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ワイルドローズ党の2議員が離党、スミス党首絶体絶命に [アルバータ]

 アルバータ州のジム・プレンティス首相は11月24日、ワイルドローズ党の議員2名が進歩保守党に移籍したと発表した。これにより州議会勢力は進歩保守党63議席、ワイルドローズ党14議席、自由党5議席、新民主党4議席、無所属1議席(定数87)となった。
 首相は、幹部会が2人の移籍を満場一致で承認したことと、2人に何も約束していないし、いかなる形であれ2人に寝返るようそそのかしたことはないと説明した。
 ケリー・トウル議員は、次のように述べた。
「ワイルドローズ党は自由投票であるにもかかわらず、党は私が議会でどのように投票するかを決めていた。それは私に、多大な葛藤をもたらした。すると私の支持者が私のところに来て、与党に行って彼らとともに働く方が、それに反して働くよりずっと多くのことができるだろうと言ってくれた。」
 またイアン・ドノバン議員は、2016年総選挙に敗北したら辞任すると表明したダニエル・スミス党首に幻滅したと語った。
 だがスミス党首は記者会見で、両議員を2010年に進歩保守党からワイルドローズ党に移籍したロブ・アンダーソン議員やヘザー・フォーサイス議員と比較して、批判した。
「ロブとヘザーは信念のゆえに、与党から野党に移った。2人は私利私欲からではなく、アルバータ州民に奉仕するため、権力の旨みを放棄したのだ。だが我々は今日、その正反対を見た。」
 スミス党首はこの件について、記者の質問に回答することを拒否した。

 ワイルドローズ党が10月27日の補欠選挙において、4選挙区の全てで敗北してから、スミス党首への不満が党内で噴出した。彼女とそのスタッフは、プレンティス首相に汚職で辞任したレッドフォード前首相の責任を追及し続け、ネガティブな広告があまりにも多すぎるという批判にさらされた。
 執行部を批判し続けてきたジョー・アングリン議員は、追放される前に自ら離党したが、スミス党首は、彼が長い間密かに幹部会の様子を録音していたと公然と非難した。アングリン議員は疑惑を否定したが、スミス党首はその証拠を持っていないと認めた。
 スミス党首は依然として、みんなのために公正な政治を行うと言い続けているが、アルバータの田舎を拠点とする党は、反同性愛に凝り固まっている。党は1年前に、ゲイとレズビアンを含むマイナリティの権利を尊重する決議をしたが、党員たちは11月14日、これをマニフェストに加えることを拒否する投票を、スミス党首不在の場で行った。するとテリー・ロー議員は、この党は同性愛者と有色人種を差別する秘密結社に支配されていると言って、離党した。ロブ・アンダーソン院内幹事長は23日、党員による特定の方針の拒絶にもかかわらず、幹部会はそれに従うことになると発表した。
 追い詰められたスミス党首は、先週末にレッド・ディアで開催された年次総会で、リーダーシップに関する党員の信任投票を要求していたが、キャンセルされた。
 マウント・ロイヤル大学で政治学を教えるデュエイン・ブラット教授は、ステルマック元首相やレッドフォード前首相がそうであったように、造反はスミス党首の命とりになることもありえると語った。彼は、政治的見解の相違はよくあることだが、ひとたび議員たちが投票行動に出るとき、それは終わっていると述べた。
 アングリン議員は、党内には報じられているより多くの造反議員がいると明かした。
「私は5人知っている。そして、私に話さなかった人々がほかにもいると思う。」
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