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ディオン党首辞任を表明 [自由党]

 自由党のステファン・ディオン党首は10月20日、党首辞任を表明するとともに、新しい党首が選出される5月まで職にとどまり、党再建に取り組むと発表した。ディオン党首は記者会見で以下のように述べた。
「私は、敗北の責任を完全に受け入れる。我々は、速やかにこの経験から学び、克服しなければならない。」
「私は今も、私がなぜ国家のために戦っているか、私がどのようなリーダーで、どのような首相で、どのような政策を提示しているかを説明することに成功していたら、この選挙に勝利し、現在のものよりもっとましな政権を築いていただろうと思う。」
「国民は、この私を知らなかった。人々は、別のキャラクターが本物だと思い込んでいた。私は次の党首には、私に向けられたような低次元のプロパガンダに負けないでほしいと願う。」
 ハーパー首相は選挙戦で、ディオン党首が提示した5つの経済対策を嘲笑したが、選挙後には類似したプランを提示した。これについてディオン党首は、
「彼は、私が提案していたことを正確に行っている」
と皮肉った。

 ノバスコシア自由党のスティーブン・マクニール党首は、ディオン党首がすぐに辞任していたら、党がなぜ有権者に支持されなかったのかを省みることもなく、全てを党首のせいにしてしまうおそれがあったとして、ディオン党首の判断を賞賛した。ところが一部の党員はディオン党首の留任を求め、オンライン嘆願書を作成し、21日時点で245人の署名を集めている。
 ディオン党首に近いデビッド・オーチャードは、
「レスター・ピアソンには3度のチャンスがあった。1963年総選挙に勝利する前に、1958年に敗北し議席の半分を失った。1962年にも敗北している。だがピアソンはカナダにメディケアと、国旗と、カナダ・ペンションをもたらした。1度の敗北で党首がその座を追われるなら、カナダ人はそれらを見ることはなかっただろう」
とコメントした。
 しかしスティーブン・ルドリューは、ディオン党首が辞任すべき理由は総選挙敗北以外にもあるという。
「単に選挙に負けたというだけでなく、どう負けたかが問題だ。彼が負けるだろうということを国中の皆が知っていたのに、本人だけが当日まで知らなかった。彼は再三、傲慢さをのぞかせた。昨日の辞任会見さえ、彼は選挙を立派に戦ったと言っている。」
 また暫定党首として名を挙げられたジョン・マッカラムは、ディオン党首の留任を求める運動について、
「彼は辞任を強制されていないし、彼が辞任すると決めたのだ。党大会は通常通り行われ、新しい党首が決定されるだろう」
とコメントした。

 次期党首の有力候補であるマイケル・イグナティエフとボブ・レイも、水面下でディオンに即刻辞任を促したと言われている。だが彼が即刻辞任せず、正式に党首選が行われるまで職にとどまることにしたのは、暫定党首の座をめぐってイグナティエフ派とレイ派が抗争するのを避けるためだと言われている。暫定党首に名を挙げられたマッカラムは前回党首選でイグナティエフを支持し、グッデールはレイを支持していたのである。
 かつてトロント大学の同級生でルームメイト、今は宿敵のイグナティエフとレイは、まだ正式に立候補を表明していないが、来たるべき党首選を怨念渦巻く泥仕合にするのを避けるため、水面下で不可侵協定を結んだと報じられた。2006年の党首選では、両陣営が互いに相手が勝つのを阻止することに血道をあげ、その結果ダークホースのディオンを勝利させたといういきさつがある。
 レイは「自由党は長年にわたり、党首選をゴシップと確執の場とすることで党の統一をむしばんできた」と語った。
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