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世論調査で新民主党首位に [2015年下院選]

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 イプソス=リード社が6月19日から23日まで、2003人のカナダ人を対象に実施したオンライン政党支持率調査は、新民主党35%、自由党29%、保守党28%、ケベック連合6%、緑の党2%という結果となり、3党伯仲から新民主党が頭一つ抜け出た状態になった。
 ウィルフリッド・ローリエ大学のバリー・ケイ教授率いるローリエ研究所が、これをもとに選挙区ごとのシミュレーションを行ったところ、予想される獲得議席数は新民主党130、自由党86、保守党119、ケベック連合2、緑の党1(定数338)という結果が出た。
 イプソス=リード社のダレル・ブリッカー最高経営責任者は、保守党は支持率を10ポイント近く下げており、新民主党がアルバータ州議会選挙での勝利によって保守党の支持を奪ったと分析した。
 ケイ教授は、新民主党の高支持率が続くことに懐疑的な見解を述べた。
「新民主党は上げ潮だ。だがそれは、まだ早い。選挙は10月まで実施されないだろうし、その間に有権者は翻意することがありえる。」
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 保守党は、第二次大戦以降で最も低い支持率を示した。支持率28%は、ジョン・ブラッケン率いる進歩保守党が1945年総選挙で得票率27.6%を記録して以来の、悪い数字となっている。ブリティッシュコロンビアとアルバータでは、1960年代以降で最悪の数字である。東部でこれより悪い数字を探すには、プリンスエドワード島とニューファンドランド&ラブラドルがカナダ連邦に参入する前の、ノバスコシアで反連邦の党が大きな勢力を持っていた1867年の第1回連邦議会選挙まで遡らなければならない。だがオンタリオとケベックでは、今より悪い数字を見つけるためには2004年総選挙まで遡るだけでいい。これはすなわち、保守党の支持基盤が西部一辺倒から中部にシフトしつつあることを反映している。
 東部では自由党が圧倒的に強く、保守党は2004年には7議席だったが、現在は6議席獲得する見込みである。
 アルバータでは保守党は、票の4分の1以上を失ったにもかかわらず、2004年に獲得した26議席を1つ上回る議席を獲得できる。ただしアルバータの定数が28議席から34議席に増加するため、実質的には議席減となる。
 ブリティッシュコロンビアでは保守党は、2004年に22議席を獲得している。しかし新民主党の支持率が上昇したため、定数が36から42議席に増えるにもかかわらず、15議席しか獲得できない。
 保守党は2004年と比較すると、西部と中西部で計11議席を失うことになる。だがオンタリオとケベックで32議席増加するので、十分お釣りが出る。
 保守党はオンタリオで2004年、31.5%の得票率で24議席を獲得した。それが現在は、32.3%で51議席を獲得できる。その理由は、左派票の分散にある。2004年にはオンタリオでの得票率は、自由党45%と新民主党18%とに非対称に分かれていた。それが現在は、自由党31%に対し新民主党30%と、きれいに等分されている。
 支持率だけを見ると、保守党は苦境に立たされたように見えるが、状況がいいためまだ勝てる見込みはあると、スリーハンドレッドエイト・コム社のエリック・グルニエ氏は分析する。
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