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ハーパー首相が内閣改造、環境大臣にケント氏 [保守党]

683b04d24a278fc88d64a98a31c4.jpg 1月4日に行われた小規模な内閣改造は、今年起こりうる解散・総選挙を意識したシフトとなった。
 最後の総選挙から2年以上が経過し、総選挙はいつあってもおかしくない状況にある。ハーパー首相は、トロント周辺のいわゆる(市外局番)「905エリア」のてこ入れを図るべく、この地域選出の議員を重点的に閣僚に起用した。このエリアで自由党が、前回総選挙において得票率45%以下で勝った議席が10議席あり、保守党が過半数を獲得するための鍵として、真っ先に目標とされる地域である。

 昨年11月の補選で、長年自由党の牙城だったオンタリオ州バーン選挙で当選し、政界入りしたばかりのジュリアン・ファンティーノ議員は、いきなり高齢者担当大臣に抜擢された。高齢者は、投票率が最も高い世代である。
 ダイアン・アブロンチー高齢者担当大臣(アルバータ州カルガリー-ノーズヒル選挙区)は、米州外務担当大臣に移動した。彼女は、改革党が初めて挑んだ1993年総選挙で当選したベテランで、中小企業・観光担当大臣と高齢者担当大臣を歴任している。2002年にはカナダ同盟党首選でハーパー候補と争ったため、首相とは微妙な関係にある。
 テッド・メンジース財務副大臣(アルバータ州マクラウド選挙区)は、財務担当国務大臣に昇格した。彼がこれまで、激動の世界経済において多忙なフラハティ財務大臣を補佐してきたことへの評価である。
 注目の環境大臣は、ピーター・ケント米州外務担当大臣(オンタリオ州ソーンヒル選挙区)が就任した。彼はNBC通信員、グローバルTVとCBCのニュースアンカーを務めている。
 だがハーパー首相は、温室効果ガス排出削減目標を早々と放棄するなど、環境問題に冷淡だとされている。2010年には党内ナンバー2と見なされていたプレンティス環境大臣が突然この職務を投げ出すなど、ハーパー政権の5年間で環境大臣はこれが5人目となる(ジョン・ベアードが2度就任している)。

 野党各党は、今回の内閣改造特に環境大臣人事について批判した。自由党のホール・フィンドレイ議員は、内閣改造(cabinet shuffle)をトランプにたとえてこう諷刺した。
「プレイヤーは気が済むまでカードをシャッフルできる。だが全てのカードを握り配る権限を持っているのは、ハーパー首相ただ一人である。」
 新民主党のトーマス・マルケア副党首は、ケント環境大臣の実績に疑問を呈した。
「環境は依然として、未来のための重要な問題である。我々は未来の世代に対して、道徳にも倫理にも法的にも責任を負っている。だがケント氏には、環境問題についての経験がない。」
 緑の党のエリザベス・メイ党首も、新環境大臣には期待できないと断言した。
「タールサンドのために環境問題を無視する首相を、誰かが止めなければならない。ピーター・ケント氏は、何もしないだろう。」
 また自由党は、ハーパー内閣が成立した2006年以降、閣僚数が26人から36人まで増加した点を強調した。
「ハーパー首相は閣僚を10人増員し、この2年間で経費を1000万ドル、16.5%も増加させた。」


写真:左からピーター・ケント環境大臣、ダイアン・アブロンチー米州外務担当大臣、テッド・メンジース財務担当国務大臣、ジュリアン・ファンティーノ高齢者担当大臣。
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