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アンブローズ党首が引退を表明 [保守党]

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 保守党のロナ・アンブローズ暫定党首は5月16日、6月に連邦議会の春のセッションが終了しだい議員を辞職し、政界から引退する意向を述べた。引退後は、ウッドロー・ウィルソン国際学術センターのカナダ研究所に勤める。保守党は5月27日、トロントで党首選を行い、正式な党首を決定する。

 ハーパー前首相(前党首)は、フェイスブックで彼女を賞賛した。
「私は首相として、彼女を政権で最も複雑かつ挑戦的なポストに就けた。重い責任にもかかわらず、彼女は暖かくチャーミングな姿勢とアルバータ・ユーモアを保持し続けた。」
「彼女は、女性の権利のための情熱的な提唱者であった。女性の地位担当大臣として、国連で10月11日を国際ガールズデイとする決議を後押しした。」
 彼女が野党党首として最初に挑んだ党首討論で、ジャスティン・トルドー首相に「首相がカナダのために行動しないとき、私が何をするのだろうと首相が思うなら、こう言うだろう。“Just watch me.”」と発言した。これは十月危機のとき父ピエール・トルドー首相が、国民の権利を制限する戒厳令を施行したとき語った有名な言葉である。

 ロナ・アンブローズはアルバータ州バレービューに生まれ、ビクトリア大学とアルバータ大学で学んだ。政界に入る前から、女性に対する暴力を撲滅する運動に従事していたが、2004年の連邦議会選挙で初当選した。新人議員だった彼女は、ケン・ドライデン社会開発大臣(※往年のホッケースター)の提唱する保育プランに反発し、「働く女性が求めているのは自ら選択する権利だ。私たちに何をすべきか指図する白人の年寄りは要らない」と言って注目を浴びた。そして保守党が2006年に政権を奪取すると、彼女はまず環境大臣、次いで枢密院議長、政府間関係大臣、労働大臣、西部経済多様化大臣、公共事業・政府業務大臣、女性の地位担当大臣、厚生大臣を歴任した。

 2015年に政権を失った保守党は、人心と資金を失い、疲れ果てていた。暫定党首に就いた彼女が取り組んだことは、党首選をフェアに進めることと、党を刷新することだった。
 先住民の女性が多数行方不明になっている問題について、ハーパー前首相は熱心に取り組もうとしなかった。だがアンブローズ党首は、ジョディ・ウィルソン=レイボールド法務大臣(※女性)に会い「できることは何でもする、これは党派を超えた問題だから」と言って協力を約束した。
 また彼女が党首でいる間に、保守党は長年訴えてきた同性婚廃止の方針を撤回した。
「性的嗜好に関係なく、保守党はすべての保守派を歓迎する。あなたが小さな政府、安い税金、均衡予算と個人の自由を支持するなら、我が党はあなたを必要とする。」
 2017年度第1四半期において、保守党は4万2500人から530万ドルの献金を受けた。これは与党自由党の、3万1812人から280万ドルより多い。
 C-337号法案は、彼女が個人提出したものである。これは、新任の裁判官に性的暴行プログラムの履修を義務づけるもので、与党自由党も最終的に賛成し、15日に下院を通過した。これはおそらく、野党党首として彼女が与党に勝利する最後になるだろう。


写真:下院で引退演説を終え、トルドー首相と抱き合うロナ・アンブローズ暫定党首。
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