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過去のデータは保守党逆転勝利を示唆【コラム】 [2015年下院選]

 ハーパー保守党は、次の総選挙まで最大1年に迫っているが、その支持率は31%に低迷している。過去35年間において、これより支持率が低かった与党は2つしかなかった。うち一つは、1993年のキム・キャンベル進歩保守党政権で、同年10月の総選挙でわずか2議席という壊滅的大敗を喫した。もう一つは1988年のブライアン・マルローニ進歩保守党政権で、同年11月の総選挙で野党が共倒れとなり、過半数を獲得した。
 1979年以降、11の連邦議会選挙が実施された。その内訳は自由党与党が6、進歩保守党与党が3、カナダ保守党与党が2であった。
 過去35年間において、与党は総選挙からその1年前まで平均37%の支持率を記録した。総選挙からその1年前までの支持率が、現在のハーパー政権より低かったのは、2度しかない。
 最初は、1987年であった。ブライアン・マルローニ進歩保守党は、1988年総選挙の1年前、支持率27%を記録した。これは最大野党自由党を10ポイント下回り、新民主党をも下回っていた。だがマルローニ首相はその1年後、得票率43%で過半数を獲得した。
 いっぽうキム・キャンベルの進歩保守党は、1993年総選挙の1年前、1992年10月に(党首はマルローニだったが)支持率15%を記録し、自由党・新民主党に次ぎ改革党と並んで第3位にあった。1年後の総選挙では自由党が圧勝したが、新民主党は1年間で支持率をひどく低下させ、大敗を喫した。進歩保守党は、世論調査と同等の得票率16%を記録したにもかかわらず、惨敗した。
 過去35年間において保守系の5つの与党は、総選挙の1年前には平均支持率30%程度である。1992年の悲惨な例を除くと、平均33%となる。現在のハーパー保守党31%は、さほど悪くない数字といえる。だがハーパー保守党は、2008年総選挙の1年前には支持率35%、2011年総選挙の1年前には支持率33%を記録していた。そしてトルドーの自由党は、この2か月の平均支持率は39%である。
 過去35年間において野党が、総選挙の得票率より、その1年前の支持率の方が高かったことは2度しかない。
 最初の例は、1979年の世論調査である。1979年総選挙では、勝利した進歩保守党が得票率では自由党を下回ったことや、わずか9か月後に実施された1980年総選挙では勝者と敗者が入れ替わったことから、評価が難しい。
 2度目の例は、1983年の世論調査である。マルローニの進歩保守党は、1984年の圧勝の1年前にいた。クレチエンの自由党も、1993年の圧勝の1年前は、同程度の支持率があった。

 二大政党の、総選挙における得票率とその1年前の支持率には、平均して6.2ポイントの差があった。与党は平均して、世論調査から1年後の総選挙で平均2.1ポイント低下した。野党第一党は逆に、平均3.4ポイント上昇した。
 ところが、自由党政権と保守党政権には際立った違いが見られる。世論調査から1年後の総選挙で、保守党政権が平均4.5ポイント上昇したのに対し、野党自由党は平均1ポイント低下した。いっぽう自由党政権が平均7.5ポイント低下したのに対し、野党保守党(進歩保守党・改革党・カナダ同盟・カナダ保守党)は平均4.4ポイント上昇している。
 これらの過去のデータは、1年後の2015年総選挙において、与党保守党は現在の支持率より大きい得票率を記録し、勝利することを示唆する。しかし過去のデータは、決して絶対的なものではない。
(政治評論家エリック・グルニエのコラムより)

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