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保守党党首選、マッケイ氏が下馬評でリード [保守党]

 保守党はハーパー党首辞任を受けて、次の党首選出に取りかかっているが、20人で構成される党首選管理委員会は、来週最初の会議を行うことになっている。
 これに先立ちロナ・アンブローズ暫定党首は、ブライアン・マルローニ、ジョー・クラーク、キム・キャンベルの各首相経験者と、改革党創設者プレストン・マニング元党首と相次いで会談した。マルローニ元首相とクラーク元首相は、あらゆる種類の保守派、特にこれまで肩身の狭い思いをしてきた進歩保守党出身者をも歓迎するという合図を送る必要があると述べた。またキャンベル元首相とは、女性としてのリーダーシップについて語り合ったという。アンブローズ暫定党首は、全員が党首選を急ぐべきでないと助言したと明かした。
 党内ではリサ・レイト前運輸大臣、ケリー・リーチ前労働大臣、トニー・クレメント前予算庁長官が党首選出馬を表明するのではと噂されたが、人々は疲れきっており、党内の大勢は党首選を少なくとも18か月以上実施すべきでないという方向で固まりつつある。
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 アバカス・データ社は11月23日から25日にかけて、1500人の成人カナダ人を対象に世論調査を実施した。それによると、ピーター・マッケイ前法務大臣が全国で31%の支持を集め、圧倒的に人気がある。彼は進歩保守党最後の党首を務め、保守合同以降は党内ナンバー2の地位を占め「カナダで最もセクシーな政治家」と呼ばれたが、国防大臣時代は軍用ヘリを私用で使って非難され、またステルス戦闘機F35の調達費用を見積もりより低く議会に報告したことで問題視された。法務大臣になってからも、父の日と母の日に性差別的なメールを送るなど、ハーパー首相の頭痛の種であり続け、今年の総選挙に出馬せず引退した。
 特に党内左派のレッド・トーリーの間で彼を推す声が強いが、彼らの根拠地である東部とオンタリオが今年の総選挙で議席を激減させたため、中西部のブルー・トーリーの発言力が強くなっている。
 マッケイに対する支持は、保守党支持者(35%)・潜在的保守支持者(30%)・中道派(31%)の間で偏りがなく、いずれも候補者の中でトップに立つ。地域性では、彼の出身である東部(49%)で最も強いが、オンタリオでも33%と、普遍的強さも持っている。
 ジャン・シャレー元ケベック州首相は、35歳で進歩保守党党首となった後、ケベック政界に転身し、連続3選を果たしたときはポスト・ハーパーの有力候補とされた。だがマフィアとの関係が取り沙汰され、2012年州議会総選挙で敗北して引退しており、本人は党首選に興味がないという。
 調査では、全国で15%の支持を集め、2番手につけている。また地元ケベック州では23%と高く支持され、こちらも2番手につけている。
 サスカチュワン州のブラッド・ウォール首相は、最も人気のある州首相であり、特に中西部で人気が高い。最近でも、トルドー政権によるシリア難民受け容れや京都議定書復帰に反対したことが、党首選出馬のためのお膳立てだと推測された。州議会総選挙は来年4月までに実施されるが、彼はその後連邦政界に転身するのではないかとする推測もある。しかし本人は、その考えはないと明言している。
 調査では、彼は全国ではわずか9%しか支持されていないが、中西部では26%と、マッケイの24%を凌いで最も人気がある。しかしその他の州では、1桁台の支持しかない。また保守党支持者からは17%と高く支持されているにもかかわらず、潜在的保守支持者からは7%、中道派からは8%と支持されていない。
 ジェイソン・ケニー前国防大臣は、最も資金力があり本命と見られてきた。中西部出身のブルー・トーリーである彼は、今年の総選挙で東部とオンタリオのレッド・トーリーが議席を減らしたことで、いっそう有利となった。野党転落後は発言も少なくなり、影の内閣において何の役職にも就かず、身軽に動ける立場をキープしている。彼が党首選に勝利するには、彼の地元中西部で人気の高いウォール首相が出馬しないことが必要条件となる。
 リサ・レイト前運輸大臣は、数少ない女性議員の一人として、最年少で入閣した。天然資源大臣時代には秘書が機密文書を置き忘れる事件を起こしているが、ハーパー首相は「大きな未来がある」とかばい、更迭を噂されたにもかかわらず内閣改造時に労働大臣に異動し、その後は運輸大臣を務めるなど一貫して閣僚であり続けた。調査は、彼女が男性支持者(7%)に比べて女性支持者(13%)の割合が高いことを示している。
 マクシム・ベルニエ前中小企業・消費者大臣は、外務大臣時代は暴力団と関係を持つクイヤール氏と交際し、彼女の家に機密文書を置き忘れたため更迭されたが、数少ないケベック選出議員の一人として、その後中小企業・消費者大臣として閣僚に復帰した。調査は、彼が地元ケベック州では22%もの支持を集め、マッケイ氏・シャレー氏とともに三つどもえのレースを繰り広げている。だが他地域では支持が広がらず、大票田オンタリオではわずか2%に留まっている。
 ダグ・フォード前トロント市議は、地元オンタリオでは12%もの支持を集めたが、他地域では5%を超えた支持はない。
 マイケル・チョン前スポーツ大臣は、「ケベックを国と認める」決議に抗議して大臣を辞任したが、その後は党幹部会の権限を強化する「改革法」を平議員として成立させ、評価された。
 調査は、地元オンタリオで7%とブリティッシュコロンビアで10%の支持を集めたことを示すが、その他の地域では7%以下しか支持されていない。
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 アンブローズ暫定党首は、党内外からできるだけ多くの人が党首選に出馬することを望むと語った。
「我々は、多くの人々に党首選に出馬してもらいたい。我々はどんな形であれ、報復をしてほしくない。」
「私は可能なかぎり、出馬したい人、そのために議員を辞めたい人、党首選から降りたい人のための手続きを容易にしたい。」

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