SSブログ

新民主党党首選、マルケア副党首の当選確実か [新民主党]

NDP-leaders_web.jpg

 新民主党の党首選が、3月24日に行われる。会場での当日の投票のほか、郵便・インターネットでの事前投票がすでに始まっているが、トーマス・マルケア副党首の当選が、ほぼ確実な情勢となっている。
 マルケア副党首は、どの候補よりも多くの資金を集め、またどの候補よりも多くの議員に支持されている。新民主党は2011年総選挙において、ケベックで最も多くの議席を獲得した。だがそれはレイトン前党首の人気によるもので、彼の死後党の支持率は低下している。新民主党は伝統的にケベックに基盤がなく、ケベック選出議員は新人議員ばかりだから、彼らは今後の選挙を生き残るためには、ケベック選出のマルケアを党首に就けておきたいところだ。

 党首選は、1人の候補が過半数を獲得するまで、候補者を足切りしながら何度も投票を行う。2回目以降の投票では、足切りされた候補が別の候補の支持に回るため、さまざまな駆け引きが行われる。
 今回党首選には、7人の候補が立候補している。トーマス・マルケア副党首(57歳、ケベック選出、当選3回)、ネイサン・カレン議員(39歳、ブリティッシュコロンビア選出、当選4回)、ポール・デュワー議員(49歳、オンタリオ選出、当選3回)、ペギー・ナッシュ議員(60歳、オンタリオ選出、当選2回)、ニキ・アシュトン議員(29歳、マニトバ選出、当選2回)、ブライアン・トップ代表(51歳、当選0回)、マーチン・シン候補(39歳、当選0回)である。ほかにロバート・チゾム議員(54歳、ノバスコシア選出、当選1回)、ロメオ・サガナッシュ議員(50歳、ケベック選出、当選1回)も立候補を届け出たが、前者は12月21日、後者は2月9日にリタイアした。

nw-number-cruncher_1386231a (2).jpg 当初から泡沫候補と見られていたシン候補は、足切りされた場合はマルケア候補を支援すると明言しているが、それ以外の候補全員は、足切りされた場合の動向について態度を鮮明にしていない。もしも本命のマルケア候補が1回目の投票で35%以上を獲得すれば、他の候補たちはマルケア候補の支持は堅いと見て、なだれを打って彼の陣営に加わるだろう。だが30%を下回るようなことがあれば、マルケア候補のリーダーシップを疑い、他陣営との連合で別の候補を当選させるよう画策することだろう。
 マルケア候補は「党の現代化」と称し、政権獲得のため革新政党である新民主党を中道寄りにシフトする構想を打ち上げた。だがそれにより、エド・ブロードベント元党首ら守旧派を敵に回した。また彼の短気な性格や、フランスとの二重国籍が発覚したことも、不安視された。
 守旧派は、選挙対策委員長を長く務めたブライアン・トップ代表を支援する。彼は当初は本命視されていたが、議員経験がない。いずれにせよ強力な二大候補であるトップ候補とマルケア候補は、当初から張り合っており、どちらが足切りされても相手を支援することはない。つまり、どちらが足切りされても彼らが持つ膨大な票は、相手には行かず別の候補に行くことになるのだ。
 第2グループにつけているナッシュ候補とデュワー候補にとっては、この二大本命の票が最大の望みとなる。だがナッシュ候補は、組合からの強い支持を受けており、守旧派イメージが強い。非組合員の党員が増え、公認野党となった現在では、好ましくないとされる。
 またデュワー候補はフランス語をほとんど話せないので、ケベックの議席を死守する次の総選挙を戦ううえで問題視される。また党が野党第3党だった時代とは異なり、今は政権を狙うべき野党第一党であり、党首は首相候補である。
 さらに問題なのは、ナッシュ候補とデュワー候補がともにオンタリオ選出議員であることから、オンタリオの覇権を巡って互いに強く牽制し合っていることである。この両者も、一方が足切りされた場合、その票はもう一方のものにはならないだろう。
 そこで浮上するのが、ブリティッシュコロンビア選出のカレン候補である。ブリティッシュコロンビアは党員が最も多い州であり、同州選出の候補はほかにいない。候補者たちのなかで最も議員歴が長く、流暢なフランス語を話す。そして党首選では用心深く振る舞い、敵を作らなかった。マルケア候補が1回目の投票で30%を獲得できなかった場合、次善の候補として彼が最も多くの票を集める可能性がある。
 トロント・スター紙は、カレン候補がトップ候補・ナッシュ候補との秘密の会談を3月12日に行ったと報じた。だがカレン候補は、「事前の約束は一切ない」と述べ、疑惑を否定した。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0