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秋に解散・総選挙か [自由党]

 イグナティエフ党首の側近は、自由党が今年の秋に総選挙を仕掛ける確立は90%以上だと語った。
 経済指標は不況が底を抜けたことを示唆しているが、失業率は依然として上昇しており、秋にはもっと悪くなっているだろう。経済の深刻な状況を受けて、各種世論調査は保守党の支持率低下と自由党の上昇を伝えており、イグナティエフ党首は雇用保険改革を熱心に訴えている。
 だが自由党は単独では内閣不信任できず、新民主党とケベック連合の協力を必要とする。果たして両党は、前回総選挙で議席を上積みしたにもかかわらず、早期の解散・総選挙に打って出る理由があるだろうか。
 両党はともに左派政党であり、自由党が議席を減らすと議席を増やし、自由党が議席を増やすと議席を減らすのが通例である。ジャック・レイトンが党首に就任したとき、新民主党の議席はわずか13だったのを、彼は37議席にまで増大させた。
 また新民主党は、昨年の総選挙で巨額の費用を費やしたと言われている。
 しかしケベック連合にとっては、お金は問題ではない。選挙運動のため、他党が飛行機を乗り継ぎ大陸を東奔西走するとき、ケベック連合はケベック州だけで選挙運動する。
 ところがケベック州で保守党が持つ議席は、自由党より少ない。自由党の支持率が上がれば、ケベック連合はモントリオール周辺の議席をほとんど失うことになるだろうが、保守党の人気が下がってもケベック連合が獲得できる議席は、多くはない。ケベック市周辺の保守党の議席は、保守党の支持率が低いときでも当選できる強固な地盤であり、これを奪うことは容易ではない。

 新民主党もケベック連合も解散・総選挙に気が進まないとなれば、自由党は好餌を提示する必要がある。両党の政策の一部を取り入れることになるのだろうか。一度反故にした連立が復活することはまさかないとは思うが、イグナティエフ党首は昨年秋、ボブ・レイ氏とドミニク・ルブラン氏に対し、連立支持を前提に党首選を辞退してもらう「ヨークビル協定」を承諾させている。党内事情によっては、イグナティエフ党首が何らかの約束の履行を迫られる可能性も、否定しきれない。
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