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アフガン駐留軍のセムロー大尉が殺人容疑で起訴 [犯罪・事件]

2443933 カナダ軍調査サービス(NIS)は1月2日、アフガニスタン駐留カナダ軍のロバート・セムロー大尉が、10月19日に殺意を持って非武装の男性を射殺したとして、国防法に基づき第二級殺人容疑で12月31日に起訴されたと発表した。セムロー大尉は現在軍警察に身柄を拘束されており、近くカナダに送還される予定である。
 ヘルマンド州の州都ラシュカルガーを奪回した多国籍軍を、反政府武装勢力タリバンは10月16日から18日まで攻撃した。タリバンは3方向から猛攻を加えたが、多国籍軍は空爆を行い、少なくとも100人のタリバン兵士が戦死した。
 アフガニスタン軍のシェル・ムハンマド・ザザイ将軍は、戦闘中はおおぜいの兵士が戦死しており、彼ら全員がどのように死んだのかを把握するのはが不可能だとコメントした。
 2006年8月には、ロビー・フレーザー伍長が銃を誤射してジェフリー・ウォルシュ伍長を死なせた事件が起こっているが、昨年起訴が取り下げられている。

2443922●ソマリア駐留軍の不祥事
 NISは、カナダ軍の歴史における最も忌まわしい事件を契機に設置された。1993年、ソマリアに派遣されたカナダ空挺連隊第2コマンドの隊員が、ソマリア人を虐殺したのである。
 基地から盗みを働こうとした十代の少年シデイン・アーロンが捕らえられ、16人の兵士に拷問を受け死亡した。そしてカイル・ブラウン上等兵は、クレイトン・マッチー伍長が血まみれのアーロンを拷問している記念写真を撮影していたのである。
 マッチーとブラウンはその2日後逮捕され、殺人罪で起訴された。マッチーは首を吊って自殺を図ったが失敗し、脳に重い障害を負った。カナダ軍が支給した抗マラリア薬メフロキンが、攻撃衝動につながったとする意見も聞かれた。
 ブラウンは懲役4年の刑を宣告された。マッチーは2008年、裁判に耐えられる状態にないとして起訴を取り下げられた。ブラウンは後に、虐殺には多くの兵士が関与していたにもかかわらず、自分だけが事件のスケープゴートにされたとする暴露本を出版した。アーロンの悲鳴は基地全体に轟いていたからである。
 その後さらに司令官2人が軍法会議にかけられ、有罪判決を受けた。軍医のバリー・アームストロング少佐は、1人のソマリア人の死は処刑であるとリークした。彼は後にマイケル・レインビル小隊長を証拠隠滅で告発したが、彼は無罪となった。レインビルは後に、兵士への精神的虐待と肛門レイプで起訴された。このほか隊員へのしごきビデオが公表され、新兵に排泄物を食べさせたり、黒人兵士の背中に大便で「KKK」と書くなどの虐待が明るみに出た。これらの不祥事は、平和維持軍としてのカナダ軍の評判を大いに貶め、空挺連隊は1995年に廃止された。

・CBCアーカイブ
http://archives.cbc.ca/war_conflict/peacekeeping/topics/723-4318/


写真左:ロバート・セムロー大尉。
写真右:アーロンを拷問するクレイトン・マッチー伍長。
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