SSブログ

BC新民主党のジェームズ党首が辞任 [新民主党]

470_bc_carole_james_1_101206.jpg ブリティッシュコロンビア新民主党のキャロル・ジェームズ党首は、12月6日朝に急遽開かれた記者会見で、辞任を表明した。そして党首選を来月にも開催し、次の党首が選出されしだい辞任する意向を述べた。
 90年代に数々の汚職事件を起こした新民主党は、2001年州議会選挙で史上最低の2議席に沈んだ。誰もが、この党は終わったと考えた。しかしジェームズ女史はあえて火中の栗を拾い、党首として2005年州議会選挙を率いて33議席を獲得し、党を再生させた。2009年州議会選挙でも35議席を獲得したものの、政権にあと一歩及ばなかった。

 9月にボブ・シンプソン元州会議員が公然とジェームズ党首を批判し、幹部会から追放されたことで、党内抗争が明るみに出た。カトリーン・コンロイ州会議員とノーム・マクドナルド州会議員はこれに抗議して、党職を辞任した。
 そして3人の州会議員が2週間前、ジェームズ党首に最後通牒を突きつけた。それは13人の議員の署名が入った辞任要求だった。
 ジェームズ党首には、党首選を開催するための24時間の猶予が与えられた。だが彼女は、その要求を拒否した。彼女は党役員会に諮り、信任投票を行って84%の支持を勝ち取り、党首としての地位を確固たるものにした。そして今度は、造反者たちに反撃しようとした。
 ところが12月1日、党の最古参であるジェニー・クワン州会議員は、即時の党首選を要求した。彼女は声明でこう述べた。
「キャロル・ジェームズ党首の下で、民主主義の原則が侵されている。議論は抑えつけられ、意思決定は集権化され、議員たちは阻害されている。」
 彼女はさらに、世論調査は彼女に有権者の心を捉えることができないことを、そして自由党政権の落ち目に乗じることに彼女が失敗したことを示していると語った。
 さらに13人の議員たちは、クワン州会議員だけを罰することができないよう、一致して行動する協定を結んでいた。ジェームズ党首はここに至り、自分が党首にとどまっていては党分裂は避けられないと判断した。ジェームズ党首は記者会見で、こう述べた。
「これを、脅しによる勝利とみる人々がいることはわかっている。だが13人の議員を離党させ、これらの選挙区を1から立ち上げることに費やす時間と労力を思えば、ほかに方法はなかった。」
 10月に公表されたアンガス・リード社の世論調査では、ジェームズ党首の支持率はわずか27%だった。人気を失ったキャンベル首相が辞任を表明したにもかかわらず、彼女の支持率は上がらなかった。
 一般に選挙に勝つためには、40%程度の支持率が必要とされている。ジェームズ党首のままでは選挙に勝てないことは、明らかだった。

 ビクトリア大学で政治学を教えるデニス・ピロン氏は、ジェームズ党首は献身的で信頼できる人物だが、政治家としての決定的な資質を欠いていたことを示唆した。
 新民主党が1991年に記録した得票率は、1986年に記録した得票率より低かったのに、政権奪取に成功している。1991年州議会選挙では、右派票が自由党と社会信用党に分散していたのである。1996年には、自由党が最も多い42%の得票率を得たにもかかわらず、組織分裂のためわずか39%の新民主党が過半数を獲得している。
 ジェームズ党首は、穏健な演説をした。彼女は、誰にでも受け容れられる稀有な才能を持っていた。そして彼女は、敵対するグループを分裂させたり、敵意を持たせたりすることを好まなかった。彼女はまさに財界が、新民主党の党首にはこうあってほしいと願う人物像だったのである。
「だが彼らは、新民主党に投票しただろうか? その答えはノーだ。」
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0