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財務相、GST5%への減税を表明 [保守党]


 ジム・フラハティ財務大臣は、10月30日に行った秋季経済報告の中で、2度目のGST(連邦消費税)減税および個人所得税削減を表明した。連邦政府さらには、各州政府に各々の売上税とGSTの調合をはかるよう促すための信託資金50億ドルを設立することを発表する予定である。
 売上税が調合されていないのはオンタリオ、ブリティッシュコロンビア、サスカチュワン、プリンスエドワード・アイランド、マニトバの5州。売上税が調合されると、企業が資本投資に支払う税額が削減されることになる。ナショナル・ポスト紙は、以上の減税事項が秋季経済報告に向けて検討中であるとすでに報じていた。保守党政府は、2011年までにGSTを6%から5%に引き下げるという2度目の減税を公約していた。しかし連邦政府は過剰黒字で潤っているため、経済学者たちは政府が直ちにもう1%減税することも可能と見ている。
 自由党のステファン・ディオン党首は、保守党のGST削減案に以前から批判的な立場をとっている。財務データによると、連邦政府は今会計年度初めの5ヶ月で、前年同期比20%増の87億ドルの黒字を計上している。連邦政府が今後5年間で、経済力強化のための減税や政策資金として自由に運用できる予算は1千億ドルにも及ぶと予想する経済学者もいる。

図: GST減税の妖怪(フラハティ財務相)に追われるディオン党首。


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高橋 幸二

 自由党のステファン・ディオン党首は、次期総選挙で政権を獲得した場合は保守党政権が掲げるGST減税を撤回すると語った。
 この発言は、前日フレアティ財務相が、所得税・法人税の削減と共にGST1%削減により減税総額600億ドルが見込まれる予算案の一部を公表したのを受けている。ディオン党首は、2006年施行のGST1%削減を含むGST2%削減により生じる減税額は、他の政策に使用すべきであり、別の減税方法があるはずだと非難した。また、GSTの削減は毎年60億ドルから70億ドルの予算減少に繋がる軽率な案であり、国民の多くも異を唱えていると主張した。ディオン党首は先の国会での所信表明や多数の公約不履行に対する非難に加え、今回の予算案撤回を訴えており、ハーパー首相は反論ばかりすると非難した。

 だが与党のGST削減公約は、国民の間で好評だということが判明した。自由党など野党がこれに反対するなら、野党の支持率低下は必死であり、そうなればハーパー首相の解散・総選挙を誘発する可能性がある。
 ディオン党首はこう語った。
「国民が総選挙を先週やろうと思わなかったのなら、来週やろうと思うはずはない。我々は保守党政権よりもっとよい減税案を提示する。特に、保守党政権によって増税された所得税を減税する。」

 ハーパー首相の所信演説に対する投票が10月に行われているが、野党NDPとケベック連合が反対票を投じたにもかかわらず、予想通り自由党は投票せず棄権し、126対79で可決された。自由党はその前に修正動議を提出して拒否されており、これにより自由党が強く反対する、アフガニスタン派兵の2年延長と京都議定書を批准しない方針が確約されたことになる。今後の議会運営は、ハーパー首相の主導権によって行われることになるだろう。
 投票の棄権した理由はもちろん、総選挙の回避である。9月に行われたケベック州補欠選挙で、3議席のうち自由党だけが主要4党のなかで1議席も獲れず敗北し、ディオン党首の指導力が疑問視されている。与党保守党は過半数を割り込んでおり、野党3党が結束すればいつでも解散・総選挙に追い込むことは可能なのに、自由党は対決姿勢を見せずハーパー首相の所信演説を黙認した。

 保守党のGST1%減税を凌ぐ、より魅力的な公約を提示できなければ、自由党は総選挙で手痛い敗北を喫することになるだろう。総選挙で敗北すれば、ディオン党首にはもう後はない。
by 高橋 幸二 (2007-12-01 22:52) 

高橋 幸二

 カナダの消費税は連邦(GST)と州(PST)の二重取りで、概ね12~14%となっており、アメリカの6~9%に比べると明らかに税率は高い。そのため、同じものを買ってもカナダの方が物価が高くなってしまうのだ。
 カナダではいまだに値札が、仕入れ時のまま“US$15.00・CN$21.00”などと表記されているが、今はカナダドルの方が価値が高いのだから、カナダ人はアメリカへ行ってより安いアメリカ商品を買った方が得になる。国内消費を保護するため、消費税減税は急を要する政策ではないだろうか。
by 高橋 幸二 (2007-12-01 22:53) 

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