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ジェイズのエスコバール選手の目に「ホモ野郎」 [人権]

YunelEscobar.jpg トロント・ブルージェイズのユネル・エスコバール選手が9月15日のボストン・レッドソックス戦において、アイブラック(日光の反射を防ぐため目の下に塗る墨)にゲイを中傷する言葉を書いていたことが判明した。
 熱烈なジェイズ・ファンで、シーズン・パスを持つジェームズ・グリーンハルシュさんは、いつもダグアウト近くの席を取り、選手たちの写真を撮っている。彼は翌日に写真を見て初めて、エスコバール選手のアイブラックに文字が書かれていることに気づいた。それはスペイン語で“TU ERE MARICON”(このホモ野郎)と書かれていた。
「私はジェイズと、選手たち全員を愛している。そして、エスコバール選手は私の好きな選手の一人だ。でもこれにはショックを受けた。みんなが平等であるということは、トロントのような大都市ではことさらに重要だと思う。」
 ブルージェイズ広報は17日、「ユネル・エスコバール選手が表示したメッセージを、球団は支持するつもりはない。この問題については、現在のところ調査中である」とコメントした。

 メジャーリーグでは、LGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャル・クエッショニング)解放のための“It Gets Better”プロジェクトに、2011年サンフランシスコ・ジャイアンツが初めて参加した。その後ボストン・レッドソックス、ボルチモア・オリオールズ、シカゴ・カブス、ロサンゼルス・ドジャーズも加わったが、ブルージェイズは参加していない。
 NHLトロント・メープルリーフスのブライアン・バークGMの息子で、フィラデルフィア・フライヤーズのスカウトであるパトリック・バーク氏は、こう述べた。
「スポーツ界はこの5年間、LGBTとの共生について大きな前進を遂げてきた。このようなものを見ることになるとは残念だ。」
 スポーツを愛した彼の弟ブレンダン・バークがゲイであることを告白して以来、バーク親子は熱心なLGBTQ支援者となった。ブレンダンの死を契機に二人は、スポーツ界における同性愛差別を根絶する“You Can Play”キャンペーンを始めている。

john_316_01.jpg アトランタ・ブレーブスのロジャー・マクダウェル投手コーチは、2011年サンフランシスコのファンにホモ嫌悪を示す猥褻なジェスチャーをして、2週間の出場停止処分を受けた。またブレーブスのジョン・ロッカー投手は2000年、取材時にホモ差別・人種差別発言をして出場停止処分を受けている。
 NFLは、アイブラックにいかなる文字も表示することを禁止している。宣教師の子で「神の子」と呼ばれた、アメリカン・フットボールのティム・ティーボウ選手はフロリダ大学時代、アイブラックに“John 3:16”(ヨハネ福音書3章16節「神は実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく永遠の命を持つためである」)と書いていた。NCAAは彼が卒業した2010年から、アイブラックに文字を表示することを禁止した。



写真上:ユネル・エスコバール選手。
写真下:ティム・ティーボウ選手。
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高橋幸二

ユネル・エスコバール選手に9月18日、3日間の出場停止処分が下った。彼が失うおよそ3万ドルのサラリーは、“You Can Play”キャンペーンに寄付されることになった。
by 高橋幸二 (2012-09-19 19:34) 

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