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自由党と保守党が接戦、少数政権濃厚に [2019年下院選]

 CBCが10月16日に発表した政党支持率調査は、保守党32.2%、自由党30.9%、新民主党18.2%、緑の党8.3%、ケベック連合6.9%、人民党2.6%、その他0.9%という結果となった。ここから導き出される予想獲得議席は、自由党130(87~184)、保守党130(86~174)、新民主党38(17~63)、ケベック連合38(22~49)、緑の党2(1~6)、人民党1(0~1)、その他0(0~1)(定数338議席、括弧内は最小と最大議席)となる。
 テレビ討論では新民主党のシン党首が高い評価を受け、ケベック連合とともに支持率を大きく上げた。対照的に二大政党は、9月から支持率を低下させ続けている。
 総選挙まであと6日しかないが、どの党も過半数に達しない可能性が非常に高い。CBCは自由党少数政権の確率を48%、保守党少数政権の確率を48%、自由党過半数の確率を8%、保守党過半数の確率を3%と予測した。

 予測では、自由党・保守党ともに過半数に40議席足りない。ところが、それ以外の党はどれも40議席に足りないので、予測より多くの議席を獲らないと安定政権は築けないことになる。
 新民主党は、保守党政権を阻止するため自由党と連立すると公言している。緑の党は「地球温暖化と戦う党ならどことでも連立する」と述べているが、予測で2議席、最大でも6議席にしかならないので、相手にはされないだろう。
 連邦議会に議席を持つ党では、右派政党は保守党と人民党だけで、ほかは全部左派政党である。自由党は数多い選択肢の中から、選挙結果と相手の条件次第で好きなパートナーを選べるが、人民党は保守党を追放されたベルニエ氏の党だから、保守党には組めるパートナーはいない。自由党は保守党に大差をつけられないかぎり、有利な条件にある。
 自由党が第一党なら、過半数割れでも政権続投となる。保守党にパートナーがいない以上、自由党はたとえ第二党でも、他党と組んで過半数になれるなら政権を維持できる。慣例上、与党が敗北したという決定的な結果が出ないかぎり、首相は辞任する必要がない。首相が辞任していない段階で、総督が別人を首相に指名することはない。この場合は、政権続行して議会が召集される。議会冒頭でスローン・スピーチ(所信表明演説)が行われ、その信任投票を行うが、不信任された場合は、理論上内閣総辞職と解散・総選挙の2つの選択肢がある。総選挙が終わったばかりで新たな総選挙は許可されないだろうから、実際は総辞職になるだろう。
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