SSブログ

新民主党のレイトン前党首死去 [新民主党]

24c0c1dd49278b26e28cb6d566bf.jpg 新民主党のジャック・レイトン前党首が8月22日、癌のためトロントの自宅で亡くなった。61歳だった。葬儀は27日、トロントのロイ・トムソン・ホールで開催される。

 レイトン前党首は、モントリオールに生まれた。彼は英仏2か国語を流暢に話すが、彼のフランス語はときどき間違っており、また労働者階級特有の訛りがある。しかしそれがかえってケベックの大衆に親しまれた。
 レイトン前党首は、カナダでは珍しい世襲政治家である。彼の父ロバートは、進歩保守党のマルローニ内閣で鉱業大臣を務めている。祖父ギルバートは、ユニョン・ナショナルのデュプレシ内閣で無任所大臣を務めたが、内閣が第二次大戦中に徴兵に反対したことに抗議して辞任している。
 またレイトン前党首の妻オリビア・チャウは下院議員で、息子マイクはトロント市会議員である。
 レイトンはマギル大学とヨーク大学で政治学を学び、ライアソン大学で政治学を教えた。1982年トロント市議となり、2003年新民主党党首に就任。2011年総選挙で「オレンジ旋風」を巻き起こし、ケベックで多数の無名候補を当選させ、新民主党を初めて野党第一党に押し上げた。2011年7月に癌の再発を告白し、党首を「一時的に」退いていたが、政界復帰の志を果たすことなく逝去した。

 野党3党の党首たちは全員暫定党首であり、レイトン氏の復帰の目がなくなった今、保守党政権を脅かす勢力はなくなった。自由党は次の党首を、2013年まで選出しないことを決定している。
 ニコル・テュルメル暫定党首は、2012年初めまで務める見込みである。彼女はレイトン氏の推薦で暫定党首に就いており、党員に推されたものではないため、来年早々にも党首選が行われることになろう。次期党首には、党の勢力がケベックで急速に拡大したことから、ケベック選出のトーマス・マルケア副党首が有力視されている。


写真:レイトン氏の死を悼むバンクーバー市民。
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 1

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
NO NAME

こんにちは。写真はバンクーバーのアートギャラリー前です。自分もいきました。カナダの、なかなかいい政治家が死んだ感があります。残念です。
by NO NAME (2011-08-24 10:10) 

高橋幸二

コメントありがとうございます。訂正しておきました。
新民主党が、自由党に代わる二大政党になれるのか、そしてクベックは今後どの党を支持するのかに注目していましたが、新民主党はやはりレイトン一人の党だったように思います。
彼が死んで一番喜んでいるのは、自由党でしょう。
余談ですが、レイトンが91年トロント市議選と93年下院選(トロント選挙区)に落選したのは、オンタリオ州のボブ・レイ新民主党政権の不評が影響しています。レイが州首相だったときレイトンは落選中で、レイトンは政治歴ではレイよりずっと後輩に当たりますが、野党第一党党首としてストーノウェイの公邸に入りました。
by 高橋幸二 (2011-08-24 18:53) 

トラックバック 0