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マルローニ元首相、下院倫理委員会で証言 [保守党]


 12月13日、下院倫理委員会でブライアン・マルローニ元首相の証人喚問が行われた。
 ミラ夫人と4人の子供たちの前でマルローニ元首相は、2006年のハーパー首相との会談について、
 「ハリントン湖では、カールハインツ・シュライバー氏のいかなるビジネスについても話題にのぼらなかった。宣誓供述書における彼の主張の全ては、完全に偽りである。彼は何でも言って、何にでも署名して、ドイツへの引き渡しを避けるためなら何でもするだろう。」
と語り、シュライバー氏から元大臣のエルマー・マッケイ氏を通して、釈放を請願する手紙を渡すようなことはしなかったと証言した。
 エアバス航空機については、
 「『これまでシュライバー氏とはいかなる関係もなかった』と私が言ったのは、エアバス航空機の販売について指しており、私が首相の職務にあったときのことである」
と答弁した。そこで新民主党のパット・マーチン議員が
 「そんなことはどうでもいいことだ。私はあなたを嘘つきだとは言わないが、あなたの言うことを信じていないということを、ここにいる皆に知って欲しいと思う」
と言うと、傍聴席にいる息子のベン・マルローニ氏が怒りの態度を示し、隣にいた姉キャロラインさんに静止された。
 シュライバー氏からの現金受領については、1993年8月27日ミラベル空港のホテルで会談したとき、シュライバー氏から一緒に活動しようと提案されたと証言した。なぜシュライバーから現金を受け取ったかについて尋ねられると、マルローニ元首相は
 「彼は封筒を手渡し、これが最初の弁護料支払いだと言った。彼は、3年間に合計三度の支払いがあると私に予告した。私がためらっていると、彼は『私は国際的ビジネスマンで、支払いはいつも現金でのみだ。これが私のビジネスの方法だ』」と言われたと証言した。そして、
 「私は、たとえそれが違法でなかったとしても、このとき現金を受け取る判断をしたことは重大な過ちだったと思う。その判断の誤りは、私一人に起因するものである。私はこれに対する全責任を認め、謝罪します。」
 と語り、また弁護料は伝えられている10万ドルが三度で30万ドルではなく、7万5000ドルが三度で22万5000ドルだと語った。だが彼は、現金の保管になぜ記録が残る預金口座ではなくセーフティボックスを使ったのかについては、説明しなかった。
 そしてシュライバー氏との関係について、
 「私の人生で二番目に大きな過ちは、私以外誰も非難していないが、首相を辞任した後カールハインツ・シュライバー氏から現金を受領したことだ。そして私の人生最大の過ちは、カールハインツ・シュライバー氏を紹介してもらうことに同意したことだ」
と語った。
 
 
写真:委員会で証言するマルローニ元首相。左はミラ夫人、右は娘のキャロラインさん。


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高橋 幸二

 マルローニ元首相は「ハーパー首相との会談ではシュライバー氏引き渡しの話題は出なかった」と証言し、政権への大きなダメージはなかったようだが、ハーパー首相は保守党員に対し、この事件が解決するまでマルローニ元首相とは関わらないよう通達したため、元首相は政界への影響力を失った。
 1993年総選挙で進歩保守党を169議席から2議席に転落させただけでなく、キャンベル元首相、クラーク元首相、シャレー元党首らが反対したにもかかわらず進歩保守党のカナダ同盟への吸収合併を推進するなど、引退してもなおトラブルの種を蒔き続けるとは、さすが史上最低の総理だけのことはあると思わされる。
 マルローニ元首相の人生最大の過ちは、ケベックを優遇する憲法改正案を提示して全てのカナダ人を怒らせ進歩保守党を破滅させたこと、2番目に大きな過ちは戦後最大の不景気のときに連邦消費税をいきなり7%から導入したことだろう。
 なお二人の異なる証言について、世論調査ではシュライバー氏を信じる人が30%、マルローニ氏を信じる人が10%で、残りは「わからない」という結果となった。
by 高橋 幸二 (2007-12-21 19:25) 

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