SSブログ

1ペニー硬貨廃止を勧告 [経済]

 上院財務委員会は12月14日、1ペニー硬貨の流通停止を勧告した。
 委員会は、インフレーションが1世紀以上続き、1ペニー硬貨の価値は、それが初めてカナダで製造された1908年の5%にまで低下したと結論づけた。
 1ペニー硬貨はかつては96%が銅だったが、今では鉄に銅メッキを施している。それでも1ペニー硬貨を生産するのに、1枚あたり1.5セントの費用がかかっている。
 1908年以降、1ペニー硬貨は310億枚製造された。そのうちの3分の1が廃棄されたと仮定しても、国民一人当たり600枚の1ペニー硬貨を持っていることになる。それらが貯金箱や、ズボンのポケットや、箪笥の引き出しに貯蔵され、流通していないことは明らかだが、ロイヤル・ミント(造幣局)はそれゆえ1ペニー硬貨の増産を強いられ、昨年は5億枚を鋳造した。
 財務省は、1990年にオーストラリアが1ペニー硬貨を廃止したときの物価に与えた影響について調査してきた。またカナダ銀行は、1ペニー硬貨廃止に伴う潜在インフレについて検討し、その影響は取るに足らないものと結論づけた。

 1ペニー硬貨の製造中止と聞くと、それを保管しておけば古銭として高値で売れると思う人がいるかもしれない。しかし1870年、25セント硬貨の不足を補うため発行された25セント紙幣は、その大きさから「絆創膏」と呼ばれたが、現在7ドルから9ドルの間で取引されているにすぎない。
 1ペニー硬貨については、3枚しか存在しない1937年製造のものが、今年40万2500ドルで売却されている。だがほかに希少価値があるとされるものは、1923年製造と1925年製造のものが50ドル程度、カナダ最初の1ペニー硬貨である1858年製造のものが80ドルから100ドルの間で取引されているのみである。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0