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ブリティッシュコロンビアが鍵を握る選挙 [2015年下院選]

 カナダは国土が東西に非常に広く、総選挙の開票は東部から順に行われる。中部2州の人口と議席が多いことから、西部では投票する前に結果は決まっていると言われる。
 1974年以降で12回の総選挙があったが、そのうち10回は、ブリティッシュコロンビアの行方に関係なく結果がすでに決まっていた。例外の一つは1979年総選挙で、ブリティッシュコロンビアの開票前では、保守党117議席に対し自由党113議席と接戦だったが、最後のブリティッシュコロンビアの開票で、自由党1議席に対し保守党が19議席を上積みし、勝利を確実にした。もう一つの例外は2006年総選挙で、ブリティッシュコロンビアの開票前では、保守党107議席に対し自由党94議席だったが、最後のブリティッシュコロンビアの開票で、保守党17議席に対し自由党9議席と、あと一歩及ばず逆転はならなかった。
 東部とケベックと中西部の3地域は、それぞれが三大政党の異なる一つずつを支持している。まず最初に東部が開票されると、自由党が頭一つ抜きん出る。それからケベックでは半数以上の議席が新民主党のものになり、オンタリオでは三大政党が三つ巴の混戦を繰り広げ、中西部では大多数の議席が保守党のものになる。かくして今年の総選挙の命運は、ブリティッシュコロンビアに委ねられることになる。
 最近の世論調査に基づくと、新民主党は中西部の開票が終わった時点で約150議席を手中にしている。過半数まではあと20議席である。ブリティッシュコロンビアの定数が42で、新民主党の支持率を考慮すれば、それは決して無理な数字ではない。
 保守党は中西部の開票が終わった時点で、最大で155議席を手中にしている。その場合、過半数まであと15議席足りないが、2011年総選挙においてブリティッシュコロンビアで17議席を獲得したことを考慮すると、あながち不可能な数字でもない。
 自由党は中西部の開票が終わった時点で、最大で113議席を手中にしている。過半数は絶望的だが、少数政権ならありえないでもない。
 いずれにしても今年の総選挙は、ブリティッシュコロンビアが最後の鍵を握る選挙になるだろう。
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