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争点はケベック:保守党圧勝の可能性も [2008年下院選]

2095170 保守党過半数を阻止(block)できるのは、どうやらケベック連合(Bloc Québécois)だけのようだ。ハーパー首相は7日に総督官邸を訪れ解散を要請したあと、すぐにケベック州に入りケベック市のホテルで演説した。
 「ケベック連合はいつも反対していた。そして手ぶらでケベックに戻って行った。独立はもはや争点ではない。18年前の結党以来、独立運動は少しもゴールに近づいていないではないか」。
 保守党は2006年総選挙で、苦手のケベックで24.6%の得票で10議席を獲得し健闘した。モントリオールは自由党の強固な地盤であり、ケベック連合や保守系のケベック民主行動党は地方で支持されている。つまりケベック連合と保守党は同じ地盤で争っているのであり、2006年に保守党が獲得した選挙区は、ほとんど全てケベック連合の議席だった場所である。 2007年ケベック州議会選挙は、ケベック党が第3党に転落するとともにケベック民主行動党が躍進するなど、独立派・民族派が衰退し保守系の支持が拡大する兆しを見せた。
 保守党は今回選挙において、モントリオール以外の26選挙区で争っており、うち4議席をすでに確実なものにしている。前回獲得した10選挙区と併せ、保守党はケベック州で少なくとも15議席を獲得する見込みである。

 グローブ&メイル紙は、2006年総選挙または最近の補欠選挙において最も接戦となったケベックの15選挙区、オンタリオの20選挙区、ブリテュッシュコロンビアの10選挙区で支持率調査を行った。
ケベック州:保守党32%、自由党24%、ケベック連合28%、新民主党11%、緑の党5%
オンタリオ州:保守党41%、自由党29%、新民主党13%、緑の党17%
ブリテュッシュコロンビア州:保守党45%、自由党25%、新民主党17%、緑の党13%
 これらの45選挙区は、前回総選挙では自由党17議席、保守党16議席、ケベック連合8議席、新民主党4議席だったところである。東部は自由党、中西部は保守党の支持が固いが、争点となる3大州においてはいずれも保守党が大きくリードしており、激戦区がことごとく保守党の手に落ちることは想像に難くない。

 ケベック連合は前回総選挙で、ケベック州において42.1%の得票率で51議席を獲得した。保守党の得票率は24.6%(10議席)、自由党の得票率は20.7%(13議席)であった。世論調査を見る限り、今回ケベック連合が現有議席48を維持するのは絶望的である。しかもケベック連合はケベック州にしか候補者を立てていないため、他党と異なり他州での挽回はできない。30議席を下回った場合、デュセップ党首の責任問題に発展するのは必至だろう。彼は今年61歳になっている。
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