口の50%以上を占める州かつ7州以上の同意を必要とする。人口比はオンタリオ州が38%、ケベック州が24%なので、どちらか一方の同意かつ他の6州の同意を必要とする。しかしスティーブン・フレッチャー民主改革担当大臣は、任期に関しては憲法改正は不要だと法律家が保証したと語った。上院議員候補者は有権者に「助言」を求め、最も多くの有権者が「推薦」した候補者を首相が指名することにすれば、憲法改正も州の同意も必要ないというのである。
 しかし、保守党のミシェル・リバール上院議員は、上院改革にはあくまでも憲法改正が必要だと主張した。
「私見では、法律を読む限りでは、憲法改正なしの改革は不可能であり、この経済危機のさなかにおいて憲法改正を論じている場合ではない。」

 上院で過半数を占める自由党はかつて、上院改革について最高裁に諮問すべきだと主張し、法案を吊るして廃案にした。彼らは今回の上院改革案について、任期を8年とするなら、下院の任期が最大4年であることから、再選され8年務めた首相は理論上、上院議員全員を指名できるという点を指摘した。またサージ・ジョイヤル上院議員は、ハーパー政権が再び上院改革案を提出したのは、赤字予算や自動車産業救済などに不満を抱く保守党支持者の目を逸らすためだと述べた。

 今年は11人の上院議員が引退するため、年末には保守党は上院で過半数を占めることが確実視されている。だが保守党は肝心の下院で過半数割れしており、年末まで政権を維持しているという保証はない。
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